王女の初外出
よし、ついた。ここが、下町か.......。初めてきたな〜。まぁ、仕方ないよね。お父様は私の事は疎ましく思っているからそこら辺は気にしていないもの。
「リット、あそこのお店で果実水でも飲んで行きましょう?」
「うん、良いよ。」
それから数分して頼んでいた果実水が来た。
「ん〜、美味しい!リットも飲む?」
「え?良いの?それじゃあ、遠慮な........。」
「え?リット?ど、どうしたの?........か、固まってる?誰かとお話ししてるのかなぁ?まぁ、いいや。」
リットが固まっていて暇だな〜、と呑気な事を考えていると急に叫び声が聞こえてきた。
「い、いや、離して!だ、誰かた、助けて!」
「やめなさい!一体、何をしているの?」
「あ?ガキ?お、なぁ、お前ら見てみろよ。コイツ、上玉じゃねぇ?これを持って帰ったら結構金もらえるんじゃねぇ?」「あぁ、そうだな。よし、嬢ちゃん。悪い事はしねぇから言う事を聞きな。」
「ふふふ、これは良い検証ができそうなクズじゃない。こう言う人間なら殺しても問題ないわよね。」
「あ?何言ってるん......ぎ、ぎゃあぁぁぁぁ。お、俺の、俺の手が〜!」「お、おい!お前、今何をした?」「ふふふ、さぁ?何をしたのでしょうね?」
「て、てめぇ、生きて帰れると思うなよ!」
「では、その言葉をそっくりそのまま返すわ。」
それから数分。
片付いたわね。意外に弱かったわね。まぁ、良いわ。良い情報も得られたしね。
.......それにしても人を殺したのになんとも思わないなんてね。さすがは、アイスランドの血筋なだけあるわ。
「あ、君。ちょっと良いかな?」
「はい。何ですか?」
「ここを奢るからちょっと話に付き合ってくれないかい?」「かまいませんよ。」
「それにしても、君危ないよ。」
「えっと、どう言う意味ですか?」
「君、貴族のご令嬢か何かだろう?こんなところにいたら人攫いにあうよ?」
「どうして私が貴族の令嬢だと?」
「あえて言うなら、姿勢だよ。君の姿勢は普通の人からではあり得ないほど綺麗な姿勢をして歩いていたからね。」「なるほど。姿勢ですか。.......分かりました。では、今度からは姿勢を気にして見ますね。」
「う〜ん、そういう意味で言ったんじゃないんだけどな........。まぁ、良いか。それじゃあ、僕はもう行くよ。あ、一応、名乗っとくね。僕はリゼ。よろしくね。困った事があったら相談してね。僕はここに良くいるから。」「分かりました。いろいろとありがとうございます。では、失礼しますね。」「うん、またどけかで会おうね。」
「よし、見つけた。これなら、作戦も順調にいけるかな。」
「はっ!スズネ、大丈夫だった?いろいろと。」
「うん、大丈夫だったよ。始めて師匠とギール以外の人と戦ったけど余裕で買ったよ。」「え?ど、どういう事!?」
「とにかく、潜入調査するから。リットは、レイラに伝えて来て。」
「え?ちょ、ほ、本当にどういう事?」
「あ、あとで、説教は受けるから今は我慢してね。」「言質取ったからね!絶対に無事に帰って来てよ!ボクもレイラに伝え終わったらすぐに行くから!」
「うん、分かった。無事に帰ってくるね。」
よし、後は人攫いが何処にいるか.......。
「や、やめて!は、離して!」
いた!あの子には悪いけど私のためだから。
「や、やめてください。私の妹なんです。だから、どうか妹だけは........!わ、私を連れて行ってください。お願いします!」「え?え?.......。」
「へっ、コイツの方が上玉じゃねぇか。良いぜ。ソイツは見逃してやる。ガキ、お前は消えな!」
「ひっ!」「お姉ちゃんは大丈夫だから。お母さんにすぐ戻って来るって伝えておいてね?」
「ご、ごめんなさい!」
ふふふ、作戦成功。あの子が乗っかってくれて助かったわ。おかげで作戦が成功したしね。
「おい!降りろ!お前らはあっちだ!お前はこっちに入れ!」「なんか、ガキにしてはコイツ大人しくないか?」「あ?あぁ、妹の為に捕まったらしいぞ?」
「へぇ〜、家族愛って奴か.......。」
「は、反吐が出る。ほら、さっさと入りな!」
確かに。私には分からないわね。家族愛なんて.......。
今世でもそうだけど、前世でも家族愛なんて感じた事はなかったはずたしね。
まぁ、今となってはどうでも良いのだけれど.......。
そろそろ、良いかしら?協力者にする人たちも決まったし。良い頃合いね。
「あ、アナタ何をしているの!?」
「?何って、脱出しようとしているのだけれど?あ!安心して頂戴。アナタたちも助けてあげるから。」
「え?ほ、本当に?」「騙されないで!アナタ、自分が何を言っているのか分かっているの?」
「えぇ、分かっているわよ。それを承知で言っているのだもの。」
「グレパラージュ様も何か言ってあげてください!」
「メイセア・グレパラージュ伯爵令嬢.......。」
何故、彼女がこんなところに?.......でも、伯爵令嬢が攫われているという事は相当な問題になるはずだもの。そう、考えるのならやっぱり、私の考えは正解だったわ。
「必ずお助けします。指示があるまでここで待っていてください。」
「分かりました。私はあなたを信じましょう。」
「ありがとう。それじゃあ、指示があるまではみんなの事をお願いね。」
「ちょ、え?い、今、どうやって抜け出して.......?」
「まぁまぁ、あのお姉ちゃんの事をみんなで信じて待とうよ。」「.......それもそうよね。」
「は?お前どうやって抜け出して.......!」
「はい。ストップ。アナタたちにお話があって来たの。アナタたちと交渉しに、ね。」
「俺たちと交渉だと?何を言っているんだ?」
「アナタはきっと子供が好きなのでしょうね。私も一応は子供だからかは知らないけれどちゃんと攻撃をしないでくれているしね。私がそう思ったからアナタに交渉をしに来たの。私はあの子たちを助けたいと思っているの。アナタたちは?」
「デラ.......。俺たちは、お前の意思に従うよ。」
「お前たち.......。........分かった。お前の交渉を受け入れよう。それで、交渉って言うからには俺たちにも何かあるんだろ?」
「えぇ、そうよ。私は、スズネ。アナタたちは?」
「俺はデラティクス。なげぇからデラで良い。んで、こっちが俺たちの母さんみたいな感じのラクスだ。」
「お母さんって何だよ。あ、俺がラクスだよ。よろしくね、スズネちゃん。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
「で、具体的に俺たちにお前は一体何をくれるんだ?」「そうですね.........。では、お金と地位をアナタたちにお贈りすると約束しましょう。これでどうですか?」「俺は文句ねぇな。お前は?」
「俺も問題はないよ。」
「後はアイツらだけだが........。まぁ、問題ないか。」
「他にも仲間がいらっしゃるのですか?」
「あ?あぁ、まぁな。まぁ、多分アイツらなら納得してくれるだろ。」
「そうですか。では、後ほどまたお会いしましょう。」
良かったわ。上手くいった。交渉は初めてだったけれど上手くいって助かったわ。
よし、後は時が来るのを待つだけね。
「ねぇ、アナタの名前は何て言うのかしら?」
「え?わ、私の事?私はスズネだけど.......。」
「スズネちゃん......。やっぱり、聞いた事ない名前だわ。どうして私の名前を知っていたの?」
うぐっ、な、なんて鋭い!さ、さずが、伯爵令嬢ね。
でも、やっぱり可愛い。お人形さんみたいだなぁ。
白髪に真っ赤な瞳。うん、何処からどう見ても美少女ね!
「まだ、社交界に出た事がないだけで私も貴族みたいなものだからよ。」
「あ、だから、私の名前を知っていたんだ。」
「そういえば、この牢屋って女と男に分かれているのね。気を遣っているのかしら?」
「え?そんな事はないと思うよ?だって、私たちがいる牢屋に男の子いるから。」
「え?」
う、嘘!ぜ、全然気づかなかった.......。
「あははは。おねぇちゃん酷い〜。僕はれっきとした男の子なのに〜。」
「ご、ごめんなさい!あ、あまりにも、女の子みたいに可愛い容姿をしていたからてっきり女の子なんだと。」
あれ?これ、言ったらダメなやつだったんじゃ?
「ほ、本当にご、ごめんなさい!お、女の子みたいな容姿ってどう考えても男の子には嫌な言葉だったわよね。本当にごめんなさい。」
「ううん、大丈夫だよ〜。僕はそういうの気にしないから〜。」
黒髪に金色の瞳........うん、やっぱり、美少女にしか見えないわ。なんて、口が裂けても言えないわね。
「そんな事よりそろそろ時間なんじゃない〜?」
「確かに。それじゃあ、さっき言った通りにお願いね。デラさん!ラクスさん!子供たちはお任せします!」
「はぁ?お前はどうするんだよ?」
「悪者退治.......ですかね。まぁ、私も悪者なんですけど。」
自分で言ったのに傷いたわ。
ん〜、水属性だけで何とかなるかしら?もしもの時は他属性を使えば良いわよね。
「な、何をしているんだ!デラ、お前雇ってやった恩を仇で返すのか!?」
「は?俺は元々、嫌々やってたんだよ!誰が好き好んでガキどもを誘拐しなきゃいけねぇんだよ!」
「チッ、仕方ねぇ。お前たち、あの裏切り者たちを殺した奴にはさっき言った額の5倍払ってやる!」
「ご、5倍?よ、よっしゃ!行くぜ!」
「デラさんたちは、早く行ってください!ここは私がくい止めます!」
「あぁ、助かる。行くぞ、ガキども!出口は向こうだ!」
ふぅ〜、これでおおかた片付いたかしら?後は管理者だけね。この部屋かしら?
「な、なんだ!ここを誰の部屋だと思っている!」
「あら、管理者さんのお部屋ではないのかしら?」
「あ?何だただのガキかよ。チッ、ビビらせやがって。」
「そっちが、勝手に怖がっていただけに見えたのだけれど.........。」
「うるさい、うるさい!お前をとっとと殺して早く逃げなければ!」
はぁ、うるさいのはどっちよ。癇癪を起こしすぎじゃないかしら?これでは、どっちが大人か分からないわね。
「それでは、管理者さんさようなら。」
見てて良いものでもないわね。人を殺すのは。
まぁ、私が殺したのだから見るも何もないのだけれど。
でも、リットたちがいなくて助かったわね。私が殺したのだとバレても困るし。
「そろそろ、戻りましょうか。早く帰らないとレイラに怒られてしまうわ。」
レイラ、心配してるだろうなぁ。後でこっそり入ろう。
うん、そうしよう!
「お、スズネ!こっちは全員ガキどもを家に送れたぞ!」
「そうですか。助かりました。?メイセア伯爵令嬢と男の子が残っていますけど?」
「あ〜あ。伯爵令嬢様がお前に礼を言いたいそうだ。それと、怪我はしてないのか?」
「え?えぇ、かすり傷だけよ。」
「そうか、なら良いんだが........。まぁ、一応あの人に見てもらいな。」
「あの人?って、え?リゼさん?」
「え?スズネちゃん?どうして、こんなところに?」
今回も見ていただきありがとうございます。
次回もお楽しみに!




