↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
足りない召喚士の戦い方  作者: トリバード
再:C級昇格試験 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
80/143

80:昇格祝い

本日もよろしくお願いします。

「――だからよぉ!!」


酒場の二階。


貸切状態の一室で大声が響く。


「レオンがC級とか、感慨深ぇって話だ!!」


「声が大きいですよガドさん……」


レオンが、困ったように肩を縮める。


机の上には空いた酒瓶。

料理の皿。


そして、完全に出来上がった大人達。


「まぁ実際、あのレオンがなぁ」


リオ・ヴァレットが酒を片手に笑う。


「依頼中ずっと自信なさそうにしてたもんなぁ」


「やめてくださいよ……」


「いやでも本当によ」


ガドが、豪快に笑った。


「周りに気ぃばっか使って一歩引いてた奴が今じゃC級だぞ?」


「そこまでじゃなかったですよ!?」


「いや、割とそんなイメージあるぞ」


カイルが、普通に追撃した。


「カイルまで!?」


笑い声。


普段より賑やかな空気。


C級昇格祝い。


名目はそうだった。


だが実際は、


“よくここまで来たな”


そんな空気が強い。


そして、その騒ぎの中心には、お調子者のミナが居た。


⸻


「はいレオン!飲め飲めー!」


「いや、もうかなり飲んで――」


「C級昇格祝いだよ!?」


「今日は主役なんだから!!」


既にだいぶ酔っている。


顔が赤く、テンションも高い。


そして。


距離が近い。

パーソナルスペースがバグっている。


「ちょっ、ミナさん近――」


「んー?」


濃い酒の匂いが香る。


レオンが、露骨に視線を逸らす。


その様子を見て、リオが吹き出した。


⸻


「お前、酒も女も耐性無さ過ぎだろ」


「うるさいです……」


「ははっ!!初心だなぁ坊主!」


ガドが机を叩いて笑う。


その横で、カイルは呆れたように呟く。


「元気だよなぁ」


「カイルももっと飲みなよー!」


「いや、俺ももう十分――」


「うりゃ!!」


ミナが勢い良く肩を組む。


「うおっ」


そのまま。


ぐいぐい酒を注ぐ。


「飲め飲めー!!」


「待て、お前酔いすぎだって――」


「今日はめでたい日なんだから!!」


「いやお前主役じゃねえからな!?」


完全に酔っ払いだった。


だが誰も強くは止めない。


むしろ全員、楽しそうだった。


⸻


そして数時間後。


「…………」


レオンは、机へ突っ伏していた。


完全撃沈。


「弱いなぁ...」


リオが笑う。


「本当に弱いなこいつ」


「……潰れるの早かったな」


カイルも少し呆れていた。


その横。


ミナも机へ突っ伏していた。


「んへへぇ……」


「お前も潰れてんじゃねぇか」


ガドが笑う。


静かに夜は更けていった。



⸻


翌朝。


「…………ぅ」


眩しい。

頭が痛い。

身体が重い。


ゆっくり目を開ける。


見慣れた天井。


宿の部屋だった。


「……あれ」


どうやって帰った?


記憶が曖昧だ。


身体を起こそうとして。


「うっ……」


頭痛。


レオンが顔をしかめる。


その時。


窓際から小さな羽音が聞こえた。


ふわり。


妖精鳥。


一羽がレオンの肩へ降りる。


「……おはよう」


小さく笑う。


妖精鳥が頬を軽く突いた。


まるで。


「飲み過ぎ」


とでも言いたげだった。


「反省してます……」


呟く。


すると、別の妖精鳥が、

机の上の紙を咥えて飛んできた。


「ん?」


受け取る。


そこには。


乱雑な字。


『先に帰る。

二日酔いなら水飲め』


カイルだった。

レオンが少し笑う。


その紙の端には、


『また飲もうね!!』


やたら文字が大きい。


ミナだ。


「……絶対また潰される」


苦笑。


窓の外では、街がいつも通り動き始めている。


冒険者達の声。

商人。

荷車。


いつもの朝。


だが。


少しだけ違った。


C級冒険者。

レオン・アルバーン。


昨日までは遠く感じていた肩書き。


だが今、それが、

自分のものになっていた。


レオンは、静かに息を吐く。


「……頑張らないとな」


まだ。


足りないものはある。


だが、確かに、

前へ進んでいる実感があった。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

ミナは騒ぎたいだけです。

すぐ潰れるけどすぐ回復するタイプの酒飲みです。

続きが気になると思っていただけたら、ブックマークや評価をいただけると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。