これが死化粧っていうやつ。
どっかーん。
おおっと! 思い出しマシタ。
マイネームイズ。せな さとう。
佐藤 星奈。
そうだった。
どうして忘れてたんだろう。
あー、やめてやめて。カンベンしてください。
もう、サイアク。
白い棺に、自分が寝てる。
ふーん、へえ、これが死化粧っていうやつ。
口紅なんてだれがさしたの。赤すぎるぅ。とってよ。
チークなんて、いらないっつの。
濃い!
まだ十五歳だったね。
死ぬ日なんて、まだまだまだ。
まだまだまだまだまだ。
ずーっと、ずーっと先のことだって。
そう思ってたよね。
なんだ。
やっぱり、死んじゃったんだ。
あっけないな。
あっけない!
どうして、こんなにあっさり終わっちゃうんだろう。
誰が悪かったの。
1 よそ見していた私
2 歩行者に気づくのが遅れた車の運転手
3 私によそ見をさせた「オレマン!」弐拾参巻
4 天の神様
誰のせいにしよっかな。
どれにしようかな。
てんの、かみさまの、いうとおり。
ふんふんふんふんふん!
いや、いや。
「オレマン!」は悪くない。
悪くない、悪くない。
まあ、誰が悪いって責めたって、しかたないよね。
うん。しゃあないか。
行くところに行くわ。
ジバク霊とかもヤダし。
あれ。
なんだ?
棺の奥の方、何かある。
ああああ!
「オレマン!」じゃん。
弐拾参巻じゃん!
血まみれだけど。
ぐっしゃぐしゃに波打ってるけど。
私の、弐拾参巻。
ここにあった。




