第44話
リーナの元へと帰ってきた晩は、二人同じベッドに寝た。すっかり子供になってしまったリーナは、一時も俺から離れたくないとのことだったため、一緒に寝たのだ。あまりに本気で泣いていたため、俺は緊張する暇もなく、リーナが寝るまで彼女の背中を撫で続けていた。
翌日。赤い顔をしたリーナからこの街で起きたことをようやく訊くことが出来た。俺がいない間にこの街では魔力災害とでも言うような大事件が起きたそうだ。その発生源は悪魔たちが占拠している王宮。魔力災害が起きる際、リーナは強力な魔力波動を感知したため、強力な結界を張って難を逃れることが出来たそうだ。魔力災害は悪魔たちによる何らかの魔法だというリーナの見解で、リーナ自身も、何故魔力災害で住人たちが意識のないような無気力状態になったのかは詳しく分からないらしい。
まぁ答えは何となく分かる……。
「え? 遅歩様はこの街に住む方々の現状の原因が分かるのですか?」
ほらっ、リーナも感じないか? 空気中に本来あるはずの魔力がないじゃないか。王都一帯から完全に魔力がなくなったんだよ。
「空気中の魔力ですか? 魔力とは体内で作られるものではなかったのですか?」
はい?
リーナは空気中の魔力素とでも言うべき存在を感じることは出来なかったそうだ。そもそもそんな存在を知らなかったという。たしかに、俺も精霊の森で修行する前には魔力素なんて感知できなかった。俺は改めて己の実力の向上を感じた。
1分間の読書、ありがとうございました。
また明日の18時に会えることを願っています。




