05
「何処までと言われましても、あの家は人がすぐ行方不明になる家ってことで譲り受けてまして。その時残されてた手記に、インターホンのことが書いてあったんですよ。見ます? その手記」
「いや、面倒だ。内容を教えてくれ」
「ご存知の通り、夜中にインターホンが鳴り、知らない人が立っているというものでした。手記の方はインターホンには出なかったようでしたので、インターホンに出るとどうなるのか検証して貰おうかと」
俺は大きくため息を吐く。
「じゃあ、インターホンに出なきゃ良いのか? 今起きてるのはなんなんだ。俺はどうすれば良い」
「いえ、実は貴方の前にも一人、依頼をしてまして。その方にはインターホンに出ないようにお伝えしたのですが、ひと月で行方不明に……」
「ただバックれただけじゃないのか」
「いえ、あの家の周囲には監視カメラがありますが、
外出の記録はありませんでした」
俺はその場にしゃがみ、頭を抱えてため息を大きく吐いた。
「じゃあ、どうすりゃ良いんだよ。いっそ家を出れば平気か?」
「まぁ、可能性としてはそれが一番かと。契約はここで終わりにしましょうか」
「あぁ、悪いがそうしてくれ」
俺は中洲座と別れると、そのままあの家には帰らず、自宅へと帰った。




