第百八十六話「まだ見ぬ明日へ」
◇ ◆ ◇
あれから数か月後──。
金太郎たちは、とある大きな会場の前に集合していた。
埼玉レイド・スタジアム。
レイド・スタジアム史上、もっとも巨大なスタジアムである。
今日は、クロスレイド・ダブルス大会の決勝トーナメント当日。
金太郎たちは、みな予選を勝ち上がり、今日を迎えていたのだ。
会場を見上げながら銀子が言う。
「ほんっと、久しぶりって感じよねー」
「ええ、本当に……」
銀子の隣には笑顔の響香。
その隣で金太郎が口を開いた。
「みんなで揃って出場するのって初めてなんじゃないか?」
答えたのは将角である。
「ああ、そうだな」
「うんうん」
将角の隣で、桂もうれしそうに頷いている。
金太郎と将角は闘志をみなぎらせながら、熱い約束を交わす。
「将角たちとやれるのは決勝か。絶対に勝ち上がって来いよ」
「てめぇこそ途中で負けんじゃねぇぞ」
すると銀子が横からチャチャを入れてきた。
「ちょっと聞き捨てならないわね。それだとわたしたちは、あんたたちに負けるってことになるのかしら?」
「ぎ、銀姉⁉」
「ふふ。冗談よ。でも、わたしたちも負けないからね」
さらに銀子の隣にいる響香が、背後に視線を流しながら言う。
「それに、私たちのほかにもいますよ。強敵は」
響香の視線の先にいたのは歩夢だ。
歩夢は両手を頭の後ろに組んで、不敵な笑みを浮かべている。そして相変わらずの憎たらしい言葉で金太郎たちを煽ってきた。
「そうそう。優勝は僕らがするからね。悪いけど師匠たちには途中で脱落してもらうよ」
「言ってくれるじゃないか、歩夢」
金太郎も挑戦的な言葉を返すが、その表情は楽しそうである。
その歩夢の隣に立つ女性からも、強気な言葉が元気よく飛び出した。
「そうですよ! 私と歩夢が組めば、誰にも負けませんから!」
彼女の名は『塩見明歩』。歩夢がダブルス大会に出場するために見つけてきたパートナーだ。彼女は歩夢も認めたほどの実力者でもある。
今回の決勝トーナメントに出場する選手は全部で8ペア。計16名が参加している。そして出場する選手の半分は、金太郎たちが占めていた。
金太郎たちは、いつもの組み合わせでペアになっている。
歩夢のパートナーは明歩。銀子のパートナーは響香。将角のパートナーは桂。
そして金太郎のパートナーは────
金太郎の背後から、元気な声が響き渡る。
「おまたせー! 今日は楽しみだね、金ちゃん!」
「飛鳥! 待ってたぜ!」
手を振りながら、小走りに走ってきたのは飛鳥である。
彼女は金太郎の前まで来ると、茶色のロングヘアをなびかせながら、とびきりの笑顔を浮かべてみせた。
金太郎が全員の顔を見回しながら言う。
「よし、これで全員そろったな! 誰が勝っても恨みっこなしだぜ?」
「当たり前だ。手加減しねぇからな」
不敵な笑みが浮かべながら、言葉を返したのは将角。
この場にいる仲間も、みんな笑顔で答えた。
そして金太郎の合図で、全員が一斉に会場へと歩を進める。
「それじゃ──始めようぜ! 俺たちの戦いをさ!」
thank you for reading it until the very end. May this story give you strength to live.
次回、エピローグ
新たな力によって生まれた生命の息吹が、未来の可能性を示す道しるべとなる──




