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戦国時代と調略の歴史 ~天才秀吉の無双~  作者: 泰 然
第七章 毛利元就(二)──国人衆の取り込みと「三本の矢」
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国人連合の盟主から、主君へ

 両川を両翼に得た元就だが、その支配の内実は依然として国人連合の盟主だった。


 安芸・備後の国人たち──熊谷、天野、平賀、宍戸ら──は毛利の「家臣」ではなく「与力」であり、離反の自由を潜在的に保持していた。元就はこの緩い連合を、一つずつ縛り直していく。


 手法は婚姻の網である。


 娘を宍戸隆家に嫁がせ、養女を天野氏・熊谷氏に配し、有力国人のほぼすべてと姻戚関係を結んだ。


 特に宍戸家との縁組は、かつて毛利と抗争を繰り返した隣接国人を、最も信頼される一門格へ転換させた成功例である。


 さらに元就は、国人たちの所領争いの調停者の位置を独占した。紛争のたびに毛利の裁定を仰ぐ構造ができれば、盟主は裁判権を持つ主君へと自然に格上げされていく。


 北条早雲は民心をつかんだが、支配は実力で示すしかなかった。しかし元就は、国人の紛争調停権を得ることで、調停者という、支配の手段を得たのである。



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