「第二次攻撃隊発艦準備せよ」
いよいよ一航艦による敵艦隊への攻撃が下令されます。
午前8:00 第二航空戦隊山口司令より 発光信号
「敵艦隊に向け第二次攻撃隊発艦準備せよ」
「各母艦ごとに発艦攻撃せよ」
第二次攻撃隊は加賀 飛龍 蒼龍から艦上攻撃機二六機 艦上爆撃機三六機に各母艦直援機をどれだけ攻撃隊に組み込めるかであった。
各空母とも空襲の合間を縫っての出撃準備となり発進準備中に被弾すれば大惨事となることは必至で、各艦長とも手空き乗組員総出で対空見張を増やして早期に敵機を発見回避することに全力を尽くすこととなった。またミッドウェイ島攻撃隊の帰還機にも戦闘機はもちろん、爆撃機にも艦隊直援を命じるとともに攻撃機にも来襲する敵機の早期発見を命じた。
この時一航艦上空には直援機が二三機いたが、燃料弾薬の補充に緊急着艦してくる中から第二次攻撃隊参加可能機を選定し機体点検後、燃料、弾薬を補充され攻撃隊に組み込まれていった。
発着艦不能な「赤城」の直援機はその他3隻の空母に着艦し同様に割り振られていく。
「飛龍」艦上では「攻撃隊発進準備いそげ」「攻撃隊発進準備いそげ」と艦内スピーカーが焦燥感をあおる様に繰り返している。
その喧噪の中、直援機の収容の合間を縫い爆弾の装着点検が終了し出撃準備が完了した機体が雷爆班兵器員によりリフトで飛行甲板に上げられ、艦橋横位から零戦隊、九九式艦爆隊の順で並べられ機付き整備員による最終点検と試運転が始まった。
この間も敵空襲は断続的に続いており、先程のB17と入れ替わる様にSB2Uビンディケーター十一機とSBD2ドーントレス十六機が来襲した。このうちSBD2ドーントレス十六機はヘンダーソン大尉に率いられた海兵隊航空隊で今回ミッドウェー島に急遽増強された部隊であったが
18名の正規操縦士のうち13名が飛行学校を卒業したばかりのひよっこ達であった。
日本側で最初にこの編隊に気が付いたのは、第一次攻撃隊帰投機の赤城制空隊であった。
隊長の白根大尉は遠方から味方艦隊がミズスマシの様にバラバラに転舵を繰り返しその周りに水柱を認めると、先ほどまでの疲労がいっぺんに吹っ飛び戦闘態勢に入った。
そしてヘンダーソン隊を見つけると味方空母への急降下に入る前に撃墜しなくてはと一気に増速して距離を詰め襲い掛った。
ここで非常に心強かったのが機銃の残弾数であった、彼らの装備機は零戦二一甲型でありミッドウェー島上空での戦闘後でも各機500-600発の残弾があり有効な防空戦を展開した。
他隊の二一型装備機の多くは20㎜機銃をほとんど撃ち尽くして帰投しており、
防弾装甲を施された敵艦攻、艦爆相手に機首の7.7㎜機銃で戦わねばならず弾さえあればと、
味方の母艦に向け攻撃体制に入る敵機をただ見送るしかなく非常に悔しい思いをしたと語っている。




