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Atlantis World Re:Diverーバグから始めるVRMMOー  作者: 双葉鳴
【ミルモの章】8/5【水】EPO、BDO_配信6日目

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319/323

319話 EPO配信!_ディノちゃん合流

 罠術を無事クリアしたことにより、私たちはかねてより合流を予定していたディノちゃんと連絡を取り合う。


 もうすでにクリアしていた彼女とは、事前にフレンド登録をしていたのだ。

 本日は丸一日ゆきちゃんと付き合う予定の彼女に連絡を入れるのは少し悪いなという気持ちに駆られながら、それでも予定は予定なのでそこは思い切って踏み込んだ。



ハヤテ:今ステージ4終わったとこ、今どこ?


ディノ:ちょうどステージ3が終了したとこ

    スノーは参加NGだって


ハヤテ:りょ、一旦配信切るね

    そこで合流してフレ登録しよ


ディノ:りょ



 スノーはユキちゃんの名前だと把握する。

 それとディノちゃん、サムライモードが消滅している。

 やっぱりあのモードはなりきりプレイで誤魔化すつもりなのかな?

 まぁいいけど。

 ミルちゃんも邪悪さ()が取れたし、初顔合わせといこうじゃないか。


「すいません、一旦フレンドと合流するので配信切りますね。今回は所用で配信NGの子と一緒に回ってるらしくて。そのこともフレンド登録しちゃいたいので」


:把握

:ええんやで

:このままステージ5へ、とはいかないか

:ステージ4は長いからな

:その子もいずれ配信に?


「どうですかねー? アキルちゃんとは違ってあまりご家庭でゲームをやるのを快く思われてない子なので。矢面に立たせるのは違うかなって思ってます。私たちみたい両親が生粋のゲーマーでもない限り、難しいと思います」


:あ、それはそうやね

:学校のお友達か

:ゲーム仲間じゃないならしゃーないか

:アキルちゃんはなんだかんだもりもりハンバーグの孫だしな

:名前wwww

:この名前を笑えるAWOプレイヤーはいないので

:名前で笑わせてね首を刈るプレイヤーだぞ


「食べ物のネームをつけるプレイヤーって多いですよね。チキンタルタルさんとか」


:まぁ、そう考えれば一般的か

:もりもりをつける一般的とは?

:そこは子供ウケだろ

:まぁ孫もいるってことはそういうことか


「そうですよー、お子さんに元気でいて欲しいからと、そういう名付けをする方もしますから。あ、フレンドがステージ4に到着したみたいなので一旦切りますね。ではまた」


:おつ

:またねー

:ステージ4で枝肉下ろしに行くか

:俺は商人で醤油を伝授しに行くよ

:商人ロール、今どこまで進んでる?

:チャットで情報交換すな

:配信者置いてけぼりやん

:って、チャットは繋げたままなんか?

:映像と音声だけ止まったな

:粋な配慮

:すぐに再開するっていう熱い気持ちを感じる

:まぁフレンド登録して、軽い雑談したら再会やろ

:ハヤテちゃんのことだから、念には念を入れてパッキングする

:まぁな

:プライバシーは死守するだろうし

:そも、他人のプライベート暴く低脳はいないやろ

:ナイアルラトテップが関わってくる配信者ってことを忘れたやつだけ暴きに行く

:多分、周囲の圧力が強すぎて暴きにいけない

:別に嫌われるようなことしてないもんな

:配信でほぼ全て垂れ流してるのが本性だよ

:親が強すぎるんだよ、運営に開発者に、ゲームの根幹を担う大手クラン運営者とか

:手を出そうという方がおかしい

:実家のパイプが太すぎるンゴ



 チャット欄だけ起動させてたら、案の定配信凸を企んでいるリスナーさんがいたみたいだ。

 私たちとフレンドになりたい物好きがいるみたいだけど、学校の友達以外とフレンドになることはほぼないかなぁ。

 まぁその親御さんが知り合いなら話は別なんだけど。


 リョウくんやランディ君とも懐かしさからフレンド登録したし。エレインちゃんともフレンドになった。

 そういう意味ではワンチャンを狙いに来てるのかな?


「お待たせー」

「いよ、ゆきっち」

「その名乗りはトキちゃんだね?」

「いえーす」

「ダメですわよ、トキさん。ネット上で本名を問いかけるのは。ネットリテラシーが足りてませんわね」

「え、だいたいみんな本名で遊んでない?」

「自己顕示欲の塊が強いのが配信者の特徴だからね。特に葉ちゃんもそこは人のこと言えないのでは?」

「それは……」

「葉ちゃん?」

「紅葉ですわ、スノーさん」

「あ、だから葉ちゃん。紅葉の葉ね、把握」

「スノーちゃん初めまして、よろしくー」

「ハヤちゃんは相変わらずかわいいね、ぎゅっとしていい?」

「ほどほどにね」


 ゆきちゃんは初対面にもかかわらずグイグイくる子だった。

 これ、もしかしてこの距離感を問題視して親御さんはゲームで遊ばせるのは危険だと悟ったのでは?

 文字通りぎゅっとされ、そのままで会話が継続されていく。

 グゥ、苦しい。

 

「ハヤテちゃん、ほっぺぷにぷにしてるー、かわいいー」

「やめなよゆきちゃん。ハヤちゃんは私のだから」


 もう反対側からリノちゃんがアタック。

 私は両サイドから押しつぶされる形で潰されるカエルの気持ちを味わった。


「ほらスノー、やめよ。往来でやることじゃないって」

「おっと、そうだった。まずは自己紹介からね。あたしはスノー。よろしく」

「ゆきっちはそのスキンシップの軽さからゲームにのめり込むのを親から反対されてる稀有な子だよ」


 お姉ちゃんの説明で全て納得した。

 ちなみに同性に限らず、異性にもこんな感じらしい。

 女学園に通わされてるのも、幼少期から多くの男子を惑わせてきたからだという。

 心におじさんを飼ってる気軽さだとか。


「ハヤテだよ。クラスチャットでは一回挨拶したよね」

「ハヤちゃんかわいいねー。うち来ない? このまま一緒に暮らそ?」

「え、遠慮しとく」

「そりゃ残念」


 この軽妙なスキンシップ。

 ちょっと苦手なタイプだ。


「よっす、トキちゃんだぜー」

「よっすよっす。トキちゃんは話しやすくて助かってるよー。ほら、学園の子ってみんなお堅い子ばかりでさー」

「わかる。もっと気軽にやればいいのに」

「まぁ気軽にやりすぎて単位落としても始まらないんだけど」

「そう言えば、スノーって学年成績悪いよね」

「頑張ってんだけどねー。結果が追いつかないよ、結果が」


 お姉ちゃんにはちょうどいい相棒らしい。

 確かにこんな性格じゃ、クラスでは浮くよなぁ。

 でもクラスチャットでは有名人みたいな扱いだった。

 クラスでは大人しくしてるのかな?

 実際に会うのが怖い。


「リノだよ。あんまりハヤちゃんにくっつかないでね? ハヤちゃんは私のだから」

「それは無理だって。かわいい女の子はこうやって甘やかしてドロドロに溶かすのがあたしの役目だもん」

「そんな心情今すぐ捨てなよ。見ていて不快」

「こりゃ手厳しいね」

「スノーは油断も隙もないからね。クラスの女子全員口説いてるの快く思ってる子多いんだからね?」

「おや、嫉妬かな?」

「違うし!」


 想像以上にとんでもない子だな。

 よくこんな人と友達を続けられてるものだ。


「リノさん、それが自己紹介でいいのですか?」

「いいの、この子とは腐れ縁だから」

「わたくし以上に?」

「紅葉とはもう仲直りしたでしょ」

「それは確かに」

「紅葉ですわ。こちらでは初めましてですわよね。うちのお父様がこのゲームの開発に携わっておりますの。基本学校にはいかず、ずっと家の手伝いの姉ともどもよろしくお願いしたしますわ」

「よろよろー」

「こちらでも変わらずですのね」

「お嬢様学園でのあたしは世を忍ぶ仮の姿。まぁ、親の目が届かないところでは自由にやらせてもらってるよ。レディ、少しお茶の時間でも?」

「ごめんなさい、そこまでの時間はないみたいよ。ハヤテさん、フレンド登録したらすぐにでも再会いたしましょう」


 紅葉ちゃんはこの空気をすぐにでも壊したいようだった。

 うん、まぁ気持ちはわかる。

 あまりにもキャラが濃すぎるって。


「私は別にいいよね?」

「ディノっちはかしこまりすぎ。同じクラスメイトだろー?」

「往来でこういうことやるのは仮面つけてなきゃ無理なんだよー」


 そういえば、ディノちゃん仮面は?

 WBOでは狐のマスクを直に被って、素顔を人前に晒すことをよしとしなかった。

 そんな恥ずかしがり屋の彼女は今、その素顔を晒してる。

 多分だけど、自分の素顔より恥ずかしい存在と一緒に行動している時点でどうでも良くなったやつだと思う。


「ディノちゃん、仮面は用意できなかったの?」

「なんなら加工いたしますわよ?」

「違う違う。用意したの。でもそれが気に食わないからって取り上げられちゃったの」

「誰に?」


 ディノちゃんは無言でスノーを指差した。


「あたしね、かわいい子が無理して殻に閉じこもってんのは違うなって思ってんの。ディノちゃんにはもっとかわいいお洋服が似合うはずなのに、肝心のあたしにはそのスキルがない!」

「でも自分の感性の押し付けはすると?」

「いえーす」


 とことん邪悪だな、この人。


「あはは、さすが理不尽の擬人化、スノーだね」

「ナイアルラトテップの化身と言われてもおかしくありませんわ」

「ナイアル、何? 新作のお菓子の名前?」

「そうだよ。食べると頭がおかしくなって死ぬ」

「え、こわー」

「すでに頭のおかしいスノーにはピッタリってわけ」

「は! もしかして学校の成績が悪いのも、そのせい?」

「そうだよ、どこで拾い食いしたのさ」

「実は河川敷の下で……」

「あははははは」


 どこまでもノリノいい子だ。


「とりあえず、フレンド登録する?」

「いいよいいよ、フレンドは多い方がいいからね。申請よろ」


 この子とフレンド登録するのはちょっと嫌だなと思いつつ。

 葛藤の末、申請。


「ハヤっち、ちょっと躊躇った?」

「少し」

「凹むー」

「いや、こんな性格浴びせられてフレンド登録するのは嫌だよ。あ、私はしないね」

「リノっち、ノリ悪ーい」

「さささ、大したものではありませんが。こちらフレンド登録でございます」

「良いではないか良いではないか」


 お姉ちゃんはノリノリで申請。

 スノーはくるもの拒まずで受け入れた。

 その後葉ちゃん、ミルちゃんとも登録して。

 最後にミルちゃんが自己紹介する。


「どもートキっちの大親友にしてお騒がせ妖精、ミルモちゃんだぜー」

「おー、噂は予々」

「噂以上にぶっ飛んだ人で中に入るのに躊躇しちゃったぜ」

「これはこれは、恥ずかしいところをお見せしちゃったかな?」

「でも、腹を割って話せばいい人だって判明したので、よろしくー」

「よろよろ」


 ミルちゃんは流石の対応力でこれを迎え入れる。

 リノちゃんは「あーあ、出逢っちゃったか」みたいな顔をしている。気持ちはわかるよ。

 これは出会わせたくなかったって。


「で、配信はNGなのはなんで? むしろ配信受けするキャラじゃない?」

「それはうちの家族がリノっちばりの社会性を重んじる家族だからだYO」

「なるほど、実の娘が恥ずかしい真似をすると社会的に死ぬと」

「ハヤっち、正解。もちっとオブラートに包んでくれYO」

「オブ、何?」

「おっと失敬。若い子には伝わらなかったかな?」

「スノーも若いじゃん。てか同い年だし」

「およー」

「あはは、おもろい子だね」

「めっちゃクラスで浮いてる子だよ。ご家族が可哀想になるくらい」

「リノっち、それは失礼ってやつだぜ」


 やっぱりこの人、第一世代の転生体っぽいな。誰だ?

 こんなファンキーな人。前世にいただろうか?


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