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1-3-2:1対3の最初の模擬戦①


準備を終え空に上がった初音、レスター、ミツキ。

その3人からはぎこちなさがアシュレイにはっきり伝わっていた。


アシュレイの教導官としての目標となるのは小隊として機能させる事と、各自の魔法能力を伸ばす事。


しかしながらこの今の3人からの雰囲気から小隊としての機能はしないと諦めた。


(原因はカルテットだよな。まったく。初音とトリニティはまずまずだな。まあ初音なら問題ないだろう。ただまずは…)


まずは各自の戦力分析に集中することにした。

初音、レスター、ミツキの学院から受けったそれぞれの情報。

その情報の7割は無視している。

与えられた情報にはその殆どが把握されていない部分が多く、正直使い物にならないとアシュレイは考えている。

だから自分の目で見たものを信じる事にしているのだ。

故に最初の教導は『各自の戦力分析』を重視する事にした。

本来なら『各自の戦力分析』に加えて『小隊としての連携能力』も確認したかったが、今の状態ではまず連携機能はしないだろうと見切りを早々に付けた。


「これから行うのは5分間のワンONスリーだ。無論俺一人に対してお前達は3人だ。何か質問はあるか」

「はい。先生、どうして5分間なのでしょうか?」

「なぜ5分間か、その理由はこの空域での演習時間が10分程しか取れなかったからだ」


魔導学院には多くの小隊が存在する。

そしてどの小隊も己が実力をつけたいと切磋琢磨している。

無論空戦メインの魔法を使うものにとっての舞台は空だ。

空戦を行うには決められた演習空域で行う義務があり、それ以外における魔法行使は重い罰が発生することもある。

そして演習空域での訓練を希望する小隊は多いので演習空域を予約しなければ使えない。

そして時間も限られるのである。

もちろん上のランク(AからDまでのランクがあり)であればある程演習空域での訓練時間に考慮される。


Dランクであり、新設の小隊であれば10分から30分程しか取れないのである。

レスターとミツキは入学してある程度の学院のシステムを知っているので理解している。レスターの表情は納得しているようには見えないが。

そう初音にも説明し納得したようだ。


「ほかに質問はないか?」

「一つ確認したいんだが、勝利条件はあるのか?」


レスターが今度は質問した。


「今回の模擬戦の勝利条件は俺に一撃魔力による攻撃を当てる事だ。敗北条件はそうだな、お前達3人が撃墜されたら終了だ」

「わかった。とにかく一撃でもいいからアンタに当てれば勝ちってことだな」

「まあそう言う事だな。当然俺も積極的に攻める気はないが手加減せず行くからそのつもりでな。あと何か質問はあるか?」

「あの、アシュレイさん、5分以内に当てられなかったらどうなるのですか?」


最後にミツキが質問した。


「5分経過した時点でお前達の負けだ。無論5分に近づいたら俺も今の全力で撃墜に掛かるからそのように。説明に時間を取ったな。それじゃさっそく始めようか。と言う事で〝始め”っ!」


”始め”の宣言と共にアシュレイはイヤリング式魔導器(デバイス)=エアリルを発動させる。

使うのは”空域自己加速術式”だ。

そして発動と共にアシュレイの姿は初音達の遥か先に移動していた。


一瞬の出来事に呆気に取られる3人。まるで瞬間移動でもしたかの様に思えた。少なくとも一瞬で残像を残したようにしか見えなかった。

そんな3人にアシュレイは声を掛ける。


「どうした、早くしないと5分なんてあっと言う間だぞ!」


その言葉に呆気に取れていた3人も正気に戻ったようだ。


向かって来る3人に対する為に左手に短剣式魔導器(デバイス)=バベル、右手に短銃式魔導器(デバイス)=フェイズをそれぞれに取り出し握る。

構えは取らない。

構えは相手からの出方次第。


「さて見せてもらおうか。お前達の実力ってやつを」






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