39話間話 二世界の狭間
共鳴するかのような莫大な魔力光が帝国を照らし、暗転したと思った刹那、カマルは全てが白に輝く何もない異世界にいた。
全方位、白。
歩いても歩いても歩いても誰もいない。
ここはどこ?
私は死んだの?
そう、悲嘆に暮れた時だった。
「やあ、カマル。帝国コロシアムであった時以来だね」
声がした。
その方向に振り返る。
「え……」
リゲイルが立っていた。
相変わらず仮面をして、長身痩躯の男性のような衣装をしているのに、声が女性のように高く、美しかった。
「なんでここに……」
「私は……リゲイルじゃないんだ。ほんとは、魔術師だよ」
理解が追いつかない。
どう言うことだと叫びたい。
けれど、語彙の少ない言葉で聞き直すのがやっとだった。
「え……魔術師?」
「そう……リゲイルこそ、魔術師タナデス・フォンリードだったのさ」
もう捨てた名前だけどね、そう言って魔術師は笑う
「そ……そんな……でも、だって! 行方不明に……」
「なってないよ? 私だけはね。紆余曲折あって私は世界の狭間に領域を作った」
そんなことはいい。魔術師はそう言って話題を変えた。
「カマル、すごいじゃないか
光の三極星『流星』を覚醒させるところまで来た。でも……まだつまらない。足りない」
趣向を凝らそうか
そう言ってパキンと指を鳴らした
カマルの首に紋様が浮かび上がる。
死の風に当てられようとして避けたつもりだったところ。
なぜか、痛い
触れられてないのに。
焦るが、激痛が襲った。
全身が燃えるように痛い。
両肩を抱く。必死に痛みに耐えようとしてーーー。
次には、カマルに秘められしーーー無の魔法が湧き上がった。
闇を纏う
世界を破滅に誘えるような圧倒的な力
自分が世界の核になったかのような全能感
陶酔
そしてカマルは意識を失った。
魔術師タナデス・フォンリードは指を鳴らす。
世界が切り替わる。
カマルの目の前には、ロストがいた。
魔術師は言った。
「その力を正しく扱えるようになりなさい。そして、私を殺しに来い」
そう、呟くように。
カマルは意識がないなかでも、自分が泣いてることを何故かわかっていた。




