1-3-4:1対3の最初の模擬戦③
「案の定一人突っ込んできたか。それにしても加速に任せての突撃か…」
(猪みたいだな)、と思いつつアシュレイは自分目掛けて突っ込んでくるカルテットに対して両手を下げたままの状態、つまり魔導器を構える事無かった。
目前まで突撃して来たカルテットは「行くぜぇ――」と此方を睨みつつ叫ぶ。
(攻撃時に叫んだり、殺気や怒気を隠さず向かうなんて無駄な事をする奴だ…)
突撃の勢いのままカルテットの繰り出す“魔槍突き”をアシュレイは直前まで見極める。
直線的過ぎる攻撃にアシュレイはその直前にヒョイと体を横にし突き出される魔槍を回避した。
簡単と言うか鮮やかに無駄のない動きで躱されたカルテットは動揺しつつ勢いのままアシュレイを素通りしブレーキを掛ける。
カルテットが此方に体を向け直す。
「くっ!?」
「どうした?もう終わりか?お前の実力はこれで終いか?あんな直線的な単調なもんが効くと思ったのか?」
「このっ、そんなわけあるか!まだまだこれからだぁ!」
わざと挑発的に言ったアシュレイの誘い。
激昂しつつカルテットはその誘いに乗せられた攻撃を再開する。
カルテットの繰り出す”魔槍技”。
それらのカルテットの攻撃をアシュレイはただただ手を出すことなく躱していく。
カルテットの実力を観察し測り分析していく。
その間、アシュレイが両手の魔導器を向ける事はなかった。




