連携
数合打ち合った後、ユウトは剣を下ろした。
「……負けだ」
あっさりとした宣言に、カレンが目を細める。
「随分素直だな」
「事実だからな」
息を整えながら答えるユウト。
悔しさはある。だが、それ以上に理解していた。
(今の俺じゃ届かない)
その潔さに、カレンは興味を持つ。
「いい目をしている。前に会った勇者とは違うな」
その言葉に、ユウトは苦笑した。
「別人みたいなもんだよ」
しばしの沈黙の後、カレンが言う。
「しばらく同行してやる。退屈しなさそうだ」
こうして、三人目の仲間が加わった。
三人での戦闘は、決して順調ではなかった。
カレンは単独で突っ込み、リナはそれに合わせきれず、ユウトは間を取り持つ形になる。
「遅い」
「速すぎるんです!」
ぶつかる二人。
ユウトは間に入る。
「落ち着け、役割決めよう」
かつての自分なら言わなかった言葉だった。
試行錯誤の末、少しずつ形が見えてくる。
ユウトが中核、カレンが前線、リナが支援。
完全ではない。だが――
(前より、いい)
確かな手応えがあった。
数日後、連携は明らかに向上していた。
カレンの突撃に合わせ、ユウトが敵の動きを制限する。リナが的確に支援する。
「右、来るぞ!」
ユウトの声に、カレンが即座に反応する。
一撃で仕留める。
「悪くない」
短く評価するカレン。
リナも笑う。
「はい!」
その光景を見て、ユウトは思う。
(こういうのが、パーティなんだな)
初めて理解した感覚だった。




