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星の瞬き〜光の三極星を極めし者たちが紡ぐ物語〜  作者: 木賀 拓人
第二部 魔界編そして戦争へ至る足音
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第19話 死から始まる光

 ロストが先攻で動いた。


 死の風を全身に纏い、少年魔王へと滑空するように肉薄する。蹴り付けるーーーと思った瞬間に、対象を変えた。


 それは民家だった。

 それは商店街だった。

 それは施設だった。

 それら全てをことごとく破壊していく。


「魔王が、お前が! 大事にしていたものを全て叩き潰す!」


 はははっ!!


 醜悪なる笑みを浮かべて破壊の限りを尽くさんとするロスト。


 テオドラが静かにも怒りをロストに向けているのが分かる。


 けれど、動かない。動こうとしない。


「なんで動かないの!? 自分の街が壊されてるんだよ、殺されかけてるんだよ!? 助けなきゃ!!」


 カマルはそう叫んだ。


 けれど、


『僕はーーー対話を選びたい。だから待つんだ。相手のそのわずかな隙を』


 そう言って、どうにもテオドラは動こうとしない。


 カマルは耐えかねて走り出した。

 テオドラからもらった剣を腰のベルトに差し込む。

 そしてーーー


「銀霊晶魔法! 銀霊剣(シルバーズソード)!」


 イシュカーとスノウの形見である魔法を発動させる。


 左手が輝く。


 銀色の光を爆発的なほどに迸らせ、それが剣へと変化した。

 掴む。

 ヒヤリとした冷たい感触。それでも温かみを保った光をたたえている。

 その光がイシュカー達の意思を内包しているのだと、カマルは思った。


 彼女らの世界平和への思いを、無駄にできるか!


 魔術師の過去にも、奴は出てきた。


 元凶に近い存在だ。

 奴をこの世から消し去らなければまた同じ悲劇が起きる!


 カマルは、「メターオブライト」と発声した。


 右腕の「流星」の刻印が光り輝き、右手に光弾ができる。

 次いで「VADE !」と叫び、飛ばした。


 詠唱ありの光弾だ。


 威力は詠唱なしよりも倍増している。


 カマルは足に魔界の風を纏い、光弾の後ろに張り付くようにして地面を蹴り抜いた。

 一直線にロストの元へと迫る。


 ほぼゼロ距離。

 光弾がロストの顔を抉るーーーその瞬間にロストが身を翻して、回し蹴りする要領で宙へと跳んだ。

 カマルの肩にロストの足がかかる。

 カマルはその足ごと切り払おうとした。


 だが難なく躱される。

 嘲笑うように簡単に。


 ロストが地に降り立つと同時に死の風を纏った右手でカマルの腹を穿とうとする。


 カマルは切り掛かる対象を瞬時に変えるーーーその右手だ。


 だが、弾くのみで終わった。


 両者は地面に火花を散らしながら滑るようにして、離れる。


 危なかった。後少しで私の腹に大穴が開いていた


 冷や汗をかく。


 けれど惜しい。銀霊剣の刃があと数ミリ奴の生身に触れていれば切れていたのに。


 そう思って睨むカマルに、ロストは笑っていった。


「私の真なる魔法をお見せしよう」


 ロストが死の風を再び纏った。

 今度は全身に。両拳に黒い竜巻が発生し、ぐるぐると回り始める。乱回転する。

 火花を散らした。


「カルナバル・デスペラード・ヴァイスケアリング『死を運ぶ風の序曲 四方破滅』」


 唱えると同時に、ロストを中心とした四方に黒く禍々しい竜巻が現れる。

 それらがロストを中心にまた回り始めたと思った瞬間、


「変異せよーーー光と闇を融合せし魔法へと!!」


 そう、ロストが叫んだ。


 同時


『やめるんだ! 魔王を継承してないのに、候補の段階である君が使えば自滅を招く!』


「無駄だーーーもう私は、その域に到達したのだから!」


 ーーーダークネスフレア


 そう、ロストが口にした。


 刹那、ロストの目から血が流れ、胸はぱっくりと切られたように傷が入る。


 口からも多量の血を吐き出していた。


 失敗した?


 と思ったその時ーーー、ロストの右手に白い光が、左手に夜よりも濃い闇が現れる。


『まさかーーー成功するなんて』


「俺は、光の三極星の4番目に選ばれたものだーーー貴様のような貰い物だけで魔王になったのとは格がちげえんだよ」


 ロストが一歩前へ出る。

 空気が、鳴動する。

 絶大なる魔力が荒れ狂うのが分かる。


「極星と死の星は! 俺を選んだ!」


 ロストの血を吐くような叫びとともに、闇と光の融合魔法が炸裂した。


 視界が眩い光に包まれる。


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