15話 再会の廃屋
えらく更新が遅れてしまいましたが私は元気です。
次の日
[マスター、お茶です]
「ありがと。」
[秋葉さんは紅茶ですね]
「ありがとね。」
ゆかりはメイド服でウェイトレスをしていた。
性格の方はシアンにうるさく言って戻させた。
そのシアンはというと、
「コーヒー一杯」「サンドイッチ2皿」「宅配ピザ100人分」
「かしこまりましたー!」
こちらもメイド服で注文を聞いている。メイドが2人いるラーメン屋。もう訳がわからない。
「というか今日は結構繁盛してるんだな。」
「何か王都が燃えているからそこの店の常連客が流れているみたいよ。」
「あれま。物騒な世の中だな。」
「なんでも、路地裏でボヤがあったみたいで、犯人はわからないらしいよ。」
……あれ?
「それってもしかして……」
「詮索しない方がいいよ。」
「アッハイ」
犯人が目の前にいた。
ってか、貴族犬騒動から一日経ったのにそんなに燃え広がってるのか。
「……ちょっと罪悪感するから消火しに行ってくる。」
「消火?」
「一応私水の魔法も使えるから。流石に放火魔で終わりたくないから。」
「あ、いってらっしゃい。」
[誰も宅配ピザ100人前に突っ込まないんですね……]
場所は変わってクエストカウンター。
「悠斗さん、新しいクエストがあります。」
「あ、どうも。」
「さ、今日の依頼聞いてく?」
「キャラが安定してないですが……」
「ほら、たまにいるじゃん。バグで口調変わる看板娘。」
「なにその細かすぎて伝わらないモノマネ。」
ってかこの人どこで元ネタの情報を手に入れてるんだろ……
「とりあえず、依頼受けてく? 今はこれだけあるけど……」
例のパネルに依頼文らしき文が並べられていく。
「……なんというか、地味な依頼ばっかですね。」
「まぁ、今は平和だからね。」
上から、【放火魔を探せ】【消火して!】【コンタクト探して!】【死にかけのブルース】【屍を葬れ】【バンド組みましょう!】
「魔王退治! とかそんな感じのワクワクするクエストはないんですか?」
「なかなか難しいよ。それに、ここの魔王は人に被害をかけないから討伐対象には入らないよ。むしろたまに討伐を手伝ってくれるくらい。」
「へー。」
平和だ。
「さっき王都の関係者から依頼されたばかりの依頼がいくつかあるからそれをやってみたら?」
放火魔のやつと消火のやつか。秋葉もこれに行ったのかな?
「この消火のやつはバケツリレーでもするんですか?」
「いや、水の魔法が使える人を急遽募集しろってことだからそういったことはしないんじゃない?」
「あ、そうなんですか……。」
何も出来そうにない……
「というより、死にかけのブルースが凄く気になるんですが。」
「ああ、これね。ええっと……」
パネルを操作してクエストの詳細を開く。
【死にかけのブルース】by黄昏の詩人 太郎
誰も寄らない廃屋
実はやってる穴場のお店
店主も倒れて崩壊寸前
誰か助けて友達を
「……何の依頼なんだ?」
「何でしょうね?」
全然内容が伝わらない。
ってかこれは詩……なのか?
「とりあえずこれ行ってきたら? 他に行きたい依頼もなければ。」
「あ、はい。」
ということで町外れの廃屋に。
今回は1人(と一匹)だ。何気にこのスライムと2人(?)きりなのは久しぶりな気がする。
で、その廃屋の前に来たのだが……完全に廃屋だなこれ。
木造の超ボロボロの家。屋根も1/3くらい落ちてきてるし、なによりクモの巣がヤバイ。
確かに誰も立ち入らなさそうだ……ってか、本当にここで店やってるのか?
とりあえずドアノブを回し……回らない。
ま、まぁこんなドアノブたまにあるよね。ってことで押してみる。開かない。
今度は引いてみる。開かない。
これ本当に開かないやつでは……? 一回戻って若葉さんに聞いてくるか……
「お客さん? いらっしゃい!」
「横にスライドするタイプかい!」
めっちゃ勢いよく開いた扉から良く知っている人が飛び出した。
「あれ? 悠斗? 久しぶりー。」
「……なんでお前がここにいるんだ?」
「それはこっちの台詞でもあるけど。」
こいつは緒方 紬。一年くらい前に失踪した親友。
失踪っていうのは、元いた世界で突如人が消えるという怪奇現象が多発し、手に終えなくなった政府が消えた人物を[失踪者]と総称したものだ。
まさかここで再開するとは。
「立ち話もなんだし、入ってよ。」
「あ、うん。」
紬が俺を店の中へ引っ張った。
店の中は外と比べて……はいけないくらい綺麗な内装だ。
というか、外観が嘘のようにすら思える。
お洒落なカフェを連想させる内装、ショーケースの中はなんか便利そうなグッズがきれいに並べられている。
……なぜここにベストを尽くしたのだろうか。いや、ベストを尽くすべきなのだろうけど、それ以上に改良する点があるでしょ。外装とか外装とか。
「座って。お茶か何か出すから。」
「いや、そんな気を遣わなくても……」
「どうせ誰もこないんだし、遠慮しないで。」
と、紬は奥に入っていった。
「で、なんで紬がここにいる訳?」
「いや、こっちの台詞なんだけど。」
「俺はなんか死にかけてダサイ死に方をして体を貰ってこうなった。」
「? どういうこと……?」
「あんまり俺にもわからない。」
実際トントン拍子でこうなってるからなぁ……
「で、右目はカラコンでもしてるの?」
「流れ星が目に入った。」
「え?」
「何日か前に流星祭ってあったじゃん。そのときなんかこうなった。」
「えぇ……。」
そりゃそういう反応になるわな。ってかこれが普通の反応だと思う。
「で、さっきの質問だ。なんでここにいるんだ?」
「うーん……」
紬はしばらく考え込み、
「気づいたら変な街にいて、そこで凜と再会して、事情を聞いて「あ、別の世界なんだー」ってなって成り行きで店番手伝ってる。」
「随分飛躍したな。ってか、凜もいるのか。」
凜……丹場 凜 紬の親友であり俺の親友。
こいつは確か紬より先に失踪したんだよな……その時は紬と一緒に色々な所探し回ったっけ。
「それじゃ他の失踪者もこの世界にいるってことか? カナとか奏とか光里とか。」
「凜もそう考えてたよ。といっても憶測らしいけど。」
「へー。」
とまあ、この他にも色々と世間話をしてたら外はもう真っ暗になった。
そらそうだ。一年ぶりに親友と再開したんだ。積もる話もある。
とまあ、誰にしてるのかわからない言い訳をして俺は帰ることになった。
「またきてね。今度はアイテムでも買っていって。」
「おう。」
というか、依頼で来たのに何もしなかったな……。
「おかえりなさい。」
「ただいまです。」
何もしてないけど帰って来た。
「覚悟ぉぉ!」
そして殺された。
[謎の交友関係]
「それよりもっと言うことあるだろ。」
なんで俺殺されたんだ?
[そういえば職人が呼んでましたよ]
「その前に死因を教えてくれ。」
[飛び膝蹴りをうけて死にました]
「何で?」
[さぁ?]
……はい。更新が遅れたせいでタイムリーなネタになってしまいました。不謹慎とか言われても、一応前回伏線をはっておいたのでそこはご了承ください。
ここから悠斗の知り合いがどんどん出てきます。
あと、時期は未定ですがここまでの話を一通り書き直そうと思っているので、気長にお待ち下さい。
[次回 偽善]




