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27話間話 夢

「お兄ちゃん、助けて」


妹が手を伸ばす。

俺はその小さな手を取ろうともがくが届かない。


焦る焦る

焦りがだけが胸を焦がす。


やがて悲鳴と共に妹が血飛沫をあげて床に倒れた。


動かない。


なんで?


俺は妹を救えなかった

手が、妹の赤い赤い赤い血で染まる。

吐きそうになる。

目の前で下卑た男が笑う。

ふざけるなと殴りかかった。


ーーーーーーーーーーーーーーー


目が覚める。

あらい息が漏れる。心配そうに覗くオーガル


「じゃまだ、どけ」


手を払いのけて起き上がると額から水で濡れたタオルが落ちた。

ベシャッと自分の足にかかる。

オーガルが不貞腐れたような顔で言った。


「なによ、看病もしたのよ? せめてちょっとくらい……」


「ああ……それはすまなかったな。ありがとう」


言うと明らかに嬉しそうな顔をした。


「それで……聞いたらいけないかもだけど、嫌だったらいいのよ? でも……なにか苦しそうだったから。なにか嫌な夢でも見たの?」


オーガルの問いに闘王リアは頷いた。


「ああーーー俺が過去に救ってやれなかった、妹のことを思い出していた。あいつの死があったから俺は最強を志して、そしてついになったんだ。片腕はねえが、それでも対戦相手を潰すくらいの力はまだ残っている」


「そうだったんだ……でも無茶はしないで。片腕がないのは自分が思ってる以上にしんどいものだと思うから」


「黙れ」


「ご、ごめんーーーそんなつもりじゃ」


「いい。触れるなーーー俺はレイドを圧倒し、倒す。お前はそれを見ていろ」


「……分かった」


項垂れるオーガルを一瞥し、羽織っていた黒い黒衣を投げる。


オーガルが慌てる。それを見てふ、笑うと闘王リアは歩き出した。

向かうは、闘技場。


忌むべき過去を、乗り越えて今があるのだ。

新生がなんだ。

俺は奴を蟻のように踏み潰す。

来るかもしれない化け物どもを殺し尽くすべく剣を取ったのだから。

ハウメイ、みていろ

俺は最強だ。ーーー対戦相手も化け物どもも全て狩り尽くす。


自分が話した討伐隊のことは今は眼中になかった。

ただ勝利への渇望ーーーそれが、闘王リアを突き動かしていた。

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