暑さ耐久我慢大会!!
夏の学校──それは暑さとの勝負。生徒達は下敷きやノートで自分の体を仰ぎ、暑さから身を守っていた。
だが、近年エアコンが取り付けられる学校が増えて、大勢の生徒が暑さから身を守る事に成功している。涼しい中授業に受けられる生徒らの集中力はエアコンがない時の数倍にもなる。
温暖化が進む現代では夏の授業にエアコンは必須だ。
*
7月も半ばに差し掛かり、梅雨も明け始め気温が徐々に上昇している今日。雲一つなく、公園の噴水広場には水遊びする子供達が増え始めている。
黒腹中学では現在授業中。だが──
「あちぃ……死ぬぅ」
ジメジメとした暑さの中、生徒達は授業を受けていた。
金城は下敷きを扇ぎ、ぐにゃあと溶けたアイスのように机に伏せていた。だが、扇いでいるが汗は雨のように流れ落ちていた。
他の生徒も同じでみんな汗ダラダラになりながら授業を受けており、汗でノートが濡れてしまう事が度々起こった。それにこの暑さじゃ、まともに授業を聞いている者は殆どいなかった。
金城が黒板端にぶら下がっている温度計を見ると39℃と記されていた。
「暑すぎだろ……ふざけんなよ」
そんな中、窓側の直射日光を全面に浴びている蓮がふらふらし始めて、とうとう椅子から転げ落ちてしまった。
「れ、蓮!?」
「もう……無理」
金城が慌てて駆け寄り、蓮を起こした。蓮は白目になり、完全に生気を失っていた。
「これは酷い……熱中症だ」
「金城、蓮を保健室に連れてってくれるか?」
「もちろん!!」
元気よく答える金城に、修吾がボソッとツッこんだ。
「お前、やたら保健室好きだよな。誰か倒れたらすぐに連れてこうとするし」
「俺は正義感あふれる男だからな。お前らとは出来が違うんだよ」
そう言って蓮を抱えて保健室へと連れてった。
保健室へ入ると、そこはまさにオアシスであった。
「ふぅ!涼しい!!」
それは涼しい風が程よく循環しており、身体の汗という汗を身体から追い払ってくれたのだ。寧ろ汗で濡れた制服が一気に乾き、逆に凍える程の涼しさであったのだ。
金城は先生がいない事を確認すると蓮を適当にソファーに寝転がして呑気に椅子へと座り、冷蔵庫から無断でスポーツドリンクを取り出し、飲み始めた。
「本当にオアシスだぜ。ここは」
そして数分後に、保健室の先生が到着して金城が事情を説明するも困り顔をした。
「貴方で三人目よ。もうベットないわよ?」
「えぇ?マジで?」
「そのままソファーに置いておくしかないわね」
*
昼休み──教室で暑い中、弁当を食う金城ら。だが、暑さであまり箸が進まず、自然とお茶ばっかり飲んでいた。
「それにしても昼になると、さらに暑くなってくるな」
「今年最大級の暑さだってニュースで言ってたな」
「プールの授業もねぇし、近くにあるのは汚ねぇ川だけだし、本当にあちぃわ!」
「確か職員室はエアコンガンガンに効いていたな」
「何!?」
「うん。めちゃ涼しくて暖かいココア飲んでた先生もいたぐらいだよ」
「何だと!?何だって?これは呑気に食ってる場合じゃない!!」
その事を修吾から聞き、金城はすぐさま弁当を口に掻き込み、口にご飯を含んだまま教室を出て行った。
唖然とする修吾に対して、大知は慣れたのか呑気に食べながら話す。
「まぁた金城の奴、何かやる気だな」
「嫌な予感がするよ」
*
金城は職員室に飛び込むと、そこは保健室と同じくらい涼しく、本当にココアを飲んでいる先生がいた。
「な、何て涼しい……」
「どうした?金城?」
先生の一人が聞くと、金城は拳を震わせながら怒りを表した。
「何であんたらが、こんな涼しい場所にいて、若い俺らがあんなあちぃ場所で一日中授業受けなきゃいかんのじゃ!!」
「先生が倒れたら誰がお前らに授業を教えてやるんだ?」
「だからって、俺ら生徒が倒れたらあんたも仕事にならんだろ!!」
「……それもそうだが、文句は校長に言ってくれ。これを決めたのは校長だから」
「分かった!!」
慣れた風に言う先生に対して、金城はすぐに職員室から出て行き、校長室に飛び込んだ。
「校長!!」
「ん?」
「やはりここも涼しい……」
校長は窓側で外を眺めてお茶を飲んでいた。
それに校長室もクーラーがギンギンに効いており、冷気が逃げないように金城はすぐさまドアを閉めた。
そしてすぐに校長の机の前に行き、説得を始めた。
「校長!!先生らだけにエアコンの涼しさを与えて、俺らには与えないんだ!!エアコン設置してくれ!!」
「設置しようにも予算がないんですよ」
「予算?」
「春の間に学校が幾度となく破壊され、予算がないんですよね」
「うっ……」
「蓮が何故か大きくなった時に天井や備品が破壊されたり、真夜中に何者かによって学校が破壊されたり、変なおもちゃのロケットが3階に突っ込んできたり、災害で破壊されたりと、多分全部君とは関係ないと思うけど、破壊されすぎて予算がないのだよ。分かるかな?」
「は、はい……」
「つまり、金がないから設置ができない。分かったかな」
どれも身に覚えがある事ばかりで、冷や汗がだらだら流れる金城はあまり強気に出られなくなって来た。
どうすればエアコンを設置出来る状況を作られるか、頭をフル回転させた。数秒黙り込むと、金城は人差し指を立てて校長に言った。
「なら、校長!!これならどうだ!我慢大会だ!!」
「我慢大会?」
「俺ら生徒とあんたら先生らで暑さの耐久戦を行う。どっちかが、暑さで参ったら終了として、俺らが勝ったらエアコンを取り付ける。先生らが勝ったらエアコンは取り付けない。もちろん校長、あんたも参加してもらうぜ!」
「ほぉ。ですが、そんな危険な事を──」
「だけどよ。俺らは地獄と化した教室で授業を受けてる。それに対して先生らエアコンの効いた職員室にいるんだ。俺らは慣れてるが、先生らはエアコンに慣れて簡単にひーこら言って負けるな決まってる!!」
「ほぉ、結構な自信ですね」
「なりより、俺らは若い!!体力には自信がある!!あんたらに負ける訳がんない!」
「ほぉ、そこまで言うなら──」
*
そして午後の授業──金城は半強引に先生らを説得して全生徒を体育館に呼び寄せ、事の事情を説明した。
「分かったな!!教室や部室などにエアコンが苦しいだろ!!なら、立ち上がれ!校長に立ち向かえ!!暑さを乗り越えるにはエアコンが必須なのだ!!」
「「「「おぉぉぉぉ!!!」」」」
全生徒が腕を上げて声を上げた。
やはり暑いのか多くの生徒達が賛同して立ち上がった。
「この勝負の条件を言う。一つ!誰か倒れたりしたら強制終了としてエアコン獲得はなしとする!二つ!服装は体操服!三つ!持ち物はタオルと500mlのペットボトル一個だけ!飲み物は何でも良い!四つ!時間は午前9時から午後4時まで!五つ!時間が来るまで場所は学校玄関の前で行う!」
「「「「おぉぉぉぉ!!!!」」」」
「出場の自由だ!!体力に自信がない奴は無理に出なくてもい
い!!体力のある野球部は強制的に出す!!そして共にエアコンを手に入れる喜びを分かち合うぞ!!勝つぞ!!」
「「「「おぉぉぉぉ!!!!」」」」
金城の演説に多くの生徒らが拍手をして、すべての生徒達を虜にしてしまった。
演説が終わり、全体の士気が昂って生徒達はやる気に満ちているようだ。
演説を見ていた義威子は金城に尋ねた。
「あんなに勝てるとか言ってたけど、何か策でもあるの?」
「あぁ、策はあるさ」
「策?」
「うん、策で乗り切るさ」
金城は迷いもない言葉に不思議に思う義威子であった。
そして次の週──
『さぁ!今日は校長vs生徒が繰り広げられようとしているぅ!!生徒が勝てばエアコン獲得!先生が勝てばエアコン獲得を阻止!!勝利条件は校長がギブアップするか、生徒が一人でも4時まで耐える事!!そして途中で熱中症や気絶などに陥った生徒が出たら勝負は中断し、エアコン獲得は無しとなる!!まさに自分との戦い!!解説は私女子放送部キャプテンの放解送説がお送りいたします!!』
と暑い放送室から送説がうちわを振りながら熱い声を上げて放送していた。
全校生徒300名いて、参加しているのは体力自慢の運動部などを中心とした200名程。他の生徒らは学校の廊下の窓から観戦している。
空は雲ひとつない超晴天。気温は今は20℃ほど。まだまだ涼しい空気が流れている。
参加した生徒は学校玄関の前に集結し、金城も一番前に立ちスタートを待っていた。共に修吾や龍尾、義威子や委員長らも出場していた。だが、金城はとある事が気になった。
「そういえば人骨さんとかは?」
「人骨さんと親方は部活の遠征でいないみたい」
「何の部活やってんだよ……まぁいい俺らだけでも十分に勝ち目があるさ」
そして9時前になり、屋上の柵の前に校長がマイクが持って現れた。
『皆さん静粛に!!校長先生からのご連絡です!!』
「生徒諸君。君たちのエアコンが欲しい気持ちはよく分かりました。もし勝てば私の自腹でエアコンを購入し、設置もしましょう」
その発言に歓声が上がり、全生徒の士気が一気に高まった。
『さぁ!!校長から言葉もあり、生徒らのやる気もMAX!!それで9時になりますのでぇ〜エアコン獲得我慢大会!!スタート!!!!』
合図と共に時計が9時を指してスタートとなった。
と言っても、4時まで耐えるだけなのではっきり言ってやる事もない。それにこの時間そこまで暑くなく、みんな座ったりして呑気に話していた。
だが、金城と校長だけはお互いに睨み合い、牽制し合っていた。
*
1時間経過──
『さぁ!1時間経過しました!!皆さんまだ、呑気におしゃべりする余裕がある様子です。ですが気温は25度を超え始め、徐々に陽射しも強まって行きます。ここからが勝負どころでございます!!』
1時間が経過した事により少しずつ暑くなって行き、地面のアスファルトからもジメジメとした熱気が生徒達を襲い、タオルで額の汗を拭き取り、飲み物を飲む生徒が増え始めて来た。
だが、金城は汗一つ掻かずひたすら校長を睨みつけている。校長も校長でずっと立ちっぱなし。
更に時間は経ち、11時頃──
『気温も30℃を越え始めて、汗も流れ出てくるようになりました。多くの生徒達が飲み物やタオルに手を伸ばす回数が増えています。ですがまだ、諦める生徒は出ていません。エアコンパワーが彼らをそこまで引き立てているのでしょうか!!私も室温34℃を越えてますが窓を開けて皆さんと同じ気持ちで頑張って実況します!!』
太陽が徐々に強まり、熱い日差しが生徒達を襲う。
アスファルトに触れると焼けるような熱さ。ペットボトルの飲み物も温くなり始めてきた。
すると──
「もうだめ……」
「暑い……」
何名かの生徒が手を挙げリタイアした。そして学校へと入って行った。
『おおっと何名かの生徒が悲鳴を上げてリタイアした!!流石にこの暑さに耐えきれなくなってきたかぁぁぁ!!』
これを皮切りに他にも耐えきれない生徒達が連鎖するようにリタイアしたいき、11時台だけで200人中50人がリタイアした。
義威子も立ち上がり、ふらふらとした足取りでギブアップした。
「私暑いの苦手なのよ……もうだめ」
「おいおい、そんくらいでへばるのか?」
「あんたと身体の作りが違うのよ……」
「俺はデリケートな身体だからな」
「逆よ逆」
金城はやはりまだまだ平気そうな顔をして汗も多少掻いてるだけであった。
『12時になりました!!皆さん弁当の時間です!!ですが、暑さのせいか食欲が中々出ないです!!私も弁当食って午後の元気を付けたいと思いまーす!!』
12時になり、外にいる生徒らは弁当を食っている。だが、多くの生徒は食欲がないのかあまり箸が進まない。
でも金城だけはガツガツとご飯を食い、米粒一つ残さずに食い切った。
義威子や同じく11時台でリタイアした委員長や蓮らは教室から弁当を食いながら金城らを見ていた。
「それにしても金城君、余裕の顔だね」
「何か策があるって言ってたけど、何だろうかしらね」
「ろくな事じゃないだろうけどね」
飯も食い終わり、そのまま2時間が経った。
この頃になると飲み物が底をついて多くの生徒達がリタイアして、気づいたら50人にも満たない数になっていた。
『とうとう50人を切ったぁ!!暑さに慣れている運動部も多くがリタイアしていき、勝負の結末が段々分かんなくなってきたぁぁ!!あと2時間程の我慢でエアコンが手に入るぞぉぉぉ!!だけど、気温も35℃を超えて今日の予想最高気温となっております!!』
龍尾や修吾、大知らもリタイアして窓から金城の様子を見ていた。
「金城の奴、何で周りの生徒と比べて余裕なんだろうか?」
修吾の疑問。それは金城が他の生徒に比べて全然汗が出てない事であった。タオルにもそんなに使ってないし、飲み物もそんなに飲んでいない。明らかに何かがおかしいと気づいた。
そこで大知が金城を指差して修吾に言う。
「よく見てみろ金城の額を」
「ん?」
大知の言葉に修吾は目を凝らして金城の額をみると、長方形に何か出っ張ってるように見える。それにその長方形部分と肌の色が微妙に合っていないようにも見えた。
「肌が暑さでちょっと赤くなっているが、頭の一部の部分だけ何も変わっていないような……」
「その通り。金城の奴、あの部分だけ冷たいジェルシートを貼っているんだよ」
「それってズルじゃあ……」
「バレなきゃ何でも良いってさ。我慢大会までずっと自分の肌の色と同じになるように絵の具を調合していたみたい。あのシート、絵の具で塗って冷やしたらしいよ」
「酷い……」
「それに金城が座っている場所の地面を見てみな」
また大知に言われて、地面を凝視した。それは金城を囲むように地面にヒビが入っているのだ。ピンポイントでヒビが入っている事に修吾は疑問に思った。
「偶然なのか?ヒビが金城を囲むように……」
「そうだ。深夜こっそりと学校に侵入して、アスファルトを掘って、小さな空洞を作って、そこに氷を投げ入れたんだ。だから、ヒビの部分から冷気が出て、多少は涼しくて地面も周りよりは暑くない状態になっているんだ。それに巨大なペットボトルのスポーツ飲料も忍ばせ、小さなチューブと繋げてるから、地面からこっそり出しているんだ。よく見て。地面から謎のチューブが出てるでしょ」
またまた見るとアスファルトから謎のチューブが分かりづらく飛び出ていた。そのチューブは金城の服の中に入っており、チューブは校長に見えない角度で金城の服の裾から腕まで忍ばせられていた。もちろんチューブの色は服や肌の色と同じになっていた。
「汗を拭くふりをして、勢いよく吸って水分補給してるんだよ」
「真正面からの勝負する気ないじゃん……」
「まっ、手段は選ばないのが金城らしいけどね」
そして3時頃──とうとう残っているのが金城だけとなり、ジェルシートも剥がれ落ちた。そしてコンクリート下に隠した氷は溶けて飲み物も飲み干してしまい完全に策が尽きてしまった。
コンクリートのジメジメとした暑さが肌を襲い、肌がどんどん日焼けしていく。
『残ったのは金城君ただ一人!!ですが校長もまだ、余裕のようです!!ですが、後1時間を切りました。そう少しで金城君の勝利です!!』
かなり限界状態の金城だが、校長は相変わらず腕組んでずっと立ちっぱなしの状態でいた。
「嘘だろあの校長。まだ余裕の顔をしてやがるぜ……」
それから14分後──金城は目が霞み始めて、徐々に頭が無意識に下がり始めて来た。だが、自分の頭を叩いて気を保ちながら無理矢理に続行していた。
「後もう少しなんだ……エアコンまで」
「あいつ、脱水症状起こしかけてるんじゃないのか?」
そして数分後──
「くっ……もうダメだ……」
とうとう金城は白旗を挙げて、その場に倒れてしまった。
すぐな修吾らが駆け寄り、保健室へと連れてかれた。
『おおっと!!金城君、白旗挙げてぶっ倒れた!!友達が駆け寄り、すぐに運ばれた!!勝者は圧倒的な耐久力を見せた校長だ!!一応金城君は気絶する前に敗北したので、勝負は無効にはなりません!!どっちにしろ、校長が凄すぎだぁぁぁ!!』
金城が敗北して、校長は依然とした態度で屋上から立ち去った。
道中、別の先生に問われた。
「校長何で暑さに強いのですか?」
「サウナが好きですから」
そして校長は保健室へと向かい、ベットで横たわり冷たいタオルを乗せた金城と話をした。
「金城君、状態は大丈夫ですか?」
「あぁ、身体は丈夫な方だからすぐに治るさ」
「そうですか。でも、約束は分かってますよね」
「ちっ。悔しいけど、俺の負けだ」
「約束通りエアコンは無しと言いたいですけど、君達の生徒諸君の気持ちや情熱には負けましたよ。私の自腹でエアコンを買ってあげましょう」
「ほ、本当に!?」
表情筋が一切動かない校長がニヤリと笑った。
「えぇ。ですが、もし次があってもズルはなしですよ」
「バレてたのね……」
「はい。でも、そのずる賢さと生徒の心を動かす行動力は褒めますよ。金城君」
「あ、ありがとうございます校長」
「いえいえ。君達が楽しく学校生活できるようなするのも校長の役目ですからね」
校長は威厳のある背中を見せながら保健室を出て行った。
「やっぱり威厳があるなぁ……」
*
土日の間に校長は中古のエアコンを購入し、すぐに業者を雇い急ピッチに取り付けられた。
登校日となり、全生徒はワクワクを抑えられず早めに投稿する生徒も出てくるほどだった。
金城が学校に到着するとまるで英雄のような扱われた。男子からも女子からも声援が送られて金城も満更でもない顔で手を振った。
「いや〜いや〜俺の根性が校長の心に響いたから勝利した。つまり、みんなの気持ちが俺に伝わり、更にその心が校長に届いた。すなわちみんな勝利だ!!」
全生徒から歓声が上がり、金城は胴上げされる程にで発展した。
そして授業前、全学年の教室では一斉にエアコンの電源を入れようと全員心待ちにしていた。更には理科室や音楽室、美術室などの移動教室先でもみんな待っていた。
金城は放送室におり、放送室でも大知や修吾が共に電源をつけようとしていた。
『何がともあれエアコンをつける時が来た!!これでこの夏は快適な学校生活が送れるぞ!!行くぞみんな、一斉に押すぞ!!せーーの!!』
の言葉と共に全教室でエアコンの電源がつけられた。いざ、快楽の世界へ──
だが──その瞬間、学校全体の電気が落ちた。
「あれ?」
「停電!?」
「嘘だろ!?」
「でも、学校ってそんなやわなもんじゃないだろうし、何で!?」
すぐに先生が金城の前に来た。
「先生!どうゆう事だよ!!」
「ブレーカーが完全に壊れたようだな」
「何で!?学校の電気がそんな雑魚なわけ無いだろ!」
「多分学校の修復をする時に、適当な工事をしたんだろう」
「手抜き工事って事!?」
「多分な。これはまた大きな予算を使って業者に頼まないと行けないな」
その言葉に金城は暑い放送室なのに冷や汗をダラダラと垂れ流した。
「つまり……夏休みまで……」
「エアコンはおろか、扇風機も使えないかもな」
「マ〜ジかよ!!ちきしょう!!」
学校全体から落胆の声が広がり結局、黒腹中学は夏休み開始までクーラーはおろか、扇風機まで使えなくなってしまったのであった。




