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星の瞬き〜光の三極星を極めし者たちが紡ぐ物語〜  作者: 木賀 拓人
第二部 討伐隊編 カルデア
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第8話 這い寄る闇

 一歩後ろに下がったり右に寄るごとに2人が合わせて迫り来る。

 カマルは思った。


(これじゃあ抜けようにも難しそうだな。

 魔力探知とかの罠があったら面倒と思って使うきがなかったけど、水魔法の新しいのを試すか)


 人差し指を下に向ける。

 ついで、


「水魔法 puddle square(パドゥルスクエア)……水流よ、停滞しろ」


 唱える。人差し指がポッと淡く光る。

 次の瞬間には水が発現した。それが瞬く間に足元を濡らす水溜まりになった。


 流れが停滞する。

 水の流れが水溜まりに停滞している。

 ぐるぐると回転して流れたままになっている。


 水溜まりがただの水溜まりではなく、水の流れがそのままになっていた。

 カマルは風魔法で自身浮かばせて、回避する。


 2人は自分たちで激突してよろけて倒れる。

 だが水溜まりの中で流され続けていた。


 カマルはその2人をほったらかしにして事務室から退散する。

 向かうは10F。その電気駆動システム室だ。

 階段を駆け上がる。

 風魔法の効力があるからある程度は負担を軽減できている。

 けれど、やはり10F分を駆け上るのはめちゃくちゃしんどい。

 汗が吹き出る。目に垂れてきてよろめいた。

 ずるっと滑る。視界が揺らぐ。

 段差から落ちかける。

 手すりを掴んでなんとか耐える。

「あ、あっぶな〜」

 足は奇跡的に挫かなかった。

 機動力が落ちないし、不要なダメージが蓄積されないから良かった。

 カマルは少し胸を撫で下ろした。

 顔にたれてくる汗を拭って前を向き直す。

 そして、また階段を上り始めた。


 しばらくして、ようやく10階に到達した。

 肩で息をする。けれど、魔力もだいぶ温存できてるし、教主との戦いになってもある程度は圧倒できるだろうとカマルは考えていた。

 足を踏み入れる。

 瞬間、バシィッという音とともになにかが外れる音がした。


 まずい


 と思うもつかのま、電流が四方から迫る。

 その様相はさながら電気自体を龍にしたかのようだった。

 それが瞬く間にカマルに襲いかかってくる。


 カマルは「エクラット」を詠唱なしで瞬時に展開。

 大怪我は避ける。

 しかし、バチイッという音ともに火花じみた電流の小さな余波がカマルの左肩をかすめた。


「が……!?」


 避けたと思ったのに。

 そう思うが喰らったのは、電流の方が人間の思考よりも早いからだと考えて歯噛みする。

 視界がちらつく。

 けれど、ほぼ根性で耐えてカマルは涙ながらに言葉になってない叫び声を上げた。

 防御壁を解除する。

 ずるずると足を滑らせながらタッチパネルのやたら多い装置を触り、

「あった、主電源だ」


 ビル内の電源を全てオンにしますか?


 という文の下にある、YES NO

 のボタンを見つけた。

 YESをガンガンガン!と拳を何度も叩きつけて押す。これまでの鬱憤を晴らすように。


 刹那、ばっと電気がついた。

 明るくなる。赤色、青色などの全ての機器類のボタンが輝いている。

 視線を動かすと室外も明るくなっているようだ。


「やってやったよ、レイド」


 カマルはそう言って、笑った。

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