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第19話

 エリスを背負った俺は、大混乱の戦場に紛れて待機場所の天幕目指して走り続けている。さっき空を飛んでいった男が本当に悪魔で、そして天幕内にいたあの無口の男だとしたら……。俺は最悪の状況を予想しながら走り続けた。



 はぁっはぁっはぁっ。

 待機場所は惨劇。味方同士で殺し合い、同じ人間を……。まるで悪魔だ。俺はオウガ将軍がいるはずの天幕内へと突撃した。中にいたのは……いや、あったのは男女の死体だった。



「んっ……」

 エリス?

 背中からエリスの声がわずかに聞こえる。俺は背中に乗るエリスの体を強く揺さぶる。

「ん……風間、か?」

 ようやく目を覚ましたエリス。目を覚ますと同時に彼女の視界にはオウガ将軍たちの死体が入る。

「オウガ将軍!」



 それから俺たちは懸命に国への帰還を果たそうと、必至に地を駆けた。道中何匹もの魔物に襲われたがエリスの魔法で瞬殺だった。しかし、エリスが言うにはこれほどの数の魔物が、街道まで出てくるのはほとんどありえないことだそうだ。何かが起きている。俺とエリスはそう感じていた。三日三晩走り続けてヨイツ帝国の中心都市に辿り着いた時に俺たちが見たものは、逃げ惑う住民たちと暴れる傭兵たち。そして燃える王宮だった。


1分間の読書、ありがとうございました。

また明日の18時に会えることを願っています。

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