↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/14

第7話  悟りは菩提樹の下で

https://img1.mitemin.net/m7/zn/1x2x3iuvzcqfkezchnu1fh56rfj_3vx_16o_sg_1sd2b.png


扉絵です

「スーパーマリヲちゅうたら、

サトー世代にはど真ん中のゲームやったんちゃうか、

みんなやりまくっとったやろ。」

「そうですよ!当時は学校から帰ったら、とにもかくにもマリヲでしたね。

で、なんなんですか、マリヲがさっきの話とどう関係するんですか?」


「そのゲームの中で、マリヲはひたすら右へ右へと、進んでたやろ。」

「そうですそうです、あこがれのビーチ姫を助けるために!」

「途中でマリヲ、キノコ食いよるねん。」

「ですね、そしたら大きくなって、強くなるんですよ。」

「キノコ摂取したら大きく強くなるて、発想が完全にバイアグラやど。」

「いやいや、そんな発想、師匠だけですよ。私らは純粋に遊んでましたよ。」

「マリヲて完全にオスの象徴やと思えへんか。

マジックマッシュルームで大きく硬くなりました。

あげく葉っぱ吸うたら火ぃ吹きよんねんど。

あの世界、天然薬物だらけやんけ、どないなっとんねん。」

「師匠の解釈が無茶苦茶なだけですよ!」

「無茶苦茶なんはニソテソドーやろ、

青少年相手になんちゅうゲームばら撒いとんねん、て話やど。」

「確かに・・・そう言われたら、コンプラ的に良くないかも。」

 げらげら


「で、マリヲや。マリヲは何の疑いもなく、

この世界の右端に巨乳の姫さんがおると妄信して、

ひたすら走っとるわけやん。」

「ま、まあ、そう、なんでしょうね、きっと。」

「実はお前が操作してるなんて、夢にも思てないわけやん。」

「それは・・・、そう、かもしれないですね・・・」

「自分の意志で、

右だけ向いて。

たまには左に行ってみたいという誘惑も完全に遮断して。

各種天然薬物をためらわず摂取して。」

「・・・」

「無事姫さんを救出したあかつきには、

嬉しはずかし朝帰りや。

なんせおクスリでばっきばきにキマっとるさかいな。

そらもう、何発でもイケるど。」

「こらこら。」

「でも、実際はお前やん。」

「・・・」


「現実は、よい子のお前が操作してたわけやん。

麦茶しばきながら。健全やな。」

「・・・ですね・・・」

「これって、恐ない?」

「・・・マリヲの立場になったら、恐いですね・・・」


「マリヲの立場に立たんでもええがな、

これ、マリヲの話とちゃうど。」

「え?どういうことですか?」

「これ、お前の話やど。」

「え?え?」

「そやから、これ、お前の話やねん。」

「私?」

「そう、お前、マリヲやねん。」


「私が、マリヲ・・・

それって、実は誰かが私を操作してるって、

そういう意味です・・・か?」

「ふふふ、でもな、実際お前はマリヲよりもっと悲惨やど。」

「え?悲惨・・・?もっと?なんで??」

「マリヲには、巨乳の姫さんがおるやん。」

「ぐ・・・」

「お前には誰もおらんやん。」

「・・・」

「自分の右手だけやん。」

「ぐはあ!」


「カワイソーヤナー。モッタイナーイ。」

床に倒れたサトーを見下ろしながら、

ハナちゃんがサトーの食べさしプリンを丸のみする。

「ぐ、ぐふっ、げぼ!」

サトーが吐血する。


「でもな、うちが可能性である以上、お前も可能性ってことやろ。」

「え?」

「なにしろ、うちもお前も、同じ人間やん。」

「そ、そういえば、そうでしたね、

師匠、人間でしたよね。

ちょっと忘れてましたけど。」

「そうやねん、そやからなサトー、お前、ゲーハーのブーデーやん。」

「ぐああ・・・」

「でもな、実は細長いロン毛でもあるわけや。」

「ぐ、ぐぐ?」

「なんせ可能性なんやど。」


「で、でもね師匠、それって、さっきの話と矛盾してませんか?」

「何がや。」

「だって、私がマリヲを操作してるように、

誰かが私を操作してるかもしれないんですよね。

私は「もしキバ」の登場人物で、

作者が勝手にやりたい放題、私に自由意志なんて何もないんですよね。」


「まあ、それがやな、意外とそうではないのだよ、君。」

「どういうことですか?」

「なんなら、うちらが作者をコントロールしてしまえる可能性があるのだよ、君。」

「それって、どういう・・・

あ、まさか、それが、キバリオン・・・?

ってことですか?

それがキバリオンなんですか。」

サトーは白目でハナちゃんを見上げる。


「おい、お前のプリン、もうあらへんやんけ。

シンちゃーん、プリアラおかわりや、

なんならピッチャーで持って来てんか。」

「師匠!教えてくださいよ、それがキバリオンなんですか、って、あれ?」

「おーサトー、どないした?」

「い、いや今、なんか、天井から、チェリーの種が降ってきまして・・・」

「おお、それか、それはやな、

お前の眉間にぶっ刺さってたやつや。

それがぽろっと取れて、ぽろっと落ちたんや。

ちなみに狙撃したんは、うちや。」

「私の眉間って、んなわけないでしょうよ。」

「嘘やと思うなら、自分のデコさわってみいや。穴空いとるやろが。」

言われてサトーは自らのおでこを触る。

「・・・なに、この穴・・・?」


「ついでにその種、摘み上げて、デコに実装してみいや。

ええ感じですっぽり収まるど。」

「・・・」サトーは無言で実行に移す。

「おおー、ええどええど、よう似合うとるわ。

なんか、ブッダみたいやな。

どや、なんか悟れそうか?」

ハナちゃんがどんぶりのトリプルプリアラスペシャルを豪快に流し込む。


サトーは静かに目を閉じる。

背中に菩提樹を感じる。

悟りの境地に至ったのだろうか、

無我のほほえみをたたえながら、

やがてサトーはゆっくりと目を開く。

「・・・右手に、感謝・・・」


こうしてサトーは、「気づく」ことの大切さを、読者の皆様に、その身をもって示したのである。


<第8話予告!>

純喫茶スワン。

月に1度だけ開催される、

謎のイベントとは・・・

サトーはついにキバリオンの入り口に立つ!

のだろうか?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。