Scene2. 妙なユメ
その夜。俺は夢を見た。4年前の姿をした俺だった。中学3年生だ。その夢は過去の記憶を辿ったような夢だった。長男の俺と3つ下の妹と両親の4人家族だったのだが、父の転勤の都合もあるが、俺と妹それぞれの通学する学校の関係で家族はバラバラで暮らす事になった。妹は俺と母が住んでいる家からは遠かったが、受験のあるちょっとエリートな中学校へ通う事になり、俺は妹が通う正反対の方角に位置する、現在妹自身の通っている私立へ通うことになった。そして妹は父と一緒に、俺は母と一緒に住んでいる。でも、時々お互いに会ったりしてるし、これといって困った事はない。俺が見た夢はちょうど引越し間際の話で、搬送用のトラックに荷物がどんどん積まれ、その横のマイカーの周りで4人は笑い合いながら喋っていた。俺も笑っていたけれど内心では何処か面白くなさそうにしていた。それは家族が離れ離れになるのが気に食わなかった訳ではなかった。妹も妹で顔は、目は、頬はしっかりと笑って明るい声を漏らしているけれど、時折一瞬だけそれが消えて何故か困った顔をしていた。腕組みをしては解いてを繰り返す母と能天気な父は相変わらず楽しそうにしていた。普通と言えば普通な夢なのに、何処か違和感があって居心地の悪いそんな夢だった。




