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メモリーズ(仮)  作者: 御厨 郁葵
第一章 旅立ち編
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14話 世話焼き機械のゆかりさん

タイトルを何かのパロにするのが今のマイブームです。

マイケルさんの魔法でラーメン屋に帰ってきました。

そしてマイケルさんが討伐の報告だったり、スライムを回復してくれたりしてくれました。マジでマイケルさんが凄い。

「コレデ大丈夫デスヨ。」

「何から何まで本当にありがとうございます……」

「イエイエ。ソレデハマタ!」

そしてマイケルさんは去っていった。

「……私の回復はしてくれないのね。」

カウンターに突っ伏してる秋葉が言った。めっちゃ落ち込んでる。

「どうしたんですか? やけに疲れた様子で。」

今度はシアンがやってきて秋葉に声をかけた。

「いや、魔力を消費しすぎちゃって……。」

「??」

[生命力の低下は無いみたいね]

あ、ゆかりも……って、めっちゃ口調変わってる。なんか研究者っぽい。

「なんかキレて炎のえげつない技をだしてこうなってる。」

「あ、マスター。……本当にどうしてそうなったんですか?」

「貴族犬の討伐。」

「あ。納得。マスターもついていったんですか?」

「納得するんだ……そうだけど。」

「何か貢献しましたか?」

「……いや。あんまり。」

実際、貴族犬を倒したのは秋葉だし、倒れた秋葉とスライムを運んでくれたのはマイケルさんだし。なにも役にたってない。

[……前から思っていたけど、マスターって役立たずね]

「めっちゃ毒舌になってない? ゆかりさん?」

「あ、口調で遊んでて元に戻すの忘れてた。ゆかり、ちょっと来て。」

[はい]

シアンがゆかりを呼び戻して、後ろでパネルか何かを操作している。

……この世界においてパネルって万能なんだな。

「そういえば、貴族犬の報酬って貰ったん?」

「マイケルから受け取ったよ。そこそこ高額だったね。」

「いや、俺は貰ってないんだけど。」

「あれ? なんで?」

「さあ? 活躍してないとか?」

「それはないと思うけど……後で大将に聞いておこうか?」

「ん? 呼んだか?」

入り口の方から声が聞こえた。謎に逆光で真っ黒になってて見えないが、おそらく大将だろう。

「あ、来た来た。ここの修理よろしくお願いしまーす。」

違った。若葉さんが呼んだ業者さんだった。それにしても、謎にタイミング良すぎだと思う。

「……大将だと思った。」

「俺もそう思った。」



「ああ、兄ちゃんの分は少しだけ減ってるぞ。」

数分後に大将が戻ってきたので聞いてみた。

「税金みたいなもんだな。探検者になるは一定金額を納めることが条件となっているけど、転生してきた人は一文無しから始まる訳だから、その分最初の方の報酬からある程度引いてそれに充てるってシステムがあるんだよ。」

「へー。」

「といっても兄ちゃんの分は殆ど納めたから今回はお釣りが出る筈だが……そうだよな? 若葉?」

「はい。今回渡した報酬の半分くらいで最後でしたよ。残りの半分は報酬として出したはずですが……。」

「ってことは?」

「マイケルがネコババしたってこと?」

「そうなりますね。」

おいおい、今の一瞬でマイケル氏の株が一気に下がったぞ……



「……報酬の件は残念だったね。」

「……どっちみち報酬の使い道に困るだろうからいいんだけどさ、なんかなぁ……。」

信頼を裏切られた感が凄い。そんなに信頼をおいていたのかと聞かれると困るけど。

[あれれー? めっちゃテンションサゲサゲじゃーん。元気だしてこーよ!]

「誰だお前!?」

[え? マスター、ウチのこと忘れたん?]

「ああ、ゆかり! ちょっと待って……。」

「情報量多いな!」

えーっと、一回整理しよう。

・マイケルにネコババされた。

・傷心している俺を慰めようとしたのかゆかりが話しかけてきた。

・ただそのゆかりがギャル語だった。見た目もちょっとギャルっぽい。

・で、奥からエプロン姿のシアンが出てきた。

……なんだこれ。

「えーっと……ゆかりちゃん? どうしたの?」

[あ、秋葉さん。ちゃおー☆]

「ち、ちゃおー?」

「ああ、埒が明かない! 強制停止!」

困惑した秋葉に絡んでいるところでシアンがパネルを操作し、やっとゆかりが止まった。



「で、何してたんだ?」

俺と秋葉はシアンに問い詰める。

ちなみにゆかりは今メイド服でウェイトレスをやってる。めっちゃ危なっかしい。

「いやね、ゆかりって基本的にはなんでもできるみたいだけど、性格が欠乏しているのよ。」

「酷い言い様だな。」

「だってそうなのよ。なにやらしても[はい。了解しました]や[分析中]なんて機械みたいな対応で。」

「あれ? ゆかりちゃんって機械じゃないの?」

「機械だけど! あー……ともかく、個性豊かな子に育てるために色んなひとの性格コピーさせて試してたの!」

「親かお前は。」

「頼まれてるの! オズに! というかこれマスターの仕事なのよ!」

「俺!?」

「マスターって一応あの子のマスターでもあるんだから!」

「無理矢理ならされた感があるんだけど。」

「あーもう! 大将! コーヒー!」

「あいよ! 機械の嬢ちゃんに持っていかせるから待ってな。」

急に逆ギレしたりコーヒー頼んだり忙しいやつだな。

けどまぁ、確かに感情は大事だよな。シアンの言い分もわか

「あっち! 何何急に何!」

[あ、ごめんなさい。ご注文のコーヒーです]

「お前かーい!」

転けたところからダイレクトに渡してくるウェイトレスがいるか! しかも頼んだの俺じゃないし!

「……スキャン材料を間違えたわね。」

「誰をスキャンしたの?」

「メイドの幸子さん。」

「ああ、ドジっ子メイドで有名な。」

「少しは俺の心配をしてくれ!」

[申し訳ありませんマスター、ご奉仕いたします]

ゆかりがそう言って近づいてきたが、謎に滑って、滑った勢いのまま俺に激突した。



冥界にて

[奉死]

「誰が上手いことを言えと……」

このパネル、無駄にセンスがいい。



冥界を早めに切り上げて帰って来た。

[マスター、大丈夫でしたか?]

ゆかりが元に戻っていた。

「……うん。やっぱりこの子はいつも通りが一番ね。うん。」

「騒動の発端は誰なのよ……。」

「けど、たまにはあんなゆかりもいいかもね。」

「「やめて。」」

「けど、メイドは良くなかった?」

「人にコーヒーをぶっかけるメイドは嫌ね……。」

「奉仕とか言って殺すメイドはなぁ……」

……あまりメイド要素なかったですね。


とりあえずゆかりはこれまで通りの喋り方のままですね。


次回[謎の交友関係]

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