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安全第一異世界生活  作者: 笑田
”乙女ゲーム”の崩壊した国

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296/298

295話 「困惑と狼狽」(前半:魔族・後半:大公視点)

壁の地図――刻んだはずの印が、消えている。


「なぜだ?なぜ配置した魔法陣が消えるんだ?

これは壊れたんじゃない、消えた!どういうことだ…」


机に思い切り何度も拳を叩きつける。


拳を叩きつけるたび、机が悲鳴を上げ、

叩くたびに机が陥没し、そして崩れ落ちた。


「どういう事だぁー!!」


肩で息をしながら頭に昇った血を頭を振る事で落ち着かせようとする。


空間ごと隔離したような…

そんなバカみたいなスキル持ちが居るとでも言うのか


亜空間収納のスキルで起動中の魔法陣を収納できるか―――否だ。


亜空間収納ではない。

起動中の魔法陣は、あれでは扱えない。

……ならば、何だ。


起動中の魔法陣を収納してしまえる

そんなバカみたいなスキル―――



いや…


―――ある。


……それが可能な存在を、私は一人だけ知っている。


空間ごとなんでも収納してしまえるスキル


魔王様のスキルなら


それが可能だ。


私はありえないと言いながら否定しきれない考えに頭を振りながら

何度目かの自問自答ののち、

あながち間違いじゃないかもしれない…そう思ってしまった。


そうなると


すでに魔王様がこの世界に存在していると…


まさか…


そんな…


我らが王が復活していると言うのか―――


先ほどまでの焦燥を帯びた悲壮感は消え、私の肌に熱が集まり朱がはしる。

胸の奥から、抑えきれない熱がせり上がる。

押さえていた魔力が溢れ出る。そして本来の姿へと戻る。

背中から白く先端に行くにしたがって黒く変色した羽が出現した。


「我が王、ようやく……お傍に―― 」


その高揚する気持ちのまま私は拠点から飛び出した。


――――


◆(大公視点)


S級冒険者が放った一閃で辺りに突風が吹いた。

風が収まり目を開けた時には、

彼らの前に居た何者かはすでに跡形もなく消えていた。


あの男はいったい…

いきなり彼らの側に現れたと思ったら、肌が剥がれ落ち醜悪な色を纏い、

そして消えた――


あの者から放たれた気で私たちは動く事も出来ず

ただ茫然と眺めるだけになってしまった…いったい今何が起こっているんだ…


「父上」


一人の騎士と共に息子・ディディエが駆け寄って来た。


「ご無事ですか?」


ただ言葉もなく立ち尽くしていた私に言葉をかけてくれたことで、ようやく動きを取り戻し反応することが出来た。


「…ディーよ、先ほどの…あの者はなんだったんだ…」


「…魔族だそうです…」


「…魔…族…」


「彼方のエルフいわく近くにもう一体潜んでいたと…」


「何人も居たというのか!!」


「わが国は思ったよりも何かが起こっているのやもしれません」


”何か”とは、なんだ…

全身に鳥肌が立つ


湖に目を向け


広がる湖面を見渡す

先程は焦りのあまりきちんと見ていなかったが、


「浄化されている…」


クレイ嬢がこの国を去ってから皆で魔力を注いで浄化を促しても、

淀みの浄化が間に合わなかったのだが…


「まさか…あの時の光の柱は浄化だったのか」


「彼女です」


先程こちらに話しかけてきた女を指さし息子はわらう


「オーラシアンのあの”旅する聖女”様の弟子だそうです」


旅する聖女…20年前に突如世界を回り、各国の問題を解決していった

黒い髪の聖女


彼女の弟子だと…


「なぜ我が国に…」


「あの子、あの赤髪の少女のお迎えに来られたと聞きました。」


「あの…少女は?」


「フェリシアの…家から、執事の手を借りて此処まで逃げ出して来たみたいで…

どうやら…誘拐されて我が国に来たみたいです」


S級冒険者の二人と知り合いの様に話していて、

攫われてきた―――

彼女…

……まさか。

あの子が、件の“攫われた貴族家の嫡男”なのか?


じっと幼女と話すその子を見ていて思う

可憐だ…あの子が嫡男?

それは…ないよな?


そんな事を考えていると、周りからざわめきが溢れてきた。

何事かと顔を上げると

空は茜色に染まり美しい色を纏っている

その空に広がる黒色に目を見張る。


火龍の眠るグレンファルド山から凄い勢いで黒煙が噴出している。

煙?

何か違う―――


…霧?

黒い霧?聞いた事無い


今度は一体何が起こったんだ―――

狼狽する思考の中


「トーさん?」


小さな声が聞こえた

振り向いてみると

先程のあの子が涙をにじませた目で、、

狼狽している私たちをよそに、黒い霧を愛おしそうに見ていた。


私は理解が追いつかない。


いったい君はなんなんだ?

わが国で何が起こっているんだ!!

読んで頂きありがとうございます(❁´ω`❁)

イイネ♥をぽちっとしていただくと私のモチベが上がるのでよかったらお願いします✿

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