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壊し屋  作者:
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3/5

復讐の報酬

 ……今日もまた特に嫌な朝が来た。

 なんかもう絶望的な部屋の中で、朝食の納豆を牛乳で流し込みながら新聞を読む。

 紙面には拉致監禁、婦女暴行の文字がおどる。物騒になったものだ。

 俺はジョー、壊し屋をしている。

 人間関係から建造物まで、この世のありとあらゆる物を壊すのが仕事だ。

 俺への依頼は郵便で届く。今日はどんな依頼があるだろうか。

 今日はなんとなくそういう気分だったので、郵便受けごと持ってきてみた。明日からどうしよう。

 中から取り出した、ふと気になった手紙を読んでみる。

 差出人は斎藤隆46歳。人生の中ほどを過ぎた男が俺に何を壊して欲しいのか。


 “どうかお願いします。

 私の元上司、加藤三郎の社会的な信用を壊してください。

 私はこの男のせいで会社を首になり、全てを失ってしまいました。

 私の味わった痛みの何十分の一でもいい、この男に味わわせてください。

 どうか、どうかお願いします。”


 復讐か……くだらない。

 復讐では何も得られない。また何かを失うだけだ。

 だがわざわざ忠告してやる義理はない……これはビジネスだ。

 いいだろう、壊してやろう。

 俺は壊し屋、壊すのが仕事だ。



「九時になりました、ニュースをお伝えします。今日午前十時ごろ、三浦町四丁目にある建設会社「滅菌コンクリート」に男が全裸で侵入、近くにいた会社役員とトラブルになっていた所を社員に取り押さえられました。男は調べに対し供述を拒んでいる模様。警察は今後も厳しく追及する方針です」

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