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続き

きせつが にかい うつりかわるころ ひとつの うわさが たちました。



『おひめさまを たすけだしたものには たくさんの きんかと おひめさまと けっこん できる』 と。



その うわさは ほんとうではない。

うそ であると おかあさんの りゅうは ほえました。しかし おかねと おひめさまの うつくしさに めがくらんだ おとこたちは つぎつぎと おしろに はいってきました。


りゅうは ひっしに うわさを ひていし おひめさまもまた りゅうと はなればなれになるのは ぜったいにないと いいました。しかし おとこたちは りゅうが おひめさまを 『だましている』のだ と いって ききませんでした。おひめさまは いっこうに かえるきがない おとこたちに いいました。


『わたしは おかあさんを あいしております。おかあさんも わたしを たいせつに おもっています。おかあさんが あいしつづけてくれている かぎり わたしは だれのものにも なるきは ありません』


『おひきとりください』


いつのまにか おおきくなっていた おひめさまを かんじて りゅうは なみだ しました。そして りゅうは おもいました。



『わたしは しあわせ だ。いつか おひめさまを わたしより あいし おひめさまが わたしより あいす ひとが あらわれたら わたしは そのひとと おひめさまの ために とおくに たびだとう』と。


おひめさまの ことばに おとこたちは しぶしぶ おしろを あとに しました。そのなかの ひとりを のぞいて。


『では われが そなたに ふさわしい ものであると しょうめい しよう』


おとこは リュングベルグ の おうじ と なのったのです。おひめさまは りゅうのほうを みて にっこりと ほほえみました。それから おうじは はなを おくり てがみを かき ときどき おしろを おとずれては すこしだけ はなしをして まんぞくしたように かえっていきました。

りゅうと おひめさまは さいしょは いぶかしげに おもっていたが しだいに おうじに たいして こういを もつように なっていました。ほかの おとこたちもまた おうじと おなじような ほうほうを とりましたが どれも おうじに いだいたような こういを もつことは ありませんでした。


きせつが みどりから あかに かわるころ おうじが おしろを たずねてきました。そこには りゅうの かたわらで すやすやと ねむる おひめさまが いました。

『…』


りゅうは だまって おうじを みていました。おうじは おひめさまを おこさないよう ちいさな こえで りゅうに はなしかけました。これが おうじと りゅうが はじめて かいわ したとき でした。


『りゅうよ きいてくれ。われは あさましいおとこ なのだ。われの ちちは そろそろ てんに めされる。われは そのあとを つがねば ならぬ。だから われは ちちに せめて われに このさきの ゆくすえを たくせて いけるよう きさきを むかえたかった。ただ それだけで そなたの ひめに ちかづいた。われは ひめを むかえることで えられる まわりからの しょうさんと しっと そして なにより ひめの びぼうが ほしかった』


しばらくの ちんもくが くうきを とどめました。りゅうは わかっていた かのように うなずくと そっと やわらかく おひめさまを おうじに あずけました。おうじは なにが おこったのかのか わからず かおを そらしてしまいました。すると りゅうが おもく とざされた くちを ひらきました。



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