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精霊は少女に出会った

精霊視点です。

精霊界にある自室で1人の精霊が自分の魔力でつくった小型端末機でいつものように人間を観察していた。


人間はボクたちみたいに半永久的に命があるわけでもない。そんな人間たちが短い人生を謳歌しているのを見るのがボクの一つの楽しみだ。

もちろん、仕事をサボって見ているから部下たちには文句を言われるが力で捻じ伏せて黙らせている。

仕事をほったらかして自分の趣味を堪能していたある日1人の少女を見つけた。その少女はお祭りを開いている隣の城のベッドで何かを叫んでいた。この小型端末機は観察は出来るが声は聞こえないのが難点だなぁと思いながら少女を見ていると少女がついに動き出した。


部屋をぐるぐると回って鏡に映っている自分を見て何か驚いていた。それから、少しして今度は扉の前に立っていた。そして、彼女はあの歳では難しいであろう氷の鍵を作って部屋を脱出した。


「ふふふ、ははは。すごい、すごいよ!あの歳で上級精霊でも難しいとされる鍵を作って脱出するなんて!」

ボクはそう言って1人の少女に釘付けになっていた。

そして、その子が何故か急に寂しそうな顔をしていたのでボクは寂しいんだろうと思って分身を作って彼女に会いに行った。


「外でお祭りをやっているから人がいないんじゃないかな?隣の城にはたくさん人がいたし。」

そして、ボクは彼女の疑問に答えた。

どうやら、ボクの声はちゃんと届いたらしく反応してくれたのは良かったんだけど......。」

「!?」

どうやら、怖がらせちゃったみたいだなぁ。怖がらせるつもりはなかったんだけどなぁ。


「もしかして、怖がらせちゃった?ごめんね、人がいないのに急に話しかけられたらそりゃあ、怖いもんね。」

と言ってシュンとしていると彼女が警戒して質問して来た。

「どちら様ですか?」

それを普通度直球に言うかなぁ?本当に変わった子だなぁと思いながら自分の事を話した。

「ボクの事かい?ボクは精霊だよ。」

別に隠さなくても別に良いよね?

そして、彼女はボクの言葉を聞くと驚いた様に考える仕草をして固まってしまった。

それから、ずっと1人で何かを考えていてボクの事を見てくれなかったからボクは彼女の顔の前に来て質問した。

「君の名前はなんて言うの?」

ボクは、今すごく天才かもしれないと自分凄く賞賛している。なんたって、彼女の名前を知れるしボクにもかまってくれるんだからね!一石二鳥だよ。下心満載で聞いた罰かは知らないが思いもよらない返答が返ってきた。


「.........思い出せない。」

「自分の名前が分からないの?それって記憶喪失なんじゃあ........。」

ど、どうしよう?これもしかしてまずい事聞いちゃったかも..........?嫌われちゃったかなぁ?........そんな感じじゃあなさそうだね。でも.......不思議に思ったボクは彼女にまた質問をした。

え? 


「何で記憶喪失なのにそんなに冷静でいられるの?」

普通は、狼狽えるか感情が欠落.......していそうなんだけど........。彼女からはそんな感じは一切感じないからなぁ。

そしたら、彼女はまたもやボクが思ってもみない返答をしたんだ。

「何も分からないからこうして情報を集めに行ってたの。精霊さんはここが何処なのか分かる?」


「えっと、ボクも人間の国には詳しくなくてね。........ちょっと待っててね。今、調べてくるから。」

ん〜、どうしよう?調べるとは言ったけどなぁ。

神々からの制約があるからほとんど人間に干渉する事は制限されているけど........。

あ、アイツから情報を貰おうかな。ふぅ〜ん、彼女の名前はスズネアって言うんだ。って、こんな事している場合じゃないや。早く彼女の下に戻って伝えないと!

「お待たせ!」

とボクは彼女の情報を知れた事から元気よく言った。

そして、彼女の名前とこの国の名前を伝えたら驚いてまた考え込む姿勢をしてからボクに「思い出したよ。」と言って名乗ってくれた。


「そういえば、精霊さんの名前はなんていうの?」

その言葉を聞いた途端急に虚しくなってしまった。ボクはもともと胸に穴が空いたような感覚を何度も感じて来た。その胸の穴を開かれた様な感じがした。


「ボクの名前........ボクには名前なんてものはないよ。」

「なら、私が精霊さんに名前を付けても良い?」

「君が?ボクに?」

少しだけ期待してしまった。そう言ってくれた人は初めてだったから。それから、ボクは少し考えて彼女の提案を承諾した。

それから、彼女は嬉しそうに名前を考えている。


「リットって言うのはどうかな?」


「リット.......。リット......ボクの名前......。」

ボクの名前.......!

「ありがとう!ボクの名前はリット!これからはそう呼んでね!」「じゃあ、よろしくね。リット!」

彼女にそう呼ばれた時、ボクの心にあった胸の穴が満たされた感じがした。ふふ、これがボクの名前.......。

そうだ!彼女........スズネアにも呼び名をつけたいなぁ。もちろん、ボクだけの呼び名。じゃあ、スズネだ!ふふふ、ボクだけの名前にボクだけの呼び名!


今日はスズネからずっと宝物をたくさんもらっているなぁ〜。今日はとっても良い日だなぁ、と思いながらボクはスズネと一緒に城の中を探索した。

今回も読んでくださりありがとうございます!

次回もお楽しみに!

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