第12話:ノアちゃん、再び
次の日。
学校から帰って。
私はいつものように《エルディア》へログインした。
視界が切り替わる。
見慣れた宿の部屋。
「ただいまー!」
「わふっ!」
「わっ!」
真っ先に飛びついてきたシロを。
慌てて抱き止める。
「シロ、ただいま!」
「わふー!」
そのまま。
もふもふ。
ふわふわ。
うん。
今日も最高。
「……おかえり、ユズ」
「ユキ!」
ベッドの近くには。
人の姿になったユキ。
銀灰色の髪。
ピンク色の瞳。
猫耳と。
ふわふわの尻尾。
「ただいま!」
「……うん」
「ようやく戻ってきたか、お主」
「コハク!」
窓際には。
人の姿になったコハク。
白銀色から淡い桜色へ変わる長い髪。
大きな狐耳。
赤橙色の瞳。
赤、白、金を基調にした華やかな和装。
「待ってた?」
「待っておったわ!」
「えっ」
思っていたより。
素直だった。
「二日も帰ってこなければ、待ちもする!」
「…………」
「二日?」
「なんじゃ、その顔は」
「だって」
私は首を傾げる。
「昨日ログアウトしたばっかりだよ?」
「昨日?」
今度は。
コハクが首を傾げた。
「お主がどこぞへ消えてから、もう二日は経っておるぞ?」
「…………」
「…………」
「あ」
そうだった。
《エルディア》の時間は。
現実世界の三倍の速さで進んでいる。
現実では一日でも。
こっちでは。
もう二日以上経っている。
「そういえばそうだった!」
「忘れておったのか!?」
「だって私の感覚だと昨日なんだもん!」
「何を言っておる?」
「あ」
そういえば。
コハクは。
プレイヤーとか。
現実世界とか。
そういうことを知らない。
「えっと……」
「なんじゃ?」
「なんでもない!」
「どう考えても何かあるじゃろう!」
「気にしない気にしない!」
「お主は気にしなさすぎじゃ!」
「……ふふ」
ユキが小さく笑った。
「ユキ!?」
「……ユズらしい」
「わふ!」
「シロまで!?」
なんか。
みんなに呆れられてる気がする。
「まあいいや!」
「よくないわ!」
私はシロを床へ下ろして。
ぐっと拳を握る。
「今日は場所探ししよう!」
「わふっ!」
「……うん」
「ようやくじゃな」
「ようやくって!」
私は頬を膨らませる。
「私の感覚だと昨日決めたばっかりなんだけど!」
「妾たちからすれば二日以上経っておるわ!」
「うっ」
「まさかその間、何も考えておらんかったのか?」
「…………」
「お主?」
「これから考える!」
「やはり何も考えておらんかったのではないか!」
◇
「じゃあ!」
宿を出る前に。
私はベッドへ座って。
指を一本立てる。
「まずは条件を整理しよう!」
「うむ」
「……うん」
「わふ!」
「一つ目!」
「広い場所!」
「うむ」
「二つ目!」
「人があんまり来ない!」
「……静かなところ」
「そうそう!」
三本目。
「水がある!」
四本目。
「食べ物もいっぱい!」
「わふ!」
「五つ目!」
「いろんな魔物が暮らせる!」
「うむ」
そして。
最後。
「誰にも勝手に追い出されない場所!」
「…………」
コハクが。
少しだけ考える。
「それが一番難しそうじゃのう」
「そう?」
「広い場所があったとしても、誰かの土地かもしれぬ」
「あ」
「人がおらぬからといって、安全とも限らぬ」
「そっか」
「強い魔物の縄張りということもあるからの」
「なるほど……」
ただ。
誰もいないところを探せばいいわけじゃないんだ。
「じゃあ!」
私は立ち上がる。
「ちゃんと探そう!」
「最初からそう言っておる」
「よーし!」
町へ出るから。
ユキは。
ぽふんっ。
「にゃ」
銀灰色の猫へ戻る。
コハクも。
「妾も戻るかの」
ぽふんっ。
小さな白狐へ。
「かわいい」
「毎回言うでない!」
「だって可愛いし」
「もうよい!」
「わふ!」
「あ、シロも可愛いよ!」
「わふー!」
「……始まったか」
コハクが呆れたように呟いた。
◇
ミルフィアを出て。
まず向かったのは。
町から少し離れた草原。
「おおー!」
広い。
かなり広い。
草もいっぱい。
「ここいいんじゃない?」
「…………」
コハクが周囲を見る。
「駄目じゃな」
「え?」
「ほれ」
「?」
示された方向を見る。
そこには。
街道。
人。
馬車。
「…………」
「あ」
「人が来ぬ場所という条件から、すでに外れておる」
「だめかぁ」
◇
次。
「ここは!?」
川。
綺麗な水。
草地。
「水もあるよ!」
「……でも」
ユキが。
少し先を見る。
「にゃ」
「ん?」
視線の先には。
小さな畑。
その向こうには。
家が何軒か。
「あ」
「誰かが使ってる場所なんだね」
「そういうことじゃ」
「むむむ……」
◇
次。
少し奥の森。
「ここなら!」
「…………」
ユキの耳が動く。
「にゃ」
「人?」
「にゃ」
少し待っていると。
木々の向こうから。
籠を持った人たちが歩いてきた。
たぶん。
採取に来た人たち。
「普通に人が来るんだ……」
「町の近くなら当然じゃろうな」
「うーん……」
◇
それからも。
いくつか場所を見てみた。
でも。
どこも。
人がいたり。
街道が近かったり。
誰かが使っていたり。
思っていたより。
難しい。
「はぁー……」
私は木陰へ座り込んだ。
「全然見つからない……」
「わふ……」
シロも横へ座る。
「にゃ」
ユキも。
私の膝へ前足を乗せた。
「慰めてくれるの?」
「にゃ」
「ユキ優しい!」
頭を撫でる。
「まあ、まだ探し始めたばかりじゃろう」
「そうだけど……」
「そもそもお主」
「ん?」
「そんな場所が簡単に見つかると思っておったのか?」
「…………」
「思っておったのじゃな?」
「だって《エルディア》ってすっごく広いんでしょ?」
「そうじゃな」
「だったら、どこかにあるかなって」
「まあ」
コハクが。
小さな白い尻尾を揺らす。
「なくはないじゃろうが」
「ほんと!?」
「妾に聞くでない。外へ出たのはつい先日のことじゃぞ」
「あ」
そうだった。
「じゃあ」
私は空を見る。
「気長に探すしかないかぁ」
「……にゃ」
「うん!」
ユキを見る。
「まだ一日目だもんね!」
「昨日まで何も考えておらんかったくせに、切り替えだけは早いのう」
「前向きって言って!」
「物は言いようじゃな」
その時。
「やあ」
「え?」
聞き覚えのある声。
振り返る。
「…………」
淡いピンク色の長い髪。
ピンク色の瞳。
白。
淡いピンク。
黒。
それを基調にした。
どこか不思議な服。
「あ!」
私はすぐに立ち上がった。
「ノアちゃん!」
「また会ったね、ユズ」
「久しぶり!」
「うん。久しぶり」
ノアちゃん。
《白狐の迷い館》を教えてくれた子。
「ノアちゃんのおかげで、すっごくいいもの手に入ったよ!」
「そうなんだ?」
「うん!」
私はシロを見る。
「シロに似合う首輪!」
「わふ!」
「へえ」
ノアちゃんが。
楽しそうにシロを見る。
「よかったね」
「わふっ!」
「それに!」
「?」
「新しい仲間も増えたの!」
「新しい仲間?」
「うん!」
私は。
足元を見る。
「コハク!」
「なんじゃ」
小さな白狐姿のコハクが。
前へ出る。
「あれ」
ノアちゃんが目を細めた。
「前はいなかった子だね」
「うん!」
「コハクっていうの!」
「妾はコハクじゃ」
「へえ」
ノアちゃんがしゃがみ込む。
「よろしく、コハク」
「…………」
「?」
コハクが。
ノアちゃんをじっと見ている。
「どうしたの?」
「……いや」
しばらくして。
「なんでもない」
コハクがそう答えた。
「?」
なんだろう。
「にゃ……」
今度は。
ユキが私の足へぴったりくっついた。
「ユキ?」
「にゃ」
ノアちゃんから少し隠れる。
「あ」
前もこんな感じだった。
「大丈夫だよ、ユキ」
「にゃ……」
撫でる。
ノアちゃんは。
それを見て小さく笑った。
「まだ警戒されてるみたいだね」
「ユキ、人見知りだから」
「そっか」
「にゃ……」
「ふふ。可愛い」
ユキが。
さらに私の後ろへ隠れた。
「それで」
ノアちゃんが周囲を見る。
「こんなところで何してたの?」
「あ!」
そうだった。
「場所探し!」
「場所?」
「うん!」
「どんな場所?」
「魔物のみんなが安心して暮らせる場所!」
「…………」
ノアちゃんが。
少しだけ目を丸くした。
「魔物が?」
「うん!」
私は。
昨日――。
こっちでは二日以上前だけど。
決めたことを説明する。
「人に追いかけられたり」
「討伐されたり」
「住む場所を追われたり」
「怖いってだけで嫌われたりする魔物が」
「安心して暮らせる場所を作りたいんだ」
「…………」
ノアちゃんは。
何も言わずに聞いている。
「美味しいもの食べて」
「好きなことして」
「みんなで楽しく暮らせるような場所!」
「なるほど」
ノアちゃんが。
少しだけ笑った。
「面白いこと考えるね、ユズ」
「そう?」
「うん」
「でも」
私は肩を落とす。
「場所が全然見つからなくて……」
「どんなところがいいの?」
「えっとね!」
指を折りながら。
「すっごく広くて!」
「うん」
「人がほとんど来なくて!」
「うん」
「水と食べ物がいっぱいあって!」
「うん」
「いろんな魔物が暮らせて!」
「なるほど」
「それで!」
最後に。
「誰にも勝手に追い出されない場所!」
「…………」
ノアちゃんが。
少しだけ考える。
「それなら」
「?」
「いい場所を知ってるよ」
「ほんと!?」
思わず。
ノアちゃんへ近づく。
「どこ!?」
「落ち着いて」
「だって!」
「ふふ」
ノアちゃんが笑う。
「ものすごく広い森があるんだ」
「森!」
「うん」
「どれくらい広いの?」
「とっても」
「人は?」
「ほとんど来ない」
「おお!」
「川も湖もあるし」
「おおお!」
「食べられる植物とか、木の実もたくさんある」
「おおおお!」
「魔物もたくさん暮らしてるよ」
「そこだ!!」
「待て待て待て!」
「え?」
コハクが割って入る。
「条件が良すぎるじゃろう!」
「でも、全部ぴったりだよ?」
「だからこそ怪しいのじゃ!」
「そう?」
「そうじゃ!」
ノアちゃんが。
そんな私たちを見ながら。
「まあ」
少しだけ付け足す。
「森そのものは、かなり危ないところだけどね」
「危ないの!?」
「ほれ見ろ!」
コハクが言う。
「やっぱり何かあるではないか!」
「でも」
「?」
ノアちゃんが続ける。
「ボクが知ってる場所は、その森のかなり中心にあって」
「中心?」
「うん」
「そこだけは、周りの魔物がほとんど入ってこないんだ」
「え?」
「かなり広く開けた場所になってるし」
「うん」
「近くに水もある」
「うんうん!」
「食べ物も周りで集められる」
「うんうんうん!」
「周囲には魔物もたくさん暮らしてる」
「…………」
私は。
ノアちゃんを見る。
「完璧じゃん!!」
「お主は話を最後まで聞け!」
「でも完璧だよ!?」
「周囲の魔物が入ってこぬというのが一番怪しいのじゃ!」
「そうかな?」
ノアちゃんが首を傾げる。
「そうじゃ!」
コハクが即答。
「まあ」
ノアちゃんは気にした様子もなく。
「いわゆるセーフエリアみたいなところだね」
「セーフエリア?」
「うん」
「そこにいる間は安全ってこと?」
「そんな感じ」
「じゃあいいじゃん!」
「なぜすぐ信じる!」
「だってノアちゃんが言ってるし」
「お主はこの娘を信頼しすぎではないか!?」
「ノアちゃん、いい子だよ?」
「そういう話ではない!」
「ふふ」
ノアちゃんが楽しそうに笑う。
「それで?」
「うん?」
「行ってみる?」
「行く!」
「早い!」
「だって、探してた条件にぴったりだよ!」
「それはそうじゃが……」
コハクが。
少し考える。
「まあ、見るだけなら……」
「やった!」
「ただし怪しかったらすぐ帰るぞ!」
「はーい!」
「返事だけはよいのう……」
「じゃあ!」
私はノアちゃんを見る。
「案内お願い!」
「いいよ」
「どれくらい歩く?」
「歩く?」
「うん」
ノアちゃんが。
少し考える。
「歩いて行くなら」
「うん」
「かなり遠いよ」
「どれくらい?」
「何日とかで済む距離じゃないかな」
「…………」
「…………」
「遠すぎない!?」
「かなり離れてるからね」
「そんな遠い場所だったの!?」
「うん」
「じゃあどうやって行くの?」
「大丈夫」
ノアちゃんが。
当たり前みたいに言った。
「ボクが連れていってあげるよ」
「ほんと!?」
「うん」
「どうやって?」
「転移」
「…………」
「転移!?」
「うん」
すごい!
「ノアちゃん、転移できるの!?」
「まあね」
「かっこいい!」
「ありがとう」
「待て」
「ん?」
コハク。
さっきまでより。
少し真剣な声。
「どうしたの?」
「長距離転移など、そう簡単に使える術ではないぞ」
「そうなの?」
「そうじゃ!」
コハクが。
ノアちゃんをじっと見る。
「妾ですら使えぬのじゃぞ?」
「えっ」
私は。
コハクを見る。
「コハクでも?」
「うむ」
「少なくとも妾は、好きな場所へ自由に飛ぶような真似はできぬ」
「へえ……」
私は。
改めてノアちゃんを見る。
「じゃあノアちゃん、すっごく強いんだ!」
「…………」
コハクが固まる。
「どうしたの?」
「なぜそうなる!?」
「だってコハクにもできないことができるんでしょ?」
「それが怪しいと言っておるのじゃ!」
「でもできるんだよね?」
ノアちゃんを見る。
「うん」
「ほら!」
「ほら、ではない!」
コハクが頭を抱える。
「普通なら『なぜそんな術を使えるのか』と疑問を持つところじゃろう!」
「うーん」
考える。
「ノアちゃんだから?」
「答えになっておらぬ!」
ノアちゃんが。
横で笑っている。
「細かいことは気にしない」
「そうだね!」
「お主までそちら側へ行くでない!」
「にゃ」
「わふ!」
「ほれ! お主らも何とか言え!」
「にゃ?」
「わふ?」
「……駄目じゃ。妾しかまともな者がおらぬ」
「失礼だなぁ」
「どの口が言う!」
でも。
転移できるなら。
遠くても問題ない。
「よし!」
私は拳を握る。
「行こう!」
「決断が早いのう……」
「魔物のみんなが暮らせる場所かもしれないんだよ?」
「…………」
コハクが黙る。
そして。
小さくため息。
「……まあよい」
「ほんと!?」
「見に行くだけじゃぞ」
「うん!」
「変な場所ならすぐ戻るからの!」
「分かった!」
「本当に分かっておるのか……?」
ノアちゃんが。
「じゃあ」
私たちへ手招きする。
「みんな、近くに来て」
「はーい!」
「わふ!」
「にゃ」
「……仕方ないのう」
ノアちゃんの近くへ集まる。
私。
シロ。
ユキ。
コハク。
「これでいい?」
「うん」
ノアちゃんが。
片手を軽く上げた。
すると。
「わっ」
私たちの足元に。
淡い光が広がっていく。
「すごい……」
「…………」
コハクは。
その光を見て。
さっきまでとは違う。
少し警戒した顔。
「では」
ノアちゃんが笑う。
「行こうか」
次の瞬間。
ぱあっ。
視界が真っ白になった。
「わっ!?」
身体が。
一瞬だけ。
ふわっと浮くような感覚。
そして。
◇
「…………」
風。
葉が揺れる音。
水の流れる音。
森の匂い。
「…………」
でも。
さっきまでいた場所とは。
全然違う。
「着いたよ」
ノアちゃんの声。
私は。
ゆっくりと目を開けた。
「…………」
「わぁ……」
最初に見えたのは。
巨大な木。
何人で囲んでも。
全部は囲めなさそうな。
とんでもなく太い幹。
その向こうにも。
そのまた向こうにも。
巨大な木々が。
どこまでも続いている。
「すごい……」
森。
でも。
今まで見てきた森とは。
全然違う。
空気が。
なんというか。
濃い。
「……魔力」
「え?」
ユキが。
いつの間にか人の姿になっていた。
周りに誰もいないからかな。
「……すごく濃い」
「そうなの?」
「……うん」
ユキの耳が。
ぴくぴく動いている。
「確かに」
コハクも。
辺りを見回す。
「尋常ではないのう……」
「そんなに?」
「お主には分からぬのか?」
「全然!」
「胸を張るな!」
でも。
本当にすごい。
木。
草。
花。
どれも。
今まで見たものより。
なんだか元気に見える。
そして。
私たちがいる場所。
「広い……」
森の中なのに。
ここだけ。
ぽっかりと。
巨大な空間が開けている。
柔らかい草。
少し離れたところには。
綺麗な水が流れる小さな川。
その向こうには。
果実みたいなものが実っている木も見える。
「ここが?」
「うん」
ノアちゃんが頷く。
「さっき言ってた場所」
「…………」
私は。
ぐるっと周囲を見る。
「本当に広い!」
「でしょ?」
「水もある!」
「うん」
「食べ物もありそう!」
「たくさんあるよ」
「それに」
ユキが。
周囲を見る。
「……誰も、いない」
「ほんとだ」
森の奥から。
何かの鳴き声は聞こえる。
でも。
この広い場所には。
一匹も。
魔物が入ってこない。
「不思議……」
「じゃろうな」
コハクが。
森の奥を見る。
「これほど魔力の濃い森じゃ」
「うん」
「周囲には相当な数の魔物がおるはず」
「そうなの?」
「うむ」
「じゃが」
コハクが。
少し低い声で言う。
「この場所だけは、妙に静かじゃ」
「セーフエリアだからじゃない?」
「その理由が分からぬと言っておるのじゃ!」
「あ」
「まったく……」
ノアちゃんは。
そんな私たちを見て。
楽しそうに笑っている。
「でも」
私は。
もう一度。
目の前の景色を見る。
広い。
静か。
水もある。
食べ物もありそう。
人もいない。
周囲には。
たくさんの魔物が暮らしている。
「…………」
ここなら。
もしかしたら。
「すごい……」
「ん?」
私は。
思わず笑った。
「ここなら!」
シロ。
ユキ。
コハク。
そしてノアちゃんを見る。
「本当に、みんなの居場所を作れるかも!」
「わふっ!」
「……うん」
「まだ決めるには早いぞ、お主」
「えへへ」
「笑って誤魔化すでない!」
でも。
私は。
なんだか。
すごくわくわくしていた。
まだ。
この場所のことを。
何も知らない。
どうして。
この森の中心だけ。
魔物が近づかないのかも。
もちろん。
知らなかった。
面白いと感じましたら、ブクマ、評価、コメント等をよろしくお願いします。




