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星の瞬き〜光の三極星を極めし者たちが紡ぐ物語〜  作者: 木賀 拓人
第二部 討伐隊編 カルデア
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第1話 選定

 帝都、星見回廊研究所前


 所長は集まったカマル達をみながら、言った。


「よし、みんな聞いてくれ」


 地図を広げる。


「君たちには3人ずつ3班で別れてもらう。

 Aチームがレイド、カマル、イシュカー

 Aチームは王国ヒュライズマレードに行って、王政および帝政との関連が疑われるカルデアを調べて欲しい。

 Bチームが闘王リア、オーガル、ケルト

 君らはフェイル海王国を目指して欲しい。協力をお願いできそうならして来てくれ。

 Cチームはサクヤ、ルーク、コガネだ。

 私と共に、星見回廊研究所のFLA改良の研究を手伝うことと帝国軍内部を洗ってきて欲しい。

 ブレインというか頭が回るタイプを分けた構図だ。何か聞きたいこととかあるか?」


「だいたい分かったけれども、ブレインを分けるっていう言い方が少し引っかかるな」

 レイドがぼやくように言った。

 ぶっきらぼうで少し、鼻につくような言い方だ。

 カマルはレイドの肩を少し小突いた。

 レイドは「すまん」とこぼす。


 所長は笑んで言った。

「それはすまない。ここで言うブレインというのは冷静な判断ができ、状況によっては無情な判断も辞さないと言う意味だ。魔界に今後攻め入るための準備、かつ、人員の選定を兼ねているとでも思って欲しい。」


「人員の選定?」


「そうだ。魔界は非情かつ陰惨で、どこも戦場になるかもとの緊張をもって臨んで欲しいからね。いっときの甘えが自分の命を殺すと思って今回の旅に臨んでくれ」


「その魔界の事情について、なぜ知ってるんだ?

 危険なのはわかるがわざわざ人員を選ぶ必要があるのか?」


 闘王リアが問う。


 所長は何かを思い出したように、少し悲しそうな顔をして言った。


 こう言った内容だった。


 勇者一行の記録をもとに魔界へと旅立った星見回廊研究所所属の先遣隊ははじめは30人ほどいたらしい。けれど、帰ってきた生き残りが1人だけ。

 その人も記録を伝えてすぐに息を引き取った。

 だからこそ、闘王リアが提案した討伐隊結成は魔界へと攻め入るのに大いに有用だと感じたのだと。

 けれど、カルデアが陰謀を企ていて、帝国のもつ試作兵器が全国の手に渡れば、戦争になりかねない。

 まずは身近なところの影を摘むべきだ。

 それができないのなら、いくら有力な人員だったとしても魔界で死ぬ可能性がある。


 そう、所長は語った。


「だからこそ、この討伐隊結成以後、君らの成果次第で魔界に行くメンバーを固めるつもりだ。

 自分が選ばれなかったとしてもそれは力不足だからと思わないでほしい。

 この話を理解したら、別れていってもらうがいいね?」


 全員が頷いた。


「健闘を祈るよ、では解散!」


 その所長の声とともに、3班に別れた。


 レイド、カマル、イシュカーの3人は各々改めて自己紹介する。

 他の班を見ても当面の道筋を話し出す前に、紹介から始めていた。

 それに(なら)い、カマルは自分の魔法を話す。


「私は風属性魔法、光の三極星『流星』が使えます。無の魔法も使えるとは聞いてますが、正直扱いにたけているとはとても言えず……でも、属性2つを合わせる魔法として光弾に風を纏わせて最大出力で放つのが得意だったりします」


「へえ……それは複合魔法っていうのじゃないですか、すごいです」

 無の魔法については一旦聞かなかったことにしますね、とイシュカーは笑った。


「複合ねえ〜」


 レイドは興味を持った顔をする。少し身を乗り出した。


 イシュカーが人差し指を立てる。


「ちなみに、私の水晶魔法も複合魔法だったりしますよ」


「え、そうなんですか?」


「そうなんです、ちなみに水と風から合わせたものだったりしますよ」


 細かいことを話すとちょっと複雑だけど、と前置きしてイシュカーは少し解説した。


「大気に含まれる微粒子、それを洗い出して風で急速に冷凍させる。それが水晶魔法のもと。武器の造形だったり、特殊な色の雷を纏った騎士のような動く存在も作り出せるけど、これは私の血があってこそできることかもね」


「自慢かよ」レイドがぼやく。

 それをまたカマルは小突く。

 痛がるレイドを横目に、イシュカーはカマルに言った。


「でも、武器や特殊な色の雷自体は、カマル。あなたにもできるかもよ?」


「え? そうなんですか」


「ええ」頷き、少し意地悪げに笑って言った。


「あなたに水属性も使えて、緻密な複合魔法の術式を脳内で編みながら水晶魔法を操る才があるのなら」

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