あいつは本当に霊力ゼロなのか?
小説を書いてみようと思い立ったので、AI先生に助けられながら書いてみました。
ほぼほぼ初心者なので、色々とおかしかったりする所は生暖かい目で見ていただけると助かります。
感想や評価をいただければ励みになりますので、よろしくお願いします。
仮設ゲートの外は、測定器の警告音でざわついている。
管理局の腕章が二名、ギルドの初動班が三名。F級の入口にしては人が多い。目黒が指差した方向——陸の胸のカード——へ、視線が集まる。
「真島陸。測定例外枠。霊力0」
端末を見た男が、短く読む。名前を呼ぶ温度はない。確認だ。
通路の奥では、岩皮の残骸を撮る音が続く。さっきと同じ疑問が、まだ誰かの口に残っている。
浜波が、袋を抱き直す。値踏みの目が、陸と管理局のあいだを往復する。
「俺らじゃ押し切れなかった。奴が前に出て、急所だと言った。……霊力は見てない。光も出てなかった」
目黒が、杖を抱えたまま顔を上げる。顔は白い。
「俺は先にゲートへ出た。逃げたんだ。あいつが——ゼロが、中に残ってた」
嘲りの残滓はない。事実だけが、口から落ちる。
次藤が測定器を差し出す。ログの画面が、初動班の男の顔を青く照らす。
「D級の反応が消えた時刻と、討伐貢献の記録です。光の出力は、浜波と目黒の分しか残っていません。真島さんの枠は、霊力放出ゼロのままです」
男の眉が寄る。隣の女が、端末で誰かに連絡を打ち始める。指が早い。報告は、もう外へ出ている。
『余計なことは言うな。測れんものを、測れた気になって聞いてくる』
「……はい」
陸は小さく答える。腹の奥が、まだ熱い。変化の法が切れたあとの熱だ。膝はまだ立つ。袖の中で、指先だけが震えて止まらない。
「聴取は分室でやる。傷の処置もだ。同行しろ」
「分かりました。その前に——」
陸は、座り込んだ目黒と、測定器を下げた次藤を見る。浜波には目を合わせない。合わせる必要がない。
「三人とも、無事ですか」
「怪我は浅いが、ショックのほうが長いだろ」
初動班の男が顎をしゃくる。医療テントの白い屋根が、仮設ゲートの脇に見える。
「自分のことは後でいいです。先に、あの三人をお願いします」
「お前が一番、ログがおかしいんだが」
「測定は0のままです。まだ動けます」
気も変化の法も、言っていない。
次藤が一度だけ頷く。浜波は舌打ちして、医療テントのほうへ歩く。目黒は杖を引きずったまま、後をついていく。
処置のベッドで、袖の裂傷を縫われる。消毒液の匂いが、新宿のテントに似ている。違うのは、今回は死骸の運搬側ではなく、攻略側のログに名前があることだ。
端末が震える。メッセージだ。差出人は川瀬。
『陸さん。雑司が谷のF級、現場に名前が出てます。行ってたんですか。大丈夫ですか。妹がまた心配しそうで』
陸は親指で、短く返す。
『無事。お前も無理するな』
送信のあと、画面を伏せる。現場の話は、それ以上書いていない。
テントの外で、誰かが低い声で話す。
「新宿のB級が出た時も、清掃屋が絡んでたよな」
「測定0であの動きは何だ、って初動が騒いでる」
「欠陥男が、本当にゼロなのかよ」
噂は、消毒液より早く染みる。陸は天井のシートを見る。外の声には、乗らない。
『嗤わせておけ。お前はもう、入り口に立ってる』
申請の窓口でも、同じことを言った。師匠の声は、耳の奥で短く途切れる。前向きすぎる言い方だ。メニュー追加の予告にも聞こえる。
「……はい」
分室への車が、門の外で待っている。聴取は避けられない。E級の話も、その延長で出てくるかもしれない。今は、川瀬が無事で、パーティの三人がテントにいる。それで、陸の優先順位は埋まっている。
カードのFが、テントの明かりに鈍く光る。測定値は0のまま。討伐貢献だけが、端末の向こうで一人歩きを始めている。




