↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
10/13

第10話 川下のドリョク

https://img1.mitemin.net/lu/d2/liw77pm23fs2cava9jkv2ujzm8yl_zdw_1ag_q5_1veyr.png


扉絵です

ここはニシナリ。

純喫茶スワンでは、

サトーの瞑想タイムが、

ちょうど終わったところである。


「どや。」

「・・・どや、と、言われましても・・・」

「お前、努力したか?」

「え、努力・・・ですか?」

「手ぇ伸ばしたり、身ぃよじったりは、したよな。」

「はい、しましたね、かなり、しましたよ。」

「でも、それって、努力か?」

サトーが瞑想を振り返る。

必死だったかもしれない、

しかし・・・

努力かと言われると、違う気がする。


「例えばな、お前の会社でも、新年度になったら、

人事評価面談みたいな、しょもないこと、するやろ。」

「しょもなくないでしょうよ!

大切なことですよ!

給料に直結するんですよ!!」

サトーが猛烈に反発する。


「ほんで、そのときにや、

成果を出すために、どんな努力をしましたか、って

上司に聞かれたりするやろ。」

サトーの憤慨はおかまいなしに、ハナちゃんが続ける。


「はい、それ、だいたい、いつも聞かれるやつですね。」

「その時、お前、一生懸命、手ぇ伸ばしましたって、言える?」

「・・・」

「そんなこと、言う勇気、ある?」

ハナちゃんが、サトーを見つめる。

「ないですね。」

サトーが即答する。

「せやろ。」


そして人事考課面談が、始まる。

「サトーさん。」

「はい。」

「リスクヘッジのため、あなたは今期、

どんな努力をしましたか?」

「はい、流れてくるうんこちゃんを、避けました。」

「それで、完全に避けることは、できましたか?」

「そうですね、付着は、最小限にとどめました。」

「なるほど。」

「リスク管理を徹底しました。」

「すばらしい。」

「で、評価のほうは、どうでしょう?」

「Cやな。」

面談が、終了する。


「・・・いや、わかりますよ、

わかりますけど、

でも、なんか、それって、無理やりじゃないですか?」

やっぱりサトーは、納得がいかない。


「なんでや?なにが無理やりや?」

「言いたいことはわかるんですよ、でもね、それって、

次に何が来るか見えてるからこそ、できるわけじゃないですか。」

「そらそやな。」

「100万円だったら受け取りますよ、

うんこちゃんなら避けますよ。

でも、そんなの誰だって、そうするでしょう。」


ハナちゃんが、ポシェットから豚足を、引っこ抜く。

「川下ばっかり見てたら、同じことしたくでも、でけへんと、思わん?」

「え?」

「川下見てると、100万円が自分の横をスルスルと流れて行くわけやろ、

あわてて取りにいくやろ、

でも川の流れより早く泳がなあかんし、

他にも気づいたやつらとの、争奪戦にもなるわけや。」

ハナちゃんが、静かに、豚足を、吸う。


「うんこちゃんかてそやど。

知らんうちに、べっとり付着しとんねん。」

「・・・それは、嫌ですね。」

「しかもや、拭いても拭いても、よけいに広がったりしよるねんど。」

「・・・」

「どうせ努力するんやったら、

効果を最大化したいと、思えへん?」

「それは、理想的ですけど・・・」

「川上見てたら、選ぶだけで、ええねんて。」

ハナちゃんが、ニタリと笑う。


「シンちゃーん、そろそろ、

ハイパー・エキセントリック・プリアラよろしゅうに。」

ハナちゃんが、

ディナーナイト・フィーバーを、

締めにかかる。


やがてサトーが、口を開く。

「師匠・・・

確かに川上を見ておくっていうのは、大切かも、しれませんね。」

「おおそやど、成長したやんけ、弟子。」

「だって、そうすれば争奪戦になりませんもんね。」

「せやな。」

「独り占めできちゃいますもんね!」

サトーが笑う。

ちょっと、下品な感じが、する。


「まあ、実際の話、努力も必要や。」

「でしょうね、そりゃ、そうでしょう。」

「このプリンアラモードがハイパーなほど

エキセントリックに美味いのも、

それは努力の成果やと思うで。」

ハナちゃんが、プリンをつっつく。

「でもな、もっと大事なこともあるんちゃうか、って話や。」

「ですねー」

サトーが納得する。

ヒトリジメ、というワードが、サトーをとりこにする。

うれしくて、全身に鳥肌が、立つ。

全身の鳥肌が、よく、見える。

・・・なぜ?


「ところでサトー、お前そろそろ、

服着たほうが、ええんとちゃうか?」

「え?」

「お前、川辺での瞑想中、全裸やったんやろ。」

「・・・」

「もう終わったんやから、服、着ろや。」

サトーが窓ガラスに映る自身の姿を、確認する。

びしょ濡れだから、寒い。

鳥肌。


っきゃー!


「この回が原因で、

もしキバのアニメ化が見送られたら、

お前、どないしてくれるねん。」

げらげら


こうしてサトーは、川上だの川下だのより先に、

自分のシモ半身にブリーフを実装することの大切さを、

痛感したのである。


<第11話予告!>

ハナちゃんがサトーに語る、

よーく考えよー

「設定」は大事だよー

セッテーを設定する次回も

ゼッテー見てくれよな、

うち、わくわくすっど!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。