招待状
ディケイアとヴァルギアと別れてすぐ帰ってきた私は今みんなから凄い視線を浴びせられている。
「み、みんなどうしたの?わ、私何かしたかな?」
「昨日、何処に行ってたの?ボクたちずっとスズネのこと探してたのに見つからなかったんだよ?」
「え?私の事ずっと探してたの?でも、私今日には帰って来るって言ったよね?」
「それはそうだけどさ.........。僕たち、お姉ちゃんの事が心配だったんだよ?」
う、り、良心が痛む........!
で、でも、場所はどうしても言えない.......!
「ご、ごめんね?そ、それより、アルシエルはどうしたの?もしかして、もう帰っちゃったの?」
「.......はい。アルシエル様なら姫様が何処かへ行った後すぐに帰って行きました。」
「そう.........。じゃあ、そろそろね。それじゃあ、行きましょうか?」
「何処に行くのじゃ?」
「黒幕を捕獲しに行く。と言ってももう捕まっているでしょうからアルシエルの下に行くわ。少数で行きたいからレイラとイルスティア着いてきてちょうだい。」
「分かりました。」
「御意。」
そして、私たちはアルシエルに会うために牢屋のある地下の部屋に来た。無論、クリスト卿(宰相)の許可は取ってある。
「殿下、こちらです。一応、犯罪者ですので気を抜かないようにしてくださいませ。」
「分かったわ。........アルシエル、入るわね。あの後、作戦通りに動いてくれてありがとう。あなたのおかげで予定よりも早く黒幕を捕まえる事ができたわ。........それから、ごめんなさい。私は何も知らずにあなたのことを傷つけてしまったわ。誤って許される事じゃないけど本当にごめんなさい。」
「!?.......頭をお上げください!俺にはそこまでされるような身分ではないですし!」
「身分なんて関係ないわ。私は私が思ったままに行動するだけだもの。だから、何回も言わせて。本当にごめんなさい。その代わりと言ってもあれだけれど、あなたの弟を必ずあなたに会わせるわ。絶対に........。でも、あなたの罪は重い........。そのせいで、辛くなる事もあるかもしれないわ。そうなったら、私を頼ってちょうだい。それなりには、役に立てる筈だから。」
「.......ありがとうございます!このご恩は絶対に忘れません!」
少し大袈裟な気がするけれど上手くいってよかったわ。後はアルシエルが上手く向こうに行ってくれれば彼の望みを叶えてあげられる。
♢♢♢
アルシエル視点
最初は勇敢な人だと思ったし無謀な人だとも思った。
一国の王女である方が俺みたいなヤバい殺人鬼を相手にしようとするなんて.........。でも、俺の考えは間違いだった。彼女は決して無謀ではなかった。ちゃんと、己の力を知っていて強い御方だった。
俺が捕まってから一日が経ったくらいにあの方がやって来た。俺にちゃんと向き合って話してくれた。
ちゃんと、俺の事を信頼してくれた。
俺にはそれだけでもありがたかった。
それり加えて弟と会わせてくれると約束してくれた。
すごく嬉しかった。
そして、今俺は国の暗殺部に向かっている。
俺に与えられた判決は一生国の為に働くという永久労働だ。俺はすぐにその判決に感謝した。国お抱えの暗殺部ならあの御方にまた会えると思ったから。
そう考えている間に目的地に着いたらしい。
「着いたぞ。ここが今から御主の新たな職場じゃ。存分に国の為に働いて朽ち果てるが良い。」
先ほど残酷な事を言っていた彼はここの管理........というかリーダーをしているというオズだ。ちなみに、偽名らしい。どうやら、暗殺部に所属している人たちはそれぞれ偽名をつけなければいけないらしい。
「さて、まずは御主がここになれるために用意した教育係がおる。........!入って来い。」
「はい。」
驚いた。懐かしい声がした。夢かと思った。他人の空似かとも思った.........けど、実際に会って分かった。と言うより身体が先に反応していた。
「こやつが御主の教育係である偽名が「シリエル!やっぱり、シリエルだ!」なんじゃお主ら知り合いじゃったか?」
俺はオズの言葉が聞こえないほどに嬉しかった。
あの御方から聞いていた。記憶喪失だって......。
でも、記憶を失っていても会いたかった。
「シリエル、会いたかった!何年も何年も探していた。けど、ようやく見つけたら。」
「........兄ちゃん?」
「!?.......あぁ、兄ちゃんだぞ。これからは、ずっと一緒にいよいな?」
「......うん!」
今までに何か胸にぽっかり空いていた穴が塞がった気がした。2人ともお互いを大切に抱きしめて泣いているのであった。
スズネア視点
今、私は闇属性の魔法でアルシエルたちの事を見ていた。ふふ、良かったわね。アルシエル、シリエル。
あの2人を見ていると何かを思い出しそうになる。
何か大事な事を忘れているような感覚........。
「殿下!殿下!」
「っ!どうかしたのイルスティア?」
「すみません、殿下が話しかけても返答がなかったので何かあったのかと........。」
そういえば、今の映像は私しか見れないものね。イルスティアから見たら確かに不自然だったわね。これからは、気をつけないと!
「ごめんなさい、気づかなかでわ。それで、どうかしたのかしら?」
「はい、レイラ殿が殿下を呼んでおりましたので。」
「わかったわ。それで、レイラは今何処にいるのかしら?」
「確か厨房にいたかと.......。」
「それじゃあ、すぐに向かいましょうか。」
「御意。」
「その必要はございません。すみません、姫様。姫様当てに招待状が届いたので........。」
「?........招待状?」
「はい、クリスト卿からも是非参加して欲しいとの事でして........。」
「私は構わないわ。それで、主催者はどなたかしら?私は招待されるほど有名になった覚えはないのだけれど........?」
「はい、主催者はナイトラス・ライティス様です。」
「確かライティス公爵の御子息だったかしら?」
「はい、その通りです。」
「日程は?」
「........今日の夕方からとの事でございます。」
「.........随分と急な話ね。」
「非常識な方なのですか?ライティス公爵様の御子息は........。」
「イルスティア、仮にも次期公爵なのだからその言動はやめなさい。」
「........失礼しました。」
「でも、本当に急ね。私、ドレスあったかしら?」
「それは大丈夫かと.........。クリスト卿からドレスをいただいております。」
「クリスト卿から?........それほどまでに私に参加して欲しいのね..........。」
「という事ですので、準備に取り掛かります。イルスティア様、部屋の前で待っていてください。」
「分かっている。........殿下、部屋の前で待っております。」
それから、30分くらいして準備が整った。
「わぁ〜、お姉ちゃん綺麗だね?」
「........本当に綺麗だ。」
「さすがボクのスズネだね。着こなしが完璧だよ。」
「姫さん、よく似合ってるっす!」
「さすがじゃな。スズネアよ。」
「何でみんながいるの?」
「もちろん、僕たちが招待状の事を聞きつけてきたからだよ!」
「そうなのね.......。それじゃあ、私は留守にするけどみんな私が留守の間はよろしくね?」
「もっちろん、任せておいて!」
「我が完璧にスズネアの家を守るのじゃ!」
「じゃあ、いってくるわね。」
「行ってらっしゃい〜!」
「行ってらっしゃいなのじゃ!」
「それじゃあギール行くわよ。」
「........あぁ。」
どうやら、ギールも招待状を渡されていたらしい。
だから、私はギールと一緒に行く事になった。
それから、10分程馬車に乗っているとパーティ会場に到着したらしい。
「パーティか........。初めてだな........。上手くやないとね。」
「スズネア、大丈夫だ。俺もパーティは初めてだからな。緊張することはない。」
「そうね。ありがとう。」
「殿下、そろそろ主催者が紹介される時間です。」
「そう........。一体、どう言う人なのかしら?」
「俺も公爵の子息としか聞かないからな。楽しみだ。仲良くなれると良いのだがな。」
「ギールなら、仲良くなれるんじゃないかしら?」
「そうだと良いのだが.........。」
今回も読んで頂きありがとうございます!
次回も楽しみに!




