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新米魔法使いの生きる道 その2  作者: GANON


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6/10

アーマーナイトと・・・

「ヨアンナおつかれ~。怪我はない?」

「ああ、全然平気だ」

「じゃあアタシも魔力補給する~」


 アイフェもさっきの私と同じように魔力補給剤をグイッと飲み干した。

 空き瓶を腰のポーチに戻して、4人揃って次のドアを開けた。


「この1体だけとは思えないんだよね。簡単すぎる。たぶん金のタマゴを守っているやつはもう1体別にいるはず」


 先頭きって、動き出したアーマーナイトと切り結び始めたヨアンナ。

 この競技は金のタマゴを取ってしまえば競技は終了だ。

 もちろんそれを知っているミナが箱を開けようと、ヨアンナとアーマーナイトから大回りして箱に向かった。


「これだ! そこの観客席が幻影! ここに何かいるはず! ミナ!」


 箱を開けようと進んだミナの右側。アイフェが叫んで注意した。

 先ほどの部屋より不自然に2列分増えている観客席。

 よく見ると、仕切りがされていて、本当の観客席に干渉しないようになっている。


「シャドウだ! 弱気にならないで! 気持ちで負けたらおしまいだよ!」


 近寄ったミナに反応したらしく、真っ黒な分厚い人影のような物体が飛び出てきた。

 一番近くにいたミナが短剣を振り回し、攻撃が当たる。


「手ごたえ薄い! 全然効かないかも!」

「クソ! 今回あたいたちの攻撃は全部対策されてる! 2人が頼りだよ!」


 聴力がありそうな見た目ではないので意味があるのかはわからないが、アーマーナイトを左手の丸盾を剣で鳴らして注意を引くヨアンナ。


「アイフェ! 私たちにできることは?」

「はいはい、全部アタシに頼るのはダメ。シャドウを倒してきなレイチェル」

「どうやって!?」


 行って来いと言わんばかりにアイフェに背中をパァンと叩かれ、送り出される。

 アーマーナイトの剣の届かない側面を通り、シャドウと対面しているミナの後ろで援護にまわる。


「レイチェル、コイツに勝てる気がしないよ・・・・・・」


 振り向いたミナの顔から血の気が引いている。


「ミナ、危ないからちゃんと敵を見て!」


 私も、このシャドウとかいうやつと見合っていると不安な気持ちが湧いてくる気がする。


(ここで負けたらどうなるの? アーマーナイトに殺される? シャドウに体を乗っ取られる?)


 どんどんとネガティブな感情に支配されそうだ。

 目の前に火線が走る。

 アイフェが炎の石をスリングで、私の目線を切るように打っていた。

 ハッと我に返った私は、対策を思いつく。


「ミナ、アイツの動きは鈍い! 目を瞑っててもあなたなら躱せる! 私が指示するからそこに攻撃して!」

「うん・・・・・・」


 ミナは目を瞑ったようだ。


「だいぶマシだよレイチェル。うん、いける!」


 杖から魔力を与える。

 まず一つ。最近教わった魔法。


「この者の剣に魔法の力を!」


 これでミナの短剣2本が、魔法生物へ物理的に干渉が可能になった。実体のなさそうなシャドウに対して攻撃も防御もできるようになる。


「レイチェル!」

「何、アイフェ!?」

「両肩に魔力の塊のようなものが見えるよ! そこが弱点だ!」


 アイフェの目が虹色に輝いていた。

 おそらく、魔力探知の魔法を使っているのだろう。


「ミナ、シャドウの肩を狙って!」

「うん!」

「この者に強い心を与えよ!」


 目を開いたミナにもう一つ魔法をかけた。

 これでミナへの精神汚染が軽減できる。

 自分自身にもかけて、シャドウの様子を見る。

 ミナはシャドウのひっかくような攻撃を華麗にかわして、肩に短剣をさし込んだ。

 シャドウは少しひるんだように見えたが、全然効いていないのか、またすぐに攻撃をしてくる。


「どこかに魔力の供給源が隠されてる! それを絶たないと倒し切れない!」


 アイフェの叫びが響く。

 2体の魔物は不自然に右肩だけが少し下がっている。何かに引っ張られているように。


「これだぁぁぁ!!」


 それは左の壁の魔光石に似せて隠されていた。少し明かりが揺らめいて見えたのだった。

 私は緑に輝く、その大玉を杖で殴って叩き落した。すると床にぶつかりガチャンと割れた。

 シャドウの姿が掻き消える。

 同時に、アーマーナイトが動きをやめ、ガラガラと崩れ落ちた。


「よし! あとはこれで・・・・・・クリアだっ!!」


 ヨアンナが箱から金のタマゴを取り出し、観客たちに見えるように空につきだす。


『おめでとう! 記録は16分44秒でした! 入口から外に戻って控室で休憩してください!』


「アイフェ~、めちゃくちゃ助かったよ~」

「レイチェルだって、ヨアンナもミナもいなきゃこの結果にはならなかったよ」

「ウチ、なんもしてなくない?」

「そんなことないさ。あたいだって―」


 訓練場から徒歩3分のところにある控室で感想の言い合いが始まった。

 ヨアンナは緊張感もなく寝初め、昼食の時間が終わり、14時になって、部屋に係の人が呼びに来て、訓練場前で結果発表がされた。


『ヨアンナチーム、16分44秒で2位!』


「お、思ったよりよかったねぇ」

「2位だって! やったじゃん!」

「お、今日は美味いもん食っていっぱい呑もう! 宴じゃ宴!」


 今回は7チームが出場していて、私たちは2位。

 残念ながら1位ではなかったが、十分すぎる結果だった。


『プリスマチーム、10分12秒。あんたらが1位だ!』


 3位以内のチーム代表が表彰台へと招かれ、賞金が授与された。

 私たちのへ賞金は6000ゴールド。1位は一万ゴールドだった。ちなみに3位は3000。4位以下の参加賞は500ゴールド。

 夕方からヨアンナの音頭でヤプン式だという宴が始まり、飲んで騒いで2位を祝ったのであった。


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