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星の瞬き〜光の三極星を極めし者たちが紡ぐ物語〜  作者: 木賀 拓人
第二部 討伐隊編 カルデア
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第9話 破戒①

 少し前ーーー。


 レイドとイシュカーは操られている人たちと乱闘していた。

 絡みついてくる腕をほどき、蹴り飛ばす。

 火炎剣を一度解いて、打撃武器にした魔力剣で民衆を吹き飛ばす。

 イシュカーも杖術で対抗していた。

 けれど、2人とも汗だくで肩で息をしながらそれでも気力だけで戦っていた。

 しばらくしてカルデア・ビル内が明るくなる。

 民衆の動きが止まる。それを見て、


「カマルがやったようだな」


「そうみたいですね」


 操られた民衆がまた手を伸ばしてくる。

 うっとうしい。

 そう思ったレイドが火炎剣を発動。

 火の壁を発現させる。

 怯えたようで民衆が避けた。

 わらわらと草食動物が逃げるかのように。

 そのタイミングを逃さず、レイドはイシュカーとともにカルデア・ビル内に入った。


 とーーー


 エントランスには教主が立っていた。


「教主ーーーなぜ、お前が」


「こんなに暴れられては困るよ、だからその愚行を咎めにね」


 そう言って杖を構えた。


「咎めだ? お前の方が人間の道から離れてんだろうがよ。悔い改めな」


 レイドが火炎剣の先を教主に向ける。


 イシュカーも、憎々しげな顔を向けていた。


「悔い改めるのは貴様らの方だ。死んで詫びなさい」


 そう言って、細胞融解魔法(セルズクリア)を発動させる。

 蒼く輝く時計のようなものが教主の足元に現れる。


 ーーーまずい


 イシュカーが水晶魔法で壁を作ろうとした刹那、


「駆けろ、火炎!」


 レイドが火炎剣を地面に叩きつける。

 同時に複数の火柱を上げながら連続で教主へと迫った。


「無駄だよ」


 言葉通りだった。

 レイドの火柱が教主の青い光を受けて霧散する。


「私は攻撃の途中でも対象を変えることができる」


「だから、どうしたってんだ!」


 イシュカーに合図して、踏み台を作らせる。


 それを勢いよく踏み込んでレイドは跳び上がった。


 その要領で火炎剣より生じる渦を発生させる。

「太陽」の真価であり、最大出力の攻撃だ。

 教主は醜く笑って言った。



 いいのか? 人を殺しても


 そう、煽るように。

 少しレイドの動きが止まる。


 それを教主は見逃さなかった。わずかな隙をつき、セルズクリアを発動。

 火炎剣を殺した。力なく萎んでいく炎。

 霧散し、消えていく。


「……な、に」


 レイドは呆然としていた。

 曲がりなりにも光の三極星だ。強烈な威力を持ち、伝説級の魔力を持つ最高の力のはずだ。

 それなのに、セルズクリアになすすべもなく消え失せる。


 教主は卑しく笑う。


「大丈夫ーーー殺したと言っても今のだけさ。君の光の三極星はこれからも使えるよ。

 けれど、ジリ貧だと思うがね。君が繰り出したタイミングに合わせて消し去るから」


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