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その後、伊織さんと正式にお付き合いすることになった。

伊織さんは、大学受験で忙しいのに、息抜きと称して会ってくれたり、会えなかったら電話してくれたり。

順調に交際を続けている。





「…あ、優樹!」

「っ、は、ると…と、友哉…」





冬休みも終わり、3年生は受験真っ只中の1月。

伊織さんももうすぐ受験が迫っていて、学校に来るよりも予備校に通うことが多くなってて、学校で会うことが少なくなってきた。

そんな今日も、伊織さんは予備校で、僕は学校。

今日はこの後バイトがあるから、急いでたところに、晴人と友哉が現れた。





「な、に?」

「なにってなに?」

「ぇ、?」

「ずーっと僕たちのこと無視しといてさぁ、なに?ってなくない?」

「そっ、れは…」

「晴人、言い方」

「だってさぁ!」





晴人って、こんな喋り方だったっけ?

ああ、そうだ。

昔から、自分に不利になると癇癪を起こしてたっけ。

自分の思い通りにならないと怒る。自分が中心にいないと怒る。そんな子だった。





「っ、僕バイトあるからもう行くね」

「待ってよ!話終わってない!」

「…っ、いたっ」





正直、2人とは会いたくないし、話したくもないから早くこの場から逃げたくて。

バイトがあるのは本当だから、それを言い訳に逃げようと思ったのに、強い力で腕を掴まれて阻止された。





「ねぇ。なんで避けてるの?」

「………」

「僕が友哉と付き合ってるから?」

「っ!」

「だから避けてるの?」

「……っ」

「ねぇ、答えてよ」

「晴人!」

「友哉は黙ってて!」





な、に…これ。心臓、痛い。

あ、れ…上手く息、できない…。





「僕知ってるよ?優樹が友哉のこと好きなの」

「………」

「そりゃ、友哉と付き合ったのは悪いと思ってるよ?でもさ、仕方ないじゃん。僕も友哉もお互いが好きなんだからさ」

「っ………」

「それなのに、勝手に距離置いてさ」

「………」





わかってる…わかってるよ、お互いが好き合ってるのなんか。

でも、今の僕にはもう関係ないんだよ。

僕が2人を避けてるのは、ただ単にもう関わりたくないからなんだよ。

晴人も友哉も、僕が友哉を好きだったこと知ってるのも、気づいてたよ。

それでも付き合ったのはのは2人じゃん。

それなのに、なんで僕が悪いように言われないといけないの。

距離を置くように仕向けたのは、2人じゃんか。





「……ってたよ」

「え?」

「知ってたよ…2人が僕の気持ちに気づいてることくらい」

「………」

「それなのに付き合ったのは、2人じゃん」

「………」

「だったら、距離置くしかないじゃん」

「………」

「なのに、っなのになんで僕が責められないといけないの?!」

「優樹、」

「2人を避けてた理由?そんなの、もう関わりたくないからに決まってんじゃん!」

「っ、」

「これ以上僕を惨めにさせないでよ!!僕はっ!!…僕は、2人のおもちゃじゃないんだよ…っ」

「っ…、」

「もう…僕に関わらないで…」

「優樹、」

「…っ、さようなら」

「優樹っ!!」





苦しい。苦しい。つらい。悲しい。

友達だった。幼馴染だった。一番仲良かったんだ、2人とは。

きっと、ずっと友達だと思ってた。

僕が友哉を好きにならなければ。

きっと今でも友達だった。

2人が付き合うのも、祝福出来てた。

ああ…そうか…僕が好きになったのがいけなかったんだ。そっか…好きになんか、ならなければ良かったんだ…。

2人に当たり散らして、そういう原因作ったのは、僕じゃないか…自業自得だ。





「っ、はは…、馬鹿みたいだ…っ」





苦しい。つらい。悲しい。

伊織さん。伊織さんに会いたい。伊織さん。





「いおり、さん…っ」




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