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初めてのパーティ
勇者としての正式な任務が始まり、ユウトにはパーティが与えられた。前衛を務める騎士二名、回復役のミリア。そして中心に立つのは当然、勇者であるユウトだ。
出発前、騎士団長が慎重な口調で言う。
「勇者様。いかに強大な力をお持ちでも、連携は重要です。どうか仲間との呼吸を――」
「いや、それ必要あります?」
思わず口をついて出た言葉に、その場の空気がわずかに止まる。
ユウト自身も、少し言い過ぎたかと思ったが、すぐに考えを打ち消した。
(だって実際、俺一人で足りてるしな)
森へ入ってすぐ、魔物の群れが現れる。騎士たちが構えるより早く、ユウトは前へ出た。
「――《フレアバースト》」
爆ぜる炎が視界を埋め尽くし、次の瞬間にはすべてが消えていた。
「……終わり」
振り返ると、騎士たちは剣を構えたまま固まっている。ミリアもまた、何か言いかけて口を閉じた。
「ほら、必要なかったでしょ?」
軽く笑って言うと、誰も否定しなかった。
だがそれは、同意ではなく――言葉を失っていただけだった。




