↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】意味がわかると怖いお話・解説付き  作者: 絢郷水沙


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
24/177

廃墟探検

 足を踏み入れば神隠しに遭うと噂の廃墟に、私を含めたオカルト研究会の五人は、夏休みの合宿として探検することになった。


 場所はF県のとある山の中にある古びた屋敷。私たちは都市部のホテルに一度宿泊し、レンタカーを借りて例の場所へと向かった。そして雰囲気が出るからと夕方になって例の廃墟に侵入、一通り捜索したのち、再びホテルに戻り、撮影会を開始したのだった。


 映像は、部長であるゴロウの姿が映っているところから始まっていた。「よし、いくぞ」とゴロウが先頭を切り、屋敷の中へと足を踏み入れていく。恐る恐る皆もそれに続いていった。入り口からすでに年季を感じさせるように、所々朽ちていた。皆それぞれ懐中電灯を持って各々あたりを照らしていく。歩くたびに埃が舞い、ライトに照らされた。そしてギシギシと床の軋む音を聞きながら、皆は奥へと進んでいく。そんな中、突如ガタッとまだ誰も行っていないはずの奥の部屋から物音が聞こえてきた。オカルト研一の美少女エミコが部長の腕にしがみつく。皆の動きがぴたりと固まった。誰も動こうとしない。皆が互いを見つめ合う。そんな中で、私は勇気を振り絞り、扉を開けようと一人動きだした。カメラはその後を追うように私の背中を映しだす。だがなんと、映し出されたその背中には、べたっと赤く血塗られた手の跡が張り付いていた。「うあぁっ!」部員の一人、タケルが悲鳴をあげる。カメラは振り返りタケルの姿を映しだす。腰を抜かしたタケルの腹には、私のと同じような赤い手形が張り付いていた。「おい、へんな冗談はやめろシンゴ!」部長の怒号に、カメラがシンゴに向けられると、シンゴは両手を真っ赤にしてヘラヘラと笑っていた。「へへへ、冗談だってジョークだよジョーク」赤い手形はシンゴの悪戯だった。血は本物ではなく、血糊だったのだ。暗闇の中で、降参するかのような手を上げるポーズのシンゴの姿が映る。しかしそれは通じなかった。タケルはシンゴの胸ぐらを掴み、怒鳴り始めた。画面の端で二人が喧嘩を始める。そこへすかさずゴロウが仲裁に入った。映像では、私とエミコがただ呆然としている姿が映し出され、その後すぐ「きゃっ!」とエミコが悲鳴を上げた。足元を照らすとネズミが一匹駆け抜けていった。


 映像はここで終わっていた。


 陰鬱とした雰囲気が漂う。事実、帰りの車中は気まずかった。エミコがなんとかして皆を盛り上げようとしていたが、それは徒労に終わっていた。


 しかしながら噂は噂でしかないようだった。映像にはしっかりと私たち五人の姿が映っていたのだから。


【解説】

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 五人で廃墟探索に行ったはずなのに、映像にはしっかりと五人の姿が映っていた。いったい誰が撮影していたのだろうか?

 噂の真相は、神隠しに遭った人間の存在とともに、周囲の人間の記憶からも消えてしまうと言うものだったのだ。

 ちなみに不審な物音の原因はネズミである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  記憶改竄系!  記憶はともかく、記録からも消すのは大変ですね(汗)  寿命三年いりますか?
[一言] 始めから五人と明記していますし、誰も減っていない。怖いのはオカ研にいた筈と解説者を錯覚させた動画を撮っていた紛れ込んだ何かですね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。