英雄の第一歩(第1章完)
小説を書いてみようと思い立ったので、AI先生に助けられながら書いてみました。
ほぼほぼ初心者なので、色々とおかしかったりする所は生暖かい目で見ていただけると助かります。
感想や評価をいただければ励みになりますので、よろしくお願いします。
ダンジョン管理局・池袋分室の聴取室は、廃坑より乾いている。
机の上にペーパーと端末。壁に地図。雑司が谷廃坑の枠が、赤くマークされている。
向かい側に座ったのは、実技のときと同じ顔だ。名前は遠野だったはず。Eランクの腕章が、事務机の光に鈍い。
遠野が端末を回す。討伐貢献と、霊力放出のグラフが並ぶ。後者は平らだ。前者だけが跳ねている。
「霊力は出ていないが、貢献だけが高いな。どうやって倒したんだ?」
声は低く、事務的だ。敵意より、記録の穴を埋めたい目をしている。
「急所です。魔力の薄いところに、力を置いただけです」
陸は同じ答えを返す。気も、変化の法も出さない。出しても理解されない。測れないものは、この机の上では記録にならない。
「新宿のB級も、お前の名前が現場メモに残ってる。公式には結びつけるな、と上は言ってる。俺も深くは聞かない。だが、ログは嘘をつかない」
「……はい」
「F級ダンジョンの初回クリア。等級外れのD級を、霊力なしで倒す。例外枠の実技評価も、まだ生きてる」
遠野がペンを置く。次の言葉が、昇級の話だと理解するまで、一瞬間が空いた。
「上が、Eランクへの昇級審査を前倒しで出すと決めた。実技と現場の結果を見た、異例の決定だ。受けるかどうかは、お前が決めろ」
カードのFが、胸ポケットの内側で硬い。測定値は0のまま。等級だけが、先に動こうとしている。
——数値ではない覚醒者、か。呼ばれ方はまだない。実績だけが、机の上にある。
『へっ。まだまだこんなモンじゃねえぞ、弟子』
肩の師匠が、珍しく前のめりになる。紅い目が、遠いどこかを見ている。
『……妙だな。石の匂いがした。封印の、続きみたいな——』
言いかけて、師匠は自分の額を指で叩く。記憶の混濁が、一瞬だけ薄れた気配だ。すぐ、薄い霧の向こうへ戻る。
「師匠」
『余計な心配はいらねぇ。今は、お前の一歩を歩け』
陸は遠野を見る。
「受けます。ただし、測定は0のままだと思います。数字が上がる約束は、できません」
「分かってる。上がるかどうかより、現場で何ができるかを見る審査になる。詳細は通知する」
遠野が立ち上がる。聴取は短い。深くは聞かない、と言った男の聴取は、言葉通り短かった。
廊下を出ると、夜の空気が顔に当たる。池袋の灯りが、遠くで雑司が谷のほうまで続いている。
端末が震える。ギルド経由の速報だ。銀翼の名前が、処分待ちの欄に小さく残っている。
——等級外れが、二度目だ。新宿と同じ型だ。偶然では、済ませにくくなってきた。
『面白くなってきたな』
師匠が尻尾を振る。腹黒い顔だ。
「次は、何をしたら良いですか?」
『修業だ。気が切れても落ちない身体にしろ。あとは——石の匂いがした場所を、忘れんな。俺様の記憶が追いついたら、そこへ行く』
「分かりました」
陸はライセンスカードを取り出す。Fの文字が、街灯に光る。まだFだ。Eは、まだ審査の先にある。それでも、清掃の台車を押していた頃の自分とは、立ち位置が違う。
——数値ではない。結果で、上がる。
腹の奥で、気の糸が細く残っている。変化の法のあとの熱は、もう引いている。次のメニューが、待っている。
陸は駅へ歩き出す。肩のちび猿だけが、誰にも見えないまま、夜の風に毛並みを逆立てていた。
第1章・了
これにて一旦完結です。ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました。
良かった、悪かっただけでも良いので、評価をいただけると嬉しいです。
誤字や矛盾、その他感想(いい事でも悪い事でもOK)などもあれば更に嬉しいです。
では、次の作品もよろしくお願いします。
1話から見直しをして矛盾してたり、誤っているところなどを修正していこうと思います。
話の筋はイマイチだと思っても、基本的にいじらないようにします。




