帝都混乱編 37話 光よ
ケルトVS 黒騎士ゲイラー、亜人テイル
金属同士が激しくぶつかり合う。
火花を散らしてはパッと明るくなって周囲を照らし、その光はたち消える。
それが何度も何度も続いた。
ケルトの頬や右肩には傷があった。
それでも、光の三極星「天」の力によってタイミングを誤らずに攻撃を避けているから、それだけで済んでいた。
なかったら死ぬなとケルトは冷や汗をかきながら少し笑う。
「何を笑っているの?」
「なにって?」
「あなたはさっきから避けてばかりで、攻撃をしてこない。光の三極星『天』を授かっておきながら、その力の真髄を理解しておられないのでしょう?」
「あんなにも自慢げに話していたと言うのに!」黒騎士が笑いながら、大剣を振るう。
亜人もケタケタと笑いながら、ケルトの脳天目掛けて剣を振るった。
黒騎士と亜人の容赦のないコンビネーション攻撃が迫る。
その時だった。
「僕は幼少の頃から地形把握に優れていてね。
そこ、崩れているよ。落下注意」
「な……」
言葉は続かなかった。地面がバキバキと音を立てて崩れ落ちる。
黒騎士が巻き込まれる。落下する。
しばらくして穴の下から痛みに呻く声が聞こえた。
亜人テイルはその場所から大きく後退して、落下から逃れていた。
「なんで……そこの地盤が弱いことがわかった?」
「僕は幼少の頃から物事を深く考える力があってね、地形にもどこに綻びがあって、どんな力が加わればそこが崩れるのかも分かるんだ」
「一種の才能なわけね、光の三極星でそれがより強化されたの?」
「その通りだね。ちなみに、僕の体力が続く限り君らの攻撃はさいごまで当たらないよ」
「ふふ……おもしろいね、『天』の使い手さん」
けど、甘いわね と亜人テイルは笑う。
「私は魔力が人間的な亜人であるけども、まだまだ魔力を解放できるんだよ? やろうと思えば、それを体力に変換することもできる」
「規格外なんだね、それはどうして?」
「ガウス=クロウの肉体の一部を喰らったから」
驚きだった。
肉体を食らう? それで魔力を補強?
人間では考えられない。
亜人テイルがケルトを攻撃するのを諦め、闘王リアの首根を掴み、殺そうとした時、
オーガルが立ち現れた。
風魔法を使ってないのに、高速で移動してオーガルが拳を振りかざす。
怒りの形相で渾身の一撃を放つ。
オーガルの拳が亜人テイルの顔に突き刺さった。
顔がえぐれる。
血が飛んだ。ばたたと音を立てながら肉片と共に地面に散らばる。
痙攣するが闘王リアを離さない、亜人テイルにもう一度、オーガルが渾身の魔力を帯びた拳を放とうとしたその時だった。爆発音とともに光の柱が突き立った。
4柱目
帝国の終わりが迫る。




