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新米魔法使いの生きる道 その2  作者: GANON


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2/10

蜂蜜とり

「いつもここに依頼させて貰ってる。僕はデイビス」

「リーダーのヨアンナだ」


 ギルドの会議室へ着くと依頼主の男の人がソファーに座って待っていた。

 それぞれ自己紹介をして、今回の依頼詳細を聞く。


「贔屓にしていたパーティがちょうど居ないようなので、試しに君たちを雇ってみるよ」


 依頼は私たちが選ぶことも、依頼主が指名することもある。

 ギルドで待機している=手が空いているということになるので、大体パーティの誰かが待機しているのだ。

 今回の報酬金は1人あたり1000ゴールド。

 現地までの馬車代金は依頼主持ちとのことだ。


「依頼の内容はハニーハント。蜂蜜採りさ」

「場所はどのあたりですか?」

「森か山の中の崖下とかかな? もし探しきって、巣が無くても報酬は支払うよ」


 保障してくれるのはありがたい。


「僕が取りに行くのはキラービーの蜂蜜だから、少々危険もあるんでね」

「キラービー、ですか・・・・・・解毒薬は?」

「僕の分は持っていくから、君たちの分は必要そうなら用意して」

「わかりました」


 ヨアンナから大丈夫か? という目配せがみんなへとされる。

 私たちは軽く頷いて了承の合図を送った。


「・・・・・・では、それでお受けしましょう」

「巣から追い払う薬草はこちらで用意するから。君たちは行き帰りの道中、荷物持ちと護衛をしてほしい」


 引き受けることで決まった。

 とんとん拍子で受けた依頼だったが、私にはわからないことがあった。


「ねぇアイフェ?」

「何?」

「蜂蜜ってどうやって採るの?」


 蜂蜜はわかるけど、どうやって採るのかわかっていなかった。

 なので物知りなアイフェに聞いたのだった。


「蜂、はわかるでしょ? 黄色と黒のシマシマの虫。お尻に針がついてて、春とか夏に草原とか野山で見るやつ」

「それはわかるよ。私、田舎で刺されたりしたもの」

「刺されるとすっごく痛いよね。それで、普通は養蜂っていって木箱に蜂の巣を管理して採るの」


 つまり卵を採る鶏と同じで飼育する感じらしい。


「鶏の卵とかと一緒だよ。巣に蜂蜜ができるから、それをいただくわけ。今回の依頼は、たぶん高級品を入手するんだと思う」

「高級品?」

「普通の蜂蜜はヒールポーションに混ぜたりするくらい安く買えるの。大体1瓶50ゴールドくらい」


 50ゴールドでも安くはないと思う。


「高いと思った? でも採るときに刺されたら痛いのを考えたら安いくらいだけど」

「確かに。それでなんでポーションに混ぜるの?」

「原理は知らないけど、高級品を使うと傷の治りがさらによくなるらしいよ」

「へぇ~」

「味も違うんじゃない? アタシはそこまでこだわって味見したことないからわかんない」


 私たちは蜂用の解毒剤、飲むタイプとすりこむタイプのやつ、をいくつか買い、準備完了。

 荷物の入った大き目のバッグを背負い、馬車乗り場へ移動。

 依頼人のデイビスとともに馬車へ乗り込み出発した。


「デイビスさんはずっと蜂蜜取りを?」

「そうだね。10年くらい。街の外に出て、蜂蜜を取ってる」

「儲かるんですか?」

「まあ、危険に対しては少ないくらいかな。でも必要としてるところは多いし、食うに困らない」


 馬車で4時間ほどかけて、目的の山林へたどり着いた。

 まずはベースとなる簡易テントを張った。


「ほいほい。これでよし」


 3つのテントを設営し、寝る場所を決める。

 ついでに私は動きやすいようにローブから厚手のシャツ、短いズボンに着替えた。

 馬車に積んでいた、蜂蜜濾し機というものを下ろす。

 バラバラのパーツからデイビスが組み立て、使えるようになった。

 念のため雨よけをかぶせておく。


「巣はどこにあるとか目星はついてるんですか?」

「大体は窪みのある崖、雨よけになるところ。あとは土の中かな」


 馬車をいったん街へ返す。待機している時間もお金がかかるからだ。

 翌日の朝に2頭分追加して、空き瓶を積んだ荷馬車を連れてくるように頼んでいた。


「ひとまず蜂を見つけないとだめだ。1匹見つかればそこから巣に誘導させる」


 少々の荷物を持って森林の中を5人で歩き回ること30分。


「いたいた。こいつに印をつける」


 水たまりの近くを飛んでいたキラービーと呼ばれる蜂は、小指の関節2つほどの大きさだ。

 蜂は何かの縄張りを主張するかのように同じ場所をブンブン飛び回っている。

 デイビスは持っていた松明に火を着ける。

 松明に追加で何かの草が巻いてあった。

 煙を焚いて、キラービーを弱らせていく。

 動きが遅くなったところを虫網でとらえて赤い糸をキラービーの脚に括りつけた。

 そうしたあとに蜂を解放し、私たちはそのあとを追った。


「巣がデカいな。こりゃあ相当な量が採れるぞ」


 キラービーの戻っていった場所を見ると、大きな巣があった。


「え? これ?」


 私は、蜂の大きさからは考えられない巣の大きさに驚いた。

 せいぜい100匹くらいからなる巣だと思っていたのだ。


「千匹はいるんじゃないか? 特大も特大だ」


 人間2人分くらいの大きな巣。

 それが崖の下にくっついていた。



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