第26話
街の医師に見てもらった所、当然のような顔をしながらある病名を宣告された。
「これは見て分かるように魔力欠乏症でしょうね」
魔力欠乏症。それは魔力の使用量に対して、体内で生成される魔力量が追い付いていない状態、体内に残っている魔力量が極端に少ない状態の病気だ。
魔力欠乏症って……、エリスは夜にでも魔法を使ってたのか?
「そんなはずは……」
リーナに訊いてみても曖昧な返答しかなかった。
「いえ、今この街では魔力欠乏症は当たり前の症状なのです」
「え?」
はぁ?
医師が言うには、現在この街は魔力吸収結界に覆われているそうだ。
「何故にそのような結界がっ!?」
医師からこの街の現状を聞かされる。どうやらこの街――ジザス国という国の王都だったらしい――は魔王に占領されてしまったという。魔王の支配下に陥ってしまったこの街は、反乱勢力が出てこないように、先の結界が張られるようになったのだとか。
だからこの街には違和感があったのか。この街に来てから、魔道具での生活は見られたが、魔法を使った生活が見られなかったのだ。
「でしたら私たちは何故……」
「それはお嬢ちゃん、魔力生成速度が結界の吸収量を上回っているからだよ」
魔王を倒しに来た俺たちは、本当に魔王を倒すことの出来る唯一の存在だったのかもしれない。
1分間の読書、ありがとうございました。
また明日の18時に会えることを願っています。




