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Atlantis World Re:Diverーバグから始めるVRMMOー  作者: 双葉鳴
【ミルモの章】8/4【火】WBO、EPO_配信5日目

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294話 EPO配信!_弓術マスターへの道

「まずは狐エリアからですわね」

「早速『剣豪』で強化しよ」

「弓術はどうしても威力が落ちますし、いいと思いますわ」


 リノちゃんはさっき覚えた『剣豪』にジョブを付け替えて、弓術の命中率を下げて威力上昇に全振りしてる。

 それ、当てる気あるの? と言うほどの命中率まで低下していた。

 もしかして『剣豪』の効果って弓術にものるの?

 そういえば『低命中、高威力のスキル』以外の明記がされていない。

 リノちゃん、これをわかってて新しく威圧対象を増やすつもりなんだ? と理解して戦慄した。


「何にもわかってないね、みんな。命中率はね、100%以外何も信用できないよ」


 100%信者のお姉ちゃんが胸を張っていった。

 みんな白け顔である。


「あなたはすっかりホーミング信者ね。他のゲームに移った時にひたすら後悔しそうですが、そこはどうなのです?」


 葉ちゃんが老婆心を炸裂させる。

 お姉ちゃんはWBOのメインは吟遊詩人。

 狩人ではないとたかを括っている。


 だと思ったよ。


「ところで葉ちゃん」

「何かしら」

「さっき『商人』のジョブも使ってたよね? 『幻惑』使いながら」


 葉ちゃんの『幻惑』のジョブは理解した。

 『ハンター』を使用中、使える二刀流。

 それは使用者以外見えない状態で行使される。

 二刀流をしている前提条件で、確かに『G・城壁』は実在した。


 でもそれ以外に、先ほど『商人』スキルの『交渉』を使用していた。

 フリの可能性もあるけど、可能性としては低い。

 葉ちゃんは特に大したことではないと私の質問を切り捨てる。


「あら、そのことですか」

「大したことじゃなさそうに言うね」

「実際大したことではありませんわ。一般的なジョブと称号ジョブは全く別のものですわ。なのでジョブをセットしていながら、称号ジョブもセットできる。わたくしに取っては常識ですわ」

「え、できたの?」


 リノちゃんが驚く。

 できない前提でレイちゃんに渡したのに。

 まさかできたとは! みたいな顔になっている。


「|◉〻◉)返しましょうか?」

「いいよ、今は剣豪あるから。レイちゃんはそのままハンターつけてて」

「|⌒〻⌒)はい!」


 一件落着したようだ。

 それはさておき、新事実。


「皆さん、知ってました? 称号ジョブと一般ジョブは同時にセットできるって!」


:まず誰も称号スキルを取得していない件

:ハンターをみんな求めて、散っていった

:ジョブは付け替えるべきって認識があったのは確かやな

:まさか称号スキルは同時セットできるとは

:これは新しいな

:ただ、ダブった称号は付け替える感じ?


「あ、どうだろ。実際にダブらせたのってリノちゃんぐらいだよね?」

「|◉〻◉)返します?」

「あ、じゃあ検証のために一回返してもらうね」

「|ー〻ー)はい」


 ちょっと気に入ってたのかな?

 途端にレイちゃんのテンションが下がった。

 受け取ったリノちゃんがやけにキリッとした表情で『ハンターをセットする。

 その上で『剣豪』をセット……キリッとした表情がまた違う雰囲気を纏う。


「あ、ダメみたい。称号ジョブは複数セットできないみたい」


:そんな上手い話はなかったか


「|◉〻◉)ノじゃあ、僕が預かっておきますね?」

「お願いねー」


 ウキウキしながらレイちゃんが『ハンター』をセットする。


「|◎〻◎)フォー」


 いきなり興奮したかと思うと、踊り出す。

 いつものレイちゃんになった。


「|◉〻◉)これですこれ! このジョブをセットすると楽しくなるんですよ」


 そんな効果知らない。


「じゃあ、あたしは『剣聖』しながら『解体師』をできちゃうわけ?」

「そうだね、私は『剣豪』しながら農家ができちゃう」

「私は『剣豪』しながら『解体師』しちゃうもんねー。トキちゃんには負けないよ!」

「こっちこそ!」

「ではわたくしは先ほどと同様に『幻惑』をしながら『商人』をいたしましょうか」

「|◉〻◉)僕はハンターしますねー。そいや、そいや」

「私はここで皆様を応援しています」


 それぞれの意思がまとまって、私たちはキツネエリアを開始する。レイちゃんのテンションがおかしいけど、それは今更だしね。ジョブがセットできると言うのは実際ありがたいし、私もジョブ効果が欲しいトキ、頼む時があるかもだし。


「今回はお肉多めに確保だね」

「この中で一番弓術育ってるのはお姉ちゃんだからね」

「一番は葉ちゃんじゃない?」


 10まで育ってるのはそうだね。


「抜け駆けした人なんて知りませーん」

「まだ言ってますの?」

『これはずっと言われるパターンですね』

「ハヤテさんらしいといえばらしいですが」

「そんなわけで、一番育ってるお姉ちゃんに色々レクチャーしてもらおうかなって」

「レクチャー? ホーミングしてれば勝てるよ」


:草

:まぁ威力は低いけど必中だもんな

:これ、もしかしてずっとホーミングして行く流れか?

:ありそう


 もちろん、それ以外で進んでいくよ。


『早速キツネさんが入場です。皆様、頑張ってくださいね』


 紅ちゃんの応援を受けて、私たちは一斉に弓を引く。

 まずは普通に『シュート』。

 キツネはヒョイっと回避して一直線に収穫物に向かう。


「させないよ! 落とし穴ホーミング」


:必中で落とし穴効果つけるのえぐいって

:これ、罠が100%成功するのか

:やっぱり『ハンター』強すぎんのよ


「続いて『剣豪』ホーミング、いくよ!」


:剣豪ホーミングって?

:威圧?

:これあれだ、命中下げて威力上げたパターン

:10下げても90%あるもんな


「なんと30%下げて威力を100に!」


:バカやろう!

:命中マイナス10につき威力+30は頭おかしいだろ

:剣豪ってもしかして相当強い称号ジョブになるんじゃ?

:ホーミングにつけると威力をいくらでも上げられる

:落とし穴で回避を封じられたキツネくん、これは避けられないー

:耐久5しかないのに100はオーバーキルもいいところだろ!


「でも命中率が高い判定だったのか『威圧』対象にならなかったですねー」


:それはそうだろ

:70%はシュートや曲射と一緒や

:そのうち威力250、命中20%のホーミングが飛んでいくのか?

:それはもはやホーミングという名の何かでは?


 ホーミングの名残がどこにもないよね、それは。

 リノちゃんならやりそうという予感はあるけど。


:それよりハヤテちゃんの落とし穴ホーミングで死ななかったのはどうして?

:それ気になる


「それはですねー、実際にキツネに当ててないからです」


:つまり?


「狐の移動する場所を予測してその周辺にセットしたって感じです」


:なるほど、当てると倒しちゃうから、あえて外した?

:でもホーミングって言ってるんだよな


「そこは剣豪で命中下げてますよ、流石に」


 威力を上げるより、あてないために使ってるのは多分私ぐらいだろう。

 リノちゃんはそれでも当てに行くんだけど。

 その補佐をね、私がする感じ。

 もし当たったらキツネが爆散しちゃうよ。

 そうならないように命中率を下げて、地面に罠術をセットするのだ。


:あれもちゃっかり威力おかしいことになってるんだろうか?

:当たってたら爆散しそう

:外すために威力100くらいになってそう

:リノちゃんのこと言えなくて草

:普通にフィールド壊れてないから、多分威力はそんなにないな

:外すために剣豪を使うのがハヤテちゃんで

:一撃必殺のロマンを高めるのがリノちゃん

:絶対当てるために策を弄するのがトキちゃん

:最後に目立ちたがり屋の葉ちゃん


「誰が目立ちたがり屋ですか!」


 とても腹立たしいという顔つきだけど、そういうキャラで売り出したのは君だよ?

 リスナーさんに当たらないでよ。


「これならどうだ!『剣聖』連射」


 お姉ちゃんがホーミング以外の弓術を発動した。

 珍しい、と思いつつもこのままホーミング頼りだと、流石に『剣聖』が可哀想だと思ったのだろう。

 その予感は当たっていた。


「剣聖って威力を消費して範囲をとるやつだっけ?」

「うん。威力を10消費するごとに範囲+1なんだよね」


 つまり連射攻撃が着弾点から十字に拡散するのだが、どうも効果は乗らなかったらしい。


「効果はあった?」

「多段ヒット系は『剣聖』の効果に乗らないのかも。やっぱり弓には使いづらいのかな?」


 そもそも威力10から−10したら何も残らないんだから。

 そこから範囲広げたって無駄じゃない?


「素直に罠術で運用しようよ」

「絶対弓向きだと思ったんだけどなー」

「弓はただでさえ命中と範囲のスペシャリストじゃない」

「それもそうなんだけどさー。せっかくあたしだけの称号ジョブだよ? あたしが先駆者なんだから、あたしなりの運用方法を考えたいよね」

「そうだね。剣豪は私とリノちゃんで二人いるけど、剣聖はお姉ちゃんだけだもんね」

「そうそう、そういうのって初めてだからさ。あたしがこれから牽制やる人の手本になりたいんだよね」


 なるほど、そういうことなら協力してあげなくちゃ。

 他ならぬお姉ちゃんが自発的に何かしようというのだ。


「わかった。じゃあそれぞれこれだっていう運用法を考えよう。配信でそれを発表するっていうのはどう?」

「いいね! 発表はどのタイミングでする?」

「配信終了の時でよくない? 称号ジョブと、武器スキル、または通常ジョブの組み合わせを一つ開示する、とかね」

「よし、やる気出てきた」

「私もそれ参加する!」

「わたくしももちろんエントリーしますわよ」


 全員が称号ジョブ持ちだからこそできる提案だ。

 今はまだ成り手が少ない称号ジョブ。

 私たちで徹底解明してしまおう。


 まぁ今のところ弓術の育成をしつつになるけどね。

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