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セレナ
セレナを加えた戦闘は、明らかに異質だった。
個としての能力は高い。だが連携を知らない。
「そこ、無駄」
冷たく言い放ち、単独で敵を切り裂く。
だがその動きは、逆に全体のバランスを崩す。
「勝てばいいでしょ」
その価値観。
かつての自分を見ているようで、ユウトは眉をひそめる。
「違う」
短く否定する。
「全員で勝つんだ」
セレナは理解できないという顔をする。
だが――それが、この旅の核心だった。
ある戦闘で、セレナは初めて躊躇した。
リナが危険な位置にいた時だ。
助ければ、自分の攻撃が遅れる。
一瞬の判断。
その間に、ユウトが割り込む。
「遅い」
軽く言いながら、攻撃を防ぐ。
セレナは何も言わなかった。
だがその目は、確かに変わり始めていた。
(……なんで、あんな動きができるの)
理解できないまま、興味だけが強くなっていく。




