進化の加護⑵
俺達は、植物が安全かどうかなどと言う知識が丸で無い。採取した植物が万が一毒を有していたら、大変なことになる。
(俺達に、食べ物の安全性を見極められるスキルを下さい。)
[スキル(食物判定レベル1)を獲得しました。これにより、安全レベル1(食べても死なないが、体調不良になる可能性がある)の食物を見分けることが出来る様になりました。]
「え~!完全に安全な食物判定出来ないんかい!」
俺はステイタスボードの説明に、突っ込みを入れていた。
「加寿にぃ!どうしたの?」
「いや~!莉沙!ステイタスボードの安全レベル1の説明がさ~!食べても死なないが、体調不良になる可能性があるって、これ安全って言えないだろう?」
「え~!やだ~!可笑しい!これって、ステイタスボードのブラックジョーク的なもの?」
「あの~!ステイタスボードさん!食物判定レベル1のスキルって、使えない奴レベルですが~。」
[食物判定スキルは、食物を摂取する事で経験値が上がります。現在居る森には、少量の植物しか生息しておらず、生命維持を優先するには、多少の毒を有した植物でも摂取する必要性が有ると判断されます。サティウスでの生活経験が無い場合には、スキルの初期獲得レベルは1からとなります。]
(ならば、毒を有した食物を摂取した時に対応出来るスキルをお願いします。)
[スキル(解毒レベル1)を獲得しました。これにより、レベル1の毒を自動中和すると同時に(毒耐性レベル1)を獲得する事がでします。]
(やれやれ!つまり、俺達は、サティウスで色んな経験を積んで行かないと、安全で快適な生活が手に入れられないと言う事だな!でも、それって、考えようによっては、経験次第では、どんどん安全で快適な生活が可能になるってことだよな!)
よくよく考えてみたら、俺達はサティウスに来たばかりで、ここでは生まれたての赤ん坊みたいなものだった。
(他に当面必要そうなスキルは何かな?)
[スキル(治癒レベル1)を獲得しました。これにより、小さい怪我は自動治癒されます。]
[スキル(物理防御レベル1)を獲得しました。これにより、物理攻撃レベル1が自動防御されます。]
[スキル(点火レベル1)を獲得しました。これにより、低火力の火を付けることが出来るように成りました。]
[スキル(給水レベル1)を獲得しました。これにより、両手いっぱいの水が入手出来るように成りました。]
俺と莉沙は、サバイバル生活に必要そうなスキルを次々と獲得していった。
取り敢えず、進化の加護で必要なスキルが入手出来る事が判っただけでも、俺達の未来は明るく、サティウスでの人生を比較的楽に切り開ける気になった。
まあ、人生そう甘くは無いと思うけれど……。
生きて行くのに必要な最低限のモノ、衣食住関連スキルは何故か俺も莉沙も比較的楽に獲得出来た。
しかし、格闘関連のスキルに関しては、どうも苦戦している。経験値や知識量の問題なのか?上手くイメージ出来ない。
浄化、光合成、隠密、照明、錬金術、防壁、念力、浮遊、弾丸
まあ、手当たり次第チャレンジして、獲得出来ても出来なくても経験を積んで行かないとな!
「加寿にぃ!シルバーが、何か見つけたみたいなんだ。」
『シルバー!念写転送してくれ!』
シルバーは、尻尾をバタつかせながら、俺に見つけたモノを伝えてきた。これは???小動物か!?
『シルバー!捕まえられるか?』
「ガゥ!」
(今のはイエスのこと?まだ、シルバーと意志疎通を良くするのには、時間が必要そうだな。)
暫くすると、シルバーがイタチの様な獣を咥えて戻って来た。
「莉沙!シルバーと一緒に小枝を拾って来てくれないか?」
「解った。」
「俺は、こいつを捌けるスキルと調理スキルも手に入れられないか試してみる。」
「加寿にぃなら、やれるよ!宜しくお願いね!」
そう言うと、莉沙はウインクしてシルバーと出かけて行った。
(莉沙は、本当に俺を気持ち良く頑張らせる天才だな!)
「さて、進化の加護よ!我にスキルを!」
一人になって、少し寂しいので、俺は敢えて声に出してスキル獲得を願ってみた。
あれっ?変化が無い。どうしたの?お~い!ステイタスボードさ~ん!暫くして、ステイタスボードから答えが返ってきた。
『解体スキルを獲得するには、ナイフ又はそれに代用出来る道具を用意して下さい。』
(そうか!守護神様もスキルによっては、直ぐに獲得出来なかったり、獲得するのに条件が付くスキルがあるような事を言っていたような……。)
俺は解体スキル獲得の為、ナイフの代用品をどうするか考えた。森の中にナイフ類があるとは思えない。代用出来るとすれば、鋭利な石かな?探すこと数分、見つけた石を手にして、再度解体スキルの獲得を試みた。
『スキル(解体レベル1)を獲得しました。これにより、小動物の解体が可能になりました。』
(やった!早速、莉沙が戻って来る前に解体するぞ!)
俺は、莉沙に良いところを見せようと、急いで小動物の解体を始めた。皮、肉、内臓、爪、牙。小動物の解体は、初めてなのに、スキルのお陰でスムーズにこなせた。
(次は調理だけれど、調理器具も無いし、調味料も無いからな~!流石に生で食べる訳にはいかないし、焼くしかないかな?でも、バーベキューとかしたこと無いし、どうするか?)
『調理スキルって、獲得出来るかな?』
[スキル(調理レベル1)を獲得しました。これにより、焼き加減の調整知識を入手しました。]
(やった!よし!これで肉が食べられるぞ!)
「加寿にぃ!小枝と枯れ葉拾ってきたよ。」
よいタイミングで、莉沙とシルバーが戻って来た。




