第43話
俺は勢い良く扉を開けた。中は静まり返っていた。ひっそりとし、誰も居ないかのように……。だが、居た。リーナは居た。天井を見上げながらリーナはベッドに腰掛けていた。
リーナ……。
リーナの身体がビクッと震える。天井を見上げていた顔が徐々にこちらを向く。
……遅歩……様……?
反応があった。この街に住む人たちは誰も俺に対して反応を示さなかったが、リーナだけが俺に対して反応を示した。その理由は分からないが、これでこの街に何があったのか知ることが出来る。そう思っていると、リーナが口を開く。
遅歩様……遅歩様…………遅歩……様ぁぁぁぁ~~~~…………っ。
リーナは大声で泣きながら俺の元へと駆けてきた。大粒の涙を止めどなく流し続け、俺の胸の中で泣き続けた。俺はリーナの背中に手を回し、彼女の小さな身体を優しく抱きしめた。
俺は彼女のこの感情の原因を正確に理解することが出来なかった。俺が居なくて寂しかったのか。エリスが居なくて耐えられなかったのか。はたまた、悪魔たちによる謎の行動によりリーナ以外の住人が無気力状態になってしまったことを嘆いているのか。俺は彼女の頭を撫でながらこう言った。
辛い思いをさせて……ごめんな……。ただいま。もう……離さないから。
1分間の読書、ありがとうございました。
また明日の18時に会えることを願っています。




