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星の瞬き〜光の三極星を極めし者たちが紡ぐ物語〜  作者: 木賀 拓人
第二部 討伐隊編 カルデア
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第6話 活路『七色の道』

 前から人の波がにじり寄ってくる。

 銃器を、斧を、ロープを持って。

 確実にレイド達を殺害しようとして。


「カマル、見ろ。一人が魔水晶を持っている。あれが氷や水などといった属性なら足止めに使えるかもしれない」


 レイドは、そうカマルに耳打ちした。

 10人ほどいるその後ろの女性が紫紺に輝く水晶を握りしめていた。魔水晶だ。

 太陽のような色合いをしているものもあれば、魔力を込めただけの自然色ーーー紫紺色もある。あれがどの色に変化するかで属性が分かるらしい。


 数秒後、襲いかかってきた。

 首絞めに、押し倒し、殴りかかったり、ハンマーで腹部を狙ったり……。

 そんなありとあらゆる暴力をしようとする者たちを、レイドたちはいなしてかわす。


「魔力を全身に流して筋力を増強させろ!

 けれど流しすぎ注意な。疲れるし、強く弾いちまって怪我させるかもしれない!」


「OK、ありがと! レイドお得意の魔力剣の要領だね!」


 レイドの言葉に従って魔力をオーラ状に流す。

 身体に見えない鎧ができたかのようだった。

 そのおかげでなんなく相手の攻撃をいなすことができた。

 カマルは3人の攻撃を次々とかわし、女性の持ってる魔水晶を奪い取る。

 イシュカーは男の頬に踵落としをキメると、

「カマルさん、魔水晶は大事に使ってください!

 数がこれからどんどん増えることを頭に入れた上で!」

「分かりました!」


 特攻するように体当たりする。

 そのまま、駆ける。

 突破した。


 後方を振り返ると100人以上もの民衆は赤い目をしていた。

 壮観。そして不気味だった。

 あのままあそこにいたら数の暴力で無惨にも殺されていただろう。

 カマルたちは寒気を振り切るようにもう後ろは振替らえらずに走った。


 走る。走る。

 攻撃をかわす。

 防御して、いなす。

 殺さないくらいの魔力で打ち倒す。


 キリがない。

 無限に続くように思える。


 3万人は超えているとイシュカーが言っていたが、それ以上な気もしてくる。


 3人全員が汗だくになりながら、肩で息をしていた。体力を使いすぎている。

 けれどそれでも止まるわけにはいかない。


 カマルたちはフラフラになりながらも懸命に戦った。


 そして、カルデア・ビルが間近に迫った3キロ圏内。

 開けたところに出た。


 カマルたちを中心して円で囲うように民衆に取り囲まれる。


 人、人、人ーーー。


 ざっと5000人以上はいるだろう。


 イシュカーは思わず舌打ちした。


「罠だったみたいですね」


 ーーーけれど、これだけで終わりませんよ


 イシュカーが水晶魔法を発現させる。

 円形の障壁。それを張ってくれた。


 周囲を囲うようにイシュカーが水晶の障壁を形作ってくれている。

 けれど、一時凌ぎにしかならない。

 イシュカーが冷や汗を垂らしながら言った。


「レイド、あなたが頼りです。別に太陽の力で吹き飛ばせとは言いません、ただ脅してくれればーーーそれで道ができるかもしれない」


 レイドがかたかたと震えている。

 自分が火炎剣を出せば死ぬかもしれない。

 何の罪もない人たちが無惨に焼き殺されて。

 魔力剣で攻撃した時でももしかしたら、殺してしまうかもしれない、重症を負わせてしまうかもしれない。


(レイド、やっぱりーーー帝都でのことが)


 カマルはそれでもレイドの肩を掴んでいった。


「レイド、やって」


「しかしーーー俺の力で、殺してしまうかもしれない……」


「あの人たちは教主に死ねと言われたら多分死ぬよ、信者にはそういう誓約が課せられているのかも。イシュカーさんはなんとか精神を保ってるけどね。だから、レイドがやらなくてもどうせ死ぬかもしれないんだ」


「お前……その言い方……」


「だから、背負うよ……レイドの罪を」


 首を横に振って、言う。


「ううん、私にも背負わせて」


「カマル、おまえ……」


「私は、レイドの味方だよ……ケルトだって、今は遠いところにいるけど絶対の味方だよ、だから預けてよ、私にさ」


「分かったよ」


 レイドは頷く。イシュカーに合図を送る。

 イシュカーが水晶魔法のバリアを解く。

 一斉に襲いかかってくる操られてる人たち。

 その中でレイドは高らかに叫んだ。


「ソラリス フラマ! 紅炎よ、来れーーー!」


 痣が光る。それが、警棒へと伝播する。

 光の三極星『太陽』


 それが、顕現した。


「俺とイシュカーが道を作る!

 カマル、お前が前へ出ろ!」


 太陽を降臨させたかと見紛うほどの高火力の熱を発する火炎剣を発現させる。

 それを手に持ち、レイドが薙ぎ払うように振るう。

 すると、一直線に火炎が駆けた。


 民衆たちが避ける。本能的なものだ。

 レイドとカマルは少し安心した。怯えることはできるんだと。それができなかったからこの機転は意味をなさなかったかもしれない。

 民衆たちが避けたことで隙間ができた。


 それに合わせてイシュカーが水晶魔法を発動、中に収まるように筒状の水晶の道が出来上がる。

 火炎の熱や光を受けて七色に輝く。

 すごく綺麗だと、カマルは思った。



「カマル! 駆けろ!」


「風魔法ーーーブラスト、レッグバージョン!」


 風の渦が足に収束する。


 前に5人がたち塞がった。


「じゃま!」


 魔水晶を砕く。すると、氷の風が強く吹きすさび、かれらの足を凍らせる。


 飛び越えてカマルは、七色に輝く道を駆けた。


 数秒もせず、カルデア・ビルのエントランスに続くガラス製のドアの前に到達した。

 蹴り破る。


 そしてーーー。

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