第18話
土や岩が降り注ぐ中、俺は分解魔法を行使し続けた。エリスは気を失っていた。悪魔に吹き飛ばされたことで壁にぶつかり頭を打ったようだ。エリスを抱きかかえた俺は頭上に降り注ぐ土岩に分解魔法をかける。
消えろぉ――っ!
土や岩の雨が鎮まり、辺りの土煙が晴れていく。俺の腕の中には暖かく柔らかい存在が抱きかかえられている。
……生きてた。
無我夢中で分解魔法を行使して、俺は激しい頭痛と気持ち悪さを覚えていた。魔力の使い過ぎたのだ。俺は力の入らない体に鞭を打ってエリスを背負い、外を目指して歩き続けた。
外からの明かりを頼りに、近くにあった穴から顔を出すと、そこは戦場のど真ん中だった。剣戟、魔法。幾つもの戦闘音が飛び交っていた。
何なんだよ、これ……。
目の前の光景は、はっきり言って戦争なんてものには見えなかった。ただの乱闘だ。敵味方関係なく攻撃しあっていた。
ふと頭上を見上げると、空に一人の人間が浮かんでいた。よく見るとそいつは、オウガ将軍がいた天幕内で、唯一口を開かなかった男だ。最初に見た時は普通の人間だったが、今は背にデスと同じ黒い翼が生えていた。
悪魔……。
そう呟いた俺の声が聞こえるわけがないのに、奴は俺をちらりと確かに一瞥し、空の彼方へと消えていった。
1分間の読書、ありがとうございました。
また明日の18時に会えることを願っています。




