続きの続き
『たしかに さいしょは そうだったのだろう。わたしには わかる。しかし いまの おひめさまを みる そなたの ひょうじょうは ちがう。そなたは おひめさまを あいして おるのだろ。わたしは そなたに あえ そして 「むすめ」を おくることが できることを しあわせと おもう。ねがわくば そなたと むすめの ゆくすえを みたかった』
そういうと りゅうは たたみこまれた おおきな つばさを ひろげ いままさに とびたとう とした。
『まて ひめの ははぎみよ。そなたは どこへ いこうとして おるのだ』
『わたしは きめている のだ。いつか むすめを わたしより あいし むすめが わたしより あいす ひとが あらわれたら わたしは そのひとと おひめさまの ために とおくに たびだつ のだと』
『なぜだ』
おうじは そばで ねむる おひめさまを きにせずに おおごえを あげていました。
『わたしが じゃま だから。わたしが いぎょうの もの だから。わたしが いることで ふたりに めいわくを かけるから。わたしは ふたりの しあわせを ねがって おるのだ』
いつのまにか りゅうの ひとみからは なみだが こぼれおちていました。とめどなく ながるるのを りゅうは かのじょは ぬぐおう とはしませんでした。
『ひとは みな わたしを こわがり うらみ しいたげ そして めの かたき にする。いままで きた おとこたちも そうだった。おうじ そなたも おなじ だろう』
おうじは だまっていました。だまっている ことしか できなかったのです。すべてが そう なのだから。ひてい することも いいかえす ことも できませんでした。
『しかし むすめが そなたを あいして しまったの だから しかたがない。きっと わたしより そなたを えらぶ。わたしと いっしょに いれない。むすめも しいたげられる からだ。だから わたしは さらなければ』
『だったら われが すべてを かえてやる』
りゅうの わきでる かんじょうを さえぎる ように おうじは さけんだ。
『われは まだ なにも いっていない だろう』
おうじは いいせまるように こぶしを にぎりかえし いいはなちました。




