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王都
情報が入る。
あの魔族の男――幹部級の存在が、大規模な侵攻を開始した。
狙いは王都。
「……来るな」
ユウトは静かに呟く。
逃げる選択肢はなかった。
あの時の決着を、つける時が来た。
カレンが笑う。
「いいじゃねえか」
リナは強く頷く。
ミリアは祈るように目を閉じる。
セレナはただ、ユウトを見る。
「あなたは、どう戦うの」
その問いに、ユウトは答える。
「全員で、止める」
迷いはなかった。
王都に戻った時、空気は張り詰めていた。
そして――王女との再会。
「……戻ってきたのですね」
静かな声。
かつてのような歓迎はない。
だが、拒絶もない。
ユウトは真っ直ぐに答える。
「ああ。今度は、やれる」
その言葉に、王女は目を細める。
「信じても、よろしいのですか」
一瞬の沈黙。
そしてユウトは言う。
「今度は、裏切らない」
それだけで十分だった。




