11話 スターダストフェスティバル
因みに流星群は英語でMeteor showerらしいです
流星祭とは
その名の通り流星群の下で行われる祭りである。
この流星祭の由来は諸説あり、ある星術使いの勇姿を称えるため、いつか来ると言われる星を破滅させる隕石を防ぐため、など言われているが、一番有力な説はお祭りがないこの地域を盛り上げようというものである。
また、この流星祭には代々、星術使いを継承するという儀式もいつしか行われるようになり……
「あれ? マスター、なにぼーっとしてるんですか?」
「ん? ああ、流星祭の古い資料を読んでいた。」
「……どこに本が?」
「ほら、この前ここの地下の書斎に行ったじゃん。その時にスキャンした本をな。」
「そうじゃないです。今、本がどこにあるかということです。」
「ああ、ここ。」
左手に本を出現させる。
「今本を取り出したのにどうやって読んでたんですか?」
「内部的に。」
「え?」
「いや、召喚の書を使って取りさなくても俺の中では本文が読めるんだよ。」
「……そういえば召喚の書をスキャンした直後に呪文がどうの言ってましたね。」
「そうそう。結構便利なんだよこの体。」
「いいですね。ゆかりもそんな機能ついているのでしょうか?」
「そういえばゆかりは?」
「……あなたが色々している間に私がお世話しましたよ。」
「あ、ありがとう。」
[こんにちは、マスター]
「あ、ああ。こんにちは。」
[調子はどうですか?]
「……別に大丈夫だけど。」
[今日は大変いい天気ですね]
「ま、まあな。」
[今から一緒にランチにでも行きませんか?]
「なんだこの教科書英文みたいな受け答え!」
[体験版はここまでです。製品版をお買い求め下さい]
「体験版!? 」
「あ、私がさっき覚えさせた受け答えちゃんと使ってる。」
「お前の仕業かい!」
「だけど、一番最後は秋葉さんが教えたんですよ。」
「秋葉ぁぁ!」
ってかこいつら秋葉と仲よかったんだ。
[急に話しかけてきましたが、結構気さくな女性でしたよ]
「あいつコミュ力高いなおい。」
[改めましてこんにちは。マイマスター]
文脈読んで喋れてるじゃねーか。
[今日からお世話になるゆかりです。マスター、ご指導よろしくおねがいします]
「……これもテンプレか?」
「えーっと、そうね。確か凜さん、だったはず。」
また新しい人が出てきた。
凜っていう知り合いが一応いない訳ではないが、少なくともこの世界にはいないだろう。
[そういえば、今日は流星祭ですが皆さんはいかないのですか?]
「このテンプレ今日しか使えねえだろ!」
「あれ? これは誰も教えてないはず……」
[普通に喋れますよ。基本的な受け答え程度は]
「まじかよ。」
さっきのテンプレといい、普通に喋れてるし凄いな。
……こいつの台詞最初から全部棒読みだけど。
「そういえば流星祭がそろそろ始まるわね。行く?」
「ああ。あ、秋葉誘おうぜ。」
「いいわね。」
というわけで、ラーメン屋の外に出て暫く行ったところにある広場。
出店が結構出てる。綿菓子、焼きそば、射的、輪投げ、トカゲ、ベビーカステラ。
……一瞬トカゲって書かれた屋台が見えたが、触れないでおこう。
そして頭上には花火が上がっている。……流星群は?
「もうそろそろかな?」
秋葉がそう言うと、花火が止み、広場の中心にあるステージが光った。
「お待たせしました! 流星祭の目玉! 舞台公演です! まずは、我らがトラス街の誇る大アーティストの登場です!」
「「「「うおーーーーー!」」」」
なんか始まった。舞台上では炎や水が綺麗に舞っている。
「綺麗……」
「そうね……」
[凄いですね]
うちの女性陣は完全に見とれてる。勿論俺も例外でなく見とれてる。
「続いて、世界的に有名な歌姫、天宮 爽さんが来てくれました! 早速歌声を披露して貰いましょう!」
天宮 爽 彼女の名前には聞き覚えがあった。彼女は現実世界……俺がもといた世界で超がつくほど有名だった歌姫だ。彼女の歌声は聞く人全てを魅了したと言っても過言でない。勿論俺も例外ではない。
会場の皆が彼女の歌声に夢中になり、彼女の歌が終盤に差し掛かったところで流星群が振りだした。
自然の演出も相まって、会場のボルテージが最高になった。
「ありがとうございました! 会場が一体になったところで! 次は! コーラス隊の皆さん! お願いします!」
そのとき、一筋の光が広場の方に落ちていった。一瞬の出来事だった。だから、皆は一瞬の戸惑い、次の一瞬では流星祭を再び楽しんでいた。
例外として、俺は流星祭から姿を消していた。
「いったぁぁぁぁぁ!」
冥界で俺は目を抑えて一人絶叫していた。
[絶対痛そう]
「めっちゃいてえよ! 何が起きた!」
[流星が目に入って散りました]
「俺の目どうなってる!? 失明した!?」
[鏡を見せます。どうぞ]
「うわっ眩しっ!」
自分の顔を見てみると、まず目に入ったのは光。
徐々に光に目が慣れて、自分の顔が見えるようになったが、異変は感じない。
いや、一つだけある。自分の右目が、光っている。
眼球がそのまま光っている。黄色……金色に。
因みに俺の左目は元と変わらず黒色だ。ひょっとしたら青色かもしれないが。
「ええっと、状況を頼む。」
[右目が隕石と擬似的に入れ替わっています]
「んなアホな! 俺の右目は?」
[消滅した……と言った方が正しいですか?]
「まじかよ。」
[女神に貰った体で良かったですね]
「ホントにそうだよ。」
[視力は大丈夫なようですが……]
[ほんとうに だいじょうぶ ですか ? ▼]
「ありがとう職人……。全然大丈夫くないけど」
[職人、彼の体を修復することはできますか?]
[かれの からだは ぶき じゃ ない から
むり だと おもう ▼]
[そうですか……。ステータスの異常もみられますし、少し様子を見た方がいいかもしれませんね]
「なんかいろいろとごめんな。」
[いいですよ。元々私は貴方の死後をサポートするために存在しますし]
ということで11話です。
ついに悠斗君の目が……
一応貰い物の体だから、本体は無傷なんでしょうが、その本体はどうなってるんでしょうかね……
次回[デスルーラ]




