第84話 銀髪弓使いはゲームの主人公から
「お……おぼえてやがれ!」
捨て台詞を吐きながらその場から逃げ去るのは三人組の男達。
それを見送るセリニは淡々としていた。
――お馴染みの……。
ゲームでの悪役が時折言い放つ台詞を直に聞けたことに感慨深いものを感じながらセリニは疑問を抱いていた。
――よく……動けるね。
セリニは加減せずに攻撃していて特に最後の弓での一撃は溜め攻撃であり、それを受けた男性は地面に思いっきり叩きつけられて卓球のボールのように飛び跳ねたのを目撃していた。
――当たった時の感触……違うような。
感覚に関して思うところがあったセリニ。
そんな彼女に突如背後から堅実な色合いな声が届いた。
「貴女が人攫いであるあの三人を弱らせたのですね!」
「は――はいぃ!!」
完全に不意を突かれた形であり、セリニは奇声を上げる。
――ま……またしてしまった。
――気をつけないと……。
声に関するやらかしは今日で二回目――反省しないと駄目だと思いながら振り返ったセリニだがその最中にも声が届く。
「お陰で捕らえられました」
現れたのは無個性な西洋風の軽鎧。フルフェイスの兜を着た男性で槍を背負っている。
その姿は街の中で既に見たこともあってセリニはその正体を看破する。
――NPCの……衛兵。
知っているモブキャラクターが自ずと話しかけてくることもあるのかとセリニが驚く最中にも言葉は続く。
「ですがまだ終わっていません。街の地下水路に捕らえられている人達も助けなければ」
「地下……水路もあったんだ」
新たな要素を聞いて面白いと思ったセリニであったが同時に勘づいた。
――この流れ……。
続けて衛兵が話したことはセリニが想像したものであった。
「貴女にお願いしたいのです」
そう言うと物を手渡す動作をする衛兵、それが終わると同時にセリニの前にパネルが出現する。そこには新たなアイテムの情報が書かれていた。
――位置水晶……特定の位置を示す水晶……役目を終えると自動で砕け散る。
――マップで確認できるみたいだね。
内容を把握したセリニに衛兵は更に言葉を紡いだ。
「転移水晶も持ち合わせていないみたいですね」
知らないアイテムの名を聞いたセリニはそれを肯定するがリアクションを起こす前に衛兵は自身がしたいことを続ける。
「でしたら私のを」
そう言うや否や再び手渡す動作を見せた衛兵――すると繋がれた線のようにパネルが現れてセリニはそれを見ると解説する。
――転移水晶……使用した対象が戻りたい場所に転移させる水晶……こっちは幾らでも使えるみたい。
先に貰ったアイテムとは違い無制限に使える。
そしてその効果から対象を自身にすれば自在に使えるのかと思ったセリニ。
――憑き人は対象とならない。
だが続きの文を読むとそれは不可能だと気づいた。
――領域転移の意味がなくなるから……当然だよね。
昨日習得したスキルが無駄になるために仕方ないとしたセリニに衛兵の声が届いた。
「村に配属となる私には不要なものです、貴女が使ってください」
「村?」
話の流れが読めないセリニであったが衛兵は相手のことを気にせずに最後の言を口にする。
「では失礼します、地下のことはよろしくお願いします」
一方的に語り終えた影響はその場から立ち去る最中にパネルが現れた。
「地下に捕らわれた人を見つけろ……クエストだね」
先の衛兵がキーとなって出現したことに気づいたセリニは一先ずクエストを受注した。
「いきなりな……展開」
困惑した所感を口にしたセリニだがその色合いには悦が混ざっている。
――ゲームの主人公らしくなってきたね。
見ず知らずの人から依頼を受ける。それは小学生の頃からゲームを遊んでいた少女からするととても馴染み深い展開であった。
それを画面越しではなく、直に言葉を受け止めて、セリニとして実行する。それだけで月影はとても楽しくなってきた。
――このまま依頼をしたい。
示された地点に愚直に向かうことも思案したセリニだがこの場でやり残したがあるために留まることにした――とは言ってもその詳細は決めてなかった。
――あの時の二つの視線。
戦いの最中に感じたそれは敵対したNPCから感じとったものではない――敵意とは異なる俯瞰するような落ち着いたものだとセリニは認識した。
――建物の上から?
周囲を囲む建築物ならば今いる地点を見るのに適していると思えたセリニは周囲を見るが――その最中に先までの感覚は気のせいだったのでは? そんなことを考え始めた。
――ここにいるわたしを見る意味……ないよね。
場にはセリニが一人だけであり、一見すると目立つ状況ではあった。
――そもそも……街の外れ……。
しかしここは人波から離れた地点でもあった。
そんな場所にいる自身を見つけて――様子を見る。
セリニが相手の立場であったのならば大事でもない限りはそんなしないだろうと思った。
――勘違いだよね……わたしの……。
後ろに向いた感情を取り戻す機会が訪れることもないままにとりあえず周囲を見た後に移動しようとセリニが思案した途端。
爽やかで落ち着いた――そして整った男性の声が突如に響いた。
「気づかれましたか」
「えぇ!」
他者の声を聞くとは想定していなかったセリニは頓狂な声を上げたと同時に一人の人物が目の前に降りてきた。
「――!」
それを目にして驚いたセリニは一歩下がりながらもその姿を見た。
肩にマントが装着された重鎧と軽鎧の中間に位置する煌びやかな鎧を着込んでおり、一目で騎士と判別可能な装備。
色合いは白銀を主体としていて差し色に黒であった。
大人に近いが少し幼さを感じさせる。そして柔らかな雰囲気でとても整っている顔立ちの青年で目の色は青で髪は短く切り揃えていて色は金であった。
「――――」
その風貌を目にしたセリニの驚きは継続していた。
――人だけど……ゲームの主人公みたい。
一目でプレイヤーだと気づけたセリニであったが騎士然としたその風貌はRPGの世界から抜け出したと言われたら即時に納得できるほどに完成された姿であった。
「驚かせたみたいですね」
その外見と一致した声が耳に届くと同時にセリニに迸るのは緊張感であった。
「あ……あ……あの……」
――準備……していない……心……の。
唐突に現在の状況となった故にどうすればいいのか解らなくなり困惑しながら周囲に目を向ける――相変わらず誰もいない。
それを見たセリニは疑問が湧き上がる。
――どうして……この人は?
すると意識がそちらに偏って緊張感が少しだけ薄れたセリニは相手との会話を試みた。
「その……わたしは……セリニです」
出会ったからには自己紹介と思ったセリニの言葉に相手は即時に応じる。
「これは失礼――まずは名乗るべきでしたね」
そう言いながら姿勢を正した男性プレイヤーは自身の名をはっきりとした口調で明かした。
「私はナイトです、以後お見知りおきを」
「な……ナイト……さんですか!」
外見から想起可能な名であるとは思ってなかったセリニの声色は驚きの色で満たされた。
「あ……ごめんなさい……」
自身の反応がナイトに失礼かと感じたセリニは言った間際から謝罪をする。
「シンプルな名ですからね、よく驚かれますよ」
「え……あ……そう……ですか」
そう伝えられたセリニだが――別の何か言わないと駄目だと思って考えると姿を見たときと名を聞いたときの第一印象を合わせたことを口にした。
「ですけど……その……とても……合ってる名前だと思いますよ」
早口で慌てた口調にて話したセリニであったがそれは本音であった。
「ありがとうございます、私も気に入っているのですよ」
笑みを浮かべながら語るナイト。
――こ……これで……いいのか……な。
それを聞いたセリニは自身が口にした内容が大丈夫だったのかと不安を感じるその最中にナイトは柔らかい表情のままで語る。
「貴女の名前もなかなか似合っていますよ」
「え――――」
その言葉を受け止めたセリニは一時的に思考と身体が停滞したと錯覚する程の衝撃を受けた。
――わ……わ……わたしと名前が!
――アルーセさんにも……言われたけど……。
――何で……なんだろう。
自身が他者からそのような評価を二度もされる想定は微塵もしていなかったセリニ。
――な……名前の由来は月……ですけど。
――そ……それがどうして……わたしに……です……か……。
動揺が沈むことなく色々と思案するセリニ――しかし直接聞く勇気は欠片たりとも湧くことはない。
「また……言われました」
猛烈な恥ずかしさを感じながらも言葉を返したセリニは話の話題を逸らすことも兼ねてナイトに素朴な疑問を向ける。
「その……ナイトさんは……どうしてこんなところに?」
現在いるのは路地裏と言える場所であった。
セリニが数分前までこの場に座り込んでいた理由は他のプレイヤーの目から逃れる為であった。
だが目の前のプレイヤーがそんな暗い理由でこの付近にいたと思えなかった。
――何で……聞いたんだろう。
しかし出会ったばかりの相手が自身の問いに答えてくれるのかと口に出した直後に感じたセリニの身に不安感が覆い尽くす傍らでナイトが反応する。
「発端は叫び声ですよ」
「叫び声……」
相手の言葉を口にしたセリニは何のことかと考えたが――瞬間的にそれが何なのか判明する。
「あっ――」
強面の男性のNPCに不意を突かれて話しかけられた結果とんでもない声を上げたプレイヤーがこの場所にいる――それはセリニ自身であった。
――あれだけ……叫んだら……当然です……よね。
その事に気づいたがその時の叫びは自身でさえ大声量だったと把握していて誰かが聞いていた可能性が脳裏に過っていた――事前予想していた事柄故にセリニの動揺は最低限で済まされる。
「あの……そ……れ……わたし……です」
だが一安心してあの時の状況を誰かに向けて言語として放つ予定を一切無かったセリニはどう説明するべきかとあたふたする最中にナイトの声が耳に届く。
「このような場所で三人のNPCに囲まれたら驚きますよね」
聞こえたのは自身の状況を声で再現したものだとセリニは気づいた。
「見て……いたんですね」
ナイトが話したのは数分前にこの場で発生した出来事――それは間違いなき内容だとセリニは認識する。
――ですけど……どうして……見られる状況に……。
しかしここは街から外れた場所である。それは変わらない。そんな場所にナイトのようなプレイヤーが近くにいた事訳はなんなのだろうか? そんな疑問がセリニの頭に過って顔に出る。
「聞こえたのですよ、建物の上に立っている時に」
混乱する少女に手を差し伸べるように語ったナイト。
その内容の全てが身体に入り込んだセリニだが解決の道には繋がらない。
「た……建物の……上ですか……」
落下する形でこの場所に登場した故に聞こえた内容は必然的なものと思えたセリニ、しかし最初からその場所にいるとは考えていなかったために驚いた。
そこから繋がるのは疑問――どうしてそこにいたのか? であり、その事をナイトは自覚していたのか銀髪の少女が言葉を選ぶ最中に自らそれを述べる。
「建物の上にいたのはそこから見える光景が好きだからですよ」
「建物からの……光景」
聞いた瞬間はそのような趣味を持っている人が存在する。それくらいの感情を向けたセリニ。
しかしふと初日にて流れで登った大樹――他よりも一段と高い場所から見た時に視界の先に広がった光景が脳裏に映し出される。
それはとても壮大でとても印象に残るものであった。
――あの光景が好きになるのは……解ります……。
同じ情景とは限らないが類似したそれを見るために行動を起こす心境を理解できたセリニだが――その感情を初対面のプレイヤーに伝える勇気は発生せずに心に留めると決めた間にナイトは言葉を続ける。
「それを日課にしていてこの周囲を歩いていた所、声が聞こえたので駆けつけたら、貴女がNPCの三人組に囲まれていた訳です」
事の経緯を説明されたセリニは疑問が氷解すると同時に――ナイトに対する申し訳なさが身体に駆け巡る。
「あ……その……お手を煩わせてしまい……ごめんなさい」
相手は善意で来たのに自身はイベントを勘違いして叫び声を上げる。そんな情けない事をしてしまったセリニはすぐさまにこの場から立ち去りたい心持ちとなった最中にナイトは言葉を向ける。
「大丈夫ですよ、問題が起きていないことを確認できたのが重要ですから」
「そ……そうですね」
トラブルが起きていない事を把握するのは大切だと思えたセリニはナイトの言葉に頷いた。
「それに――お陰でとても面白いものを見られましたから」
そう語るナイトは笑みを浮かべる。それと同時に雰囲気に鋭さが付加されたとセリニは感じとる。
――面白い?
それと同時にナイトが言ったことに唐突さを感じるセリニ。
――良いこと……あったのですか?
同時に表情の変化も感じとったセリニであったが普通に楽しそうな様子なだけであり、その点はあまり気にならなかったが――その様子のままなナイトの視線が明確に自身に向けられていることに気づくと身体を強張らせる。
「それでなのですが――」
その様子のまま何を言いそうになったナイト――全く流れが読めないがとりあえずその声に傾けようとしたセリニに届くのは――女性の声だった。
「セリニちゃん」
「え!」
いきなり背後から自身の名を呼ぶ別人の――女性の声が届く。
――もしかして……。
それに驚いたセリニだが瞬時に聞いたことがある声と気づいて即座に振り返る。
そこには萩色の髪色に白いロングコートを身につけた女性が立っていた。
「アルーセさん」
自身にとっての初めてのフレンドがこの場に現れた――そんな展開になるとは予想していなかったセリニが戸惑いを感じる最中にナイトが声をかける。
「お知り合いですか」
聞こえた内容は正解であった。それに応じようとしたセリニだが――慌てている心境で言葉の速度は遅くナイトの言葉が先に繋がる。
「でしたら行かれて構いませんよ」
ナイトからそう言われたセリニ――しかしそれでいいのかと思えた。
――……話したいこと……ありそうと……思いましたけど……。
ナイトが何かを言いかけていると感じていたセリニ。
「私が言うべきことは何もありませんよ」
だがそれを読んだような言い回しをナイトが零す。
「そ……そうなんですか……」
相手がそう語ったのならばそれに従うべきと思えたセリニはナイトが立っている方向に身体を向けた。
「では……失礼します!」
慌てた口調で別れの言葉を口にしながら一礼をしたセリニはアルーセの元に駆け寄る。
――もう一人……いたのかな?
その最中にNPCを相手にしているときの視線に関する疑念を感じたセリニであったが――目の前の事に集中すると心に決めた。
セリニがアルーセと呼ばれたプレイヤーと合流する姿を見ながらナイトは呟きを漏らした。
「知り合い――フレンドでしょうか? いましたか」
その色合いは多少の遺憾さが含まれているものであり、そうこうしている内に二人は立ち去り、その場には一人の騎士だけが取り残された――然れどもナイトの言葉はなおも続く。
「ほんの数秒だけの戦いでしたが中々の逸材でした、ギルドに誘えなかったのが残念でしたね――マスター」
それはまるで誰かに向けた形であり――そんなナイトに応じるのは荒々しさに直線的な勢いが加えられながら品を感じる――女性の声。
「確かに残念――けど致し方ない」
上から届く声にナイトは驚きもなく淡々と応じる。
「そうですね――戦いと異なり強引に誘うのは主義に反する」
「けど――セリニって子がアルーセと合流しなかったら、あたしが止めていたよ」
「ほう」
「ミストフォロスに入る……そんな予感がするね」
断言するその色合いに向けてナイトは問いを向ける。
「何故――と聞いても?」
「女の勘ってやつさ」
「成る程、マスターらしいですね」
聞こえてくる声に向けて領得したことを告げるナイト。
「ところでだけど」
そんなナイトに届くのはちょっとだけ困った色合いを浮かべた声。
「マスター呼びを貫くつもり?」
「勿論ですよ、貴女は後のギルドマスター。ならば相応しい名で呼ぶのは当然のこと」
はっきりとした口調で語るナイトであったが途中でそれを止める。
「貴女もそう思いますよね? リュナさん」
そしてプレイヤーの名を口にするがその言い方は今まで話していた女性ではない別の者に向けてのような色合いであった――そしてそれに答える形で物静かながらも芯が通った少女の声が過ぎ去る。
「そうですね、アエル姉さんに相応しい呼び名かと」
状況を判断したナイトは揶揄するように語り始める。
「お二人して覗き見ですか、まあ私に言えたことではありませんが」
それに対してリュナは言葉を向ける。
「わたしは違います、ナイトさんを探すとアエル姉様が向かったのに中々帰ってこないので探しに来て先に到着したばかりです」
「それは申し訳ありません――ですが遅くなった理由は解りましたか?」
含みある色合いで話すナイトにリュナは冷静に応じる。
「ええ、解りました。メガロスクエストでわたし達と敵になるプレイヤーが増えたことを」
広場に届く声に続いてアエルが強気な声が届いた。
「どの道全て返り討ちにするだけ――メガロスクエストの素材やモンスター達はあたし達迅……」
だが――ナイトの後ろに立っていた龍の鎧を纏う者がその言葉を阻んだ。
「なーんでこんなところで会話が弾んでいるんだ?」
「おや……こんな場所で私達四人が集合ですか」
ナイトはそのプレイヤーと顔を合わせた途端にリュナが反応する。
「ヒムガルさん――この場での目的は果たしました、すぐにそちらに向かう予定でしたが」
「ん――まあそんな気はしていたけどさ、面白い者が見れるかも来たってところだ」
軽い口調で語って笑い声を上げるヒムガルに誰かが反応しようとする気配を見せたその瞬間――全員の前にパネルが出現する。
「コルノ・コニリアが出現か、いいね!」
建物の屋上から広場に降りながら表示された内容に喜ばしい色で応じるアエル。
「どうするんだいお嬢? あんたの指示に従うぜ」
そう話したヒムガルに既に地上に移動していたリュナは口を挟んだ。
「あのウサギちゃ……コルノ・コニリアが相手なら全員が向かわなくても」
何か別のことを言いかけながらも慎重な意見を出すリュナを置いていく形でアエルは宣言する。
「あえて全員で向かう、誰が早く狩れるか勝負といこうじゃない」
「成る程、皆でウサギ狩りと洒落込みましょうか」
アエルの意見に賛同したナイトは意気揚々と語る。
「なら全員で」
「面白そうじゃねえか」
それを追う形でリュナとヒムガルが同調すると各々でパネルを開いた後に手元に得物を出現させた刹那――四人の声が重なる――四種類のスキルの名が同時に響き渡る。
「【領域転移・金嵐戦技・風落】」
「【領域転移・原初蒼雷・落雷】」
「【領域転移・灰光戦技・墜輝】」
「【領域転移・黒龍戦技・龍星】」
場に顕現するのは――黄金の風――蒼き雷――灰色の光――黒き龍。
百花繚乱に咲き乱れ――牙を向く猛獣の如き攻撃性を解き放つ――それらが放つ輝きは影で満たされた空間を異色で染め上げる――然れどもそれは刹那の狭間。
それぞれが天に向かって遷移する事で場は瞬く間に影に染まり――元の色に戻る。
それは道外れに再び清閑の時を刻まれ始めた証。
場に新たな来場者が訪れるまで――果てなき時間を影に身を潜めて刻み続ける。




